紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている
再生・日本製紙石巻工場 佐々涼子(著)2014年6月発行
今年も3月11日が近付いてきました。
あの冷たく寒い日と思い出すだけで、手足が凍りそうになります。
この本を知って読んでみたいと思いながら、ようやく手に取りました。
やはり予想通り、涙が滲む目尻をぬぐいながら読むことになって、、、。
あらためて、あたりまえの日常がいかに大切なものか、ということ
つい忘れてしまいがちな自分を反省しているところです。
あの日、未曾有の被害を受けた日本製紙石巻工場が、
紙を造ることに誇りを持つ男達のコツコツとした地味な努力と
揺るがぬリーダーシップにより、幾多の困難を乗り越え、
わずか半年で再生し、1年後には完全復活を果たすまでの感動の記録。
そして、被災した石巻の町の混乱の様子、社員を含めた市民の姿や心情も
描かれている。
聞き取り調査により、極限での人間の本質が克明に記録されているので
資料としても貴重だと思うし、決して悲惨な語り口ではないので、
誰が読んでも大丈夫。
防災を考える場合にも、広い意味で礎となるだろう。
わがまま母