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京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

大阪市解体・特別区設置の住民投票を前に「学校統廃合」促進の条例改正案を出すことの意味

2020-01-09 23:33:34 | 受験・学校

大阪市立小、統廃合へ条例 適正配置急ぐ 全国初、市教委方針(毎日新聞2020年1月9日配信記事)

https://mainichi.jp/articles/20200109/ddf/007/100/010000c

あくまでもこの記事を読んでの直観的な印象になりますが。

私は、この記事のここの部分に注目します。

「しかし、指針に基づく統廃合では、自治会が小学校区単位で組織されている事情もあり、合意形成に時間がかかり少子化の速度に追いつかず、適正化は年1・5校程度。市議会内では、統一的なルール作りを求める声も上がっていた。」

学校統廃合に関する議論は、地元の人たちの声を聴いて、時間をかけて合意形成をはかりながらすすめていく必要があるはず。

しかし、その議論のスピードをいま、この時点であげなければいけないとしたら、その理由はなにか。

私が思うに、「大阪市解体・特別区設置構想(いわゆる大阪都構想)」の実施をにらんだ対応ではないか、ということ。

要するに、大阪市を解体して特別区4区に分割する際に、「できるだけ多くの小学校を統廃合してしまって、特別区が最初に抱え込む公立小学校の数を減らしてしまえ」という意図があるのではないかと思った次第です。

また、「大阪市解体・特別区設置構想」の是非を問う2度目の住民投票を前にして、地域社会、特に自治会単位での地域社会に混乱と分断を持ち込んでおこう、という意図もあるのかも。

そういう風に考えると、この対応、ものすごく意図的かつ悪質。

いま、大阪市内の一部の地域で、先行的に、時間をかけながら地道に学校統廃合の議論をすすめて、ある程度まで合意ができようとしてきたところにも、再び分断と混乱を持ち込むことになりかねないです。

なので、まずはいったん「こういう余計なことをするな!」と、日頃の立場のちがいを越えて、市議会及び市教委、そして市長には言う必要があると思います。特に、直近の総合教育会議での議論を傍聴して、その中身をふまえて、批判的に言うべきことは言う必要があるのではないかと思います。

その上で、まずはこの「余計なこと」を撤回させた上で、統廃合をすすめる必要のあるところは、時間をかけて合意形成をはかっていく。そういう対応を私としては望みたいです。


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