震える牛 相場英雄(著)2012年2月発行
題名が暗示しているのだが、世界中の食卓を震撼させた狂牛病騒動を
絡め、未解決居酒屋強盗殺人事件を、あの捜査一課継続捜査班「田川」が
再捜査し、解決に導くドラマ。
徹底した地取り艦取りにより、強盗殺人と見なされていた事件が、
実は計画された犯行であり、徐々にその裏に超大手スーパー経営者の姿が
現れ始める。
容疑者の目星をつけたものの、なかなかその動機が分からず、捜査は難航するも、
田川の相変わらず地道に足による捜査により、全貌が明らかになっていく。
誰でも馴染みのある全国どこの町にもあり、いずれの店舗も均一な建物と売り場で、
見慣れた町の中心から少し離れた広い駐車場がある大型ショッピングモール。
(個人的には全く好みではないので、近付かないが)
そんな大型店の内情を垣間みられる興味深い話でもあり、
特に、狂牛病に絡む動機解明が進む中盤以降は一気読み。
田川の想う、大型店による町の崩壊や店舗の在り方については全く同感、
共感したし、肉牛の流通経路や狂牛病検査についても知ることができた。
誰でも面白く読める一冊。
最新作は、現在、度々ニュースにも登場する大手電機メーカーをテーマに
しているらしく、話題になっているみたいだ。
わがまま母