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京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

2021冊目:笠井清・白井聡『日本劣化論』(ちくま新書)

2014-10-27 11:34:44 | 本と雑誌
2021冊目はこの本。
笠井清・白井聡『日本劣化論』(ちくま新書、2014年)

現代日本の国内政治の情勢とか国際政治面での環境の変化等々についての認識という面では、私は大筋でこの両氏の意見に納得できます。
ただ、この本の最後に出てくる笠井氏の「国家民営化論」については、やっぱり首をひねります。
「それって、グローバル資本主義のなかでのエリート層や多国籍企業の経営者の発想と、どこがどうちがうの?」と言いたくなってしまうわけですね。
「自立した強い個人・家庭・地域」が求められるこの笠井氏の発想については、そうはなりきれない人々の暮らしぶりを見てきただけに、「簡単にそう言っていいのかなあ?」「その国家民営化が行われた社会で、弱い個人・家庭・地域を支えるセーフティネットは誰がはるの?」と、問いかけたくなります。
なお、白井氏は来年春から、うちの大学の同じ学部の教員になります。

日本劣化論 (ちくま新書)


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