遅くなりましたが、先週金曜日の公開講座第1回目の報告を書いておきます(内容的にはフェイスブックに書き込んだことの加筆修正版になりますが)。
いや~。先週金曜日、熱気むんむんのC102教室でした。
前で90分しゃべっていて、とってもあつかったです。
その日は欠席という方も何人かいたんですが、逆に今夜急遽参加したという方もいて、差し引きでやっぱり30人くらい。
この教室は一応全部座席が埋まると90人くらいで、ひとつおきに座ると60人くらい収容可能かな。
前から見ている分には、「けっこう、参加者で教室うまったな~」って感じになりました。
それもこれも、参加申込をされたみなさん、参加を呼び掛けてくださったみなさんのおかげです。
ほんとうにありがとうございました。
さて、先週金曜日夜は4回連続の公開講座の1回目。
「学校での事故・事件とどのように向き合うか」という連続講座全体のテーマに即して、川西オンブズ以来、自分がこれまで学校事故・事件の被害者家族・遺族とどのようにかかわり、何を考えてきたのか・・・という話をしました。
で、今の自分が、たとえば学校現場の教職員や教育行政の職員として、あるいはひとりの保護者や市民として、はてまた専門職として事後対応や調査委員会等々で、それぞれの場面で学校事故・事件と向き合っている「人」のあり方の問題にこだわっているのだ・・・という話をしました。
事故防止のテクニック、How Toの問題ではなくて、そういう技術的な知性の裏付けになる人間性、思想、倫理観の問題といえばいいのかな。まあ、「人文学的な課題」に目を向けていることは確かですねえ。
もっと分かりやすく言えば、事故・事件の諸問題にかかわっている専門職の倫理とか、人間の「良心」ってなんなのだとか。
あるいは、調査・検証作業の場面で、どれだけ苦しい状況にあっても「これだけは譲れない」という専門職の「矜持」みたいなものってなんなのだとか。
まあ、そういう課題について考えたいというのが、今の自分の課題意識なんだということに、あらため今日、受講者のみなさんを前に話しをしていて気づきました。
結局、このあたりがぐらぐらな人が調査委員会とか、文科省の有識者会議とかに入ったりすると、日頃はその枠外でいくら威勢のいいこと言っていても、こういう枠内でグダグダになってしまうし・・・。
それで・・・。けっこう今まで飲み屋さんでは個別に話したけど、公の場では話さなかったようなこともツッコんで話しました。
川西オンブズに居た頃に、調査業務に従事するにあたって、瀬戸さん(当時のオンブズ、弁護士)にどんなことを日々言われていたのかとか。
でも、自分が川西オンブズで事故調査にたずさわり、勧告・意見表明づくりにかかわったことが、そんな大それたことだとは当時、まったく思ってなかったことだとか。
あるいは、オンブズやめてしばらくのあいだ、本当にまじめに教育学の勉強がしたかったのだとか。
なにしろ在職時に学校現場の課題等々をきっちり分析して、何をどう変えるか具体的に提案できる力がないと、この制度がまさに「人の問題」でうまく機能しないことに気づいたからだとか。
それでもなお、自分が熱中症死亡事故の調査に深くかかわれたのは、川西オンブズに行くまでの諸経験(居場所づくりだとか、部活外部指導者の経験だとか、地味な教員処分の歴史研究とか)があったこと。
そういう過去の経験が、起きてしまった悲しい事故を前にして、自分が調査担当になったときに、「自分もスポーツ指導者や教員のはしくれだったし、これはやはり、自分たちのあり方が問われる課題なんだ」という課題意識に結び付いたこと。
そして、申立て人たる遺族の訴えが、自分の課題意識ともどこかでつながったからこそ、過去の経験で培った人の話を聴くスキルも、文書・資料を探して時系列的に整理・検討するスキルも、どこかで役にたったのだ・・・ということ。
また、いったんはまじめに教育学の勉強をしたいと思って、オンブズのことなんて忘れていた自分を、学校事故・事件の遺族・家族のみなさんは、またその世界に呼び戻した・・・ということ。で、そこからいろんな課題がまた、見えてくるようになった・・・ということ。
まあ、だいたい、こんな感じの話をしました。
ほんとうはこのあと30分~60分時間があれば、きっと深い深い議論ができたでしょうねえ。
3人の方からご意見・ご質問がでましたので。
グループ討論とかしても面白かったでしょうし・・・。
そうそう、次回は「学校事故対応に関する指針」の解説をします。
11月25日夜の予定です。
「受講料さえきっちり4回分、5000円払ってくれたら、2回目からの参加もあり」と、受付担当者は言っておりました。
併せてお伝えしておきます。
※公開講座レクチャー・ガーデンの「学校事故・事件とどのようにかかわるか」の申し込み、問い合わせなどは、京都精華大学の下記のホームページから確認をしてください。
上記のとおり、1回目はおわりましたが、あと残り3回あります。
きっちり受講料5000円払っていただいたら、2回目以降の参加も「あり」です。
なお、京都精華大学関係者には割引もありますので、ご確認のうえで申し込んでください。
http://www.kyoto-seika.ac.jp/info/garden/2016/late/lecture_sumitomo2016/