できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

5月9日付けの投稿(転載その27)

2006-09-20 16:41:46 | 過去の記事の転載

※この日は2回投稿していますね。

大阪市の飛鳥地区の財団法人理事長による委託事業の収益着服事件関係での朝日新聞ネット配信記事の続き(今日の分)http://www.asahi.com/national/update/0509/TKY200605090276.html

昨日の記事の続きが出てきましたが、私に言わせると「はぁ~、これだと、大阪市役所や大阪市議会だけでなくて、東淀川の税務署も大阪府警も、なんかウラがありそうですな。だって、5年前の修正申告段階から、国税庁として、あるいは大阪府警として、この人物がほんとうに『あやしい』と思ってるなら、それなりの動き方ができたんじゃないのかなぁ?その5年前から今まで、あるいは、その5年前以前は、国税当局も大阪府警も、この人物や関連団体について、どんな捜査活動してたのだろう?」って、記事の内容を見ると思ってしまうんですよね。

昨日書いたように、ご本人は容疑を否認しているらしいけど、この報道内容が事実であれば、この本人や、この本人が関わった諸団体が、厳しく警察当局などの追及を受けることは、当然のことです。また、直接、この容疑者に金が回るルートをつくった大阪市の外郭団体とか、その外郭団体の監督権を持つ市の部局、さらには、これまでの市としての人権施策のあり方や、過去及び現在の市長などに対しても、できれば、徹底的にこの際、事実関係を究明して、ウミは出し切るほうがいいでしょう。そして、同時に、外郭団体を含めた大阪市の財政に対して、予算や決算の審議、予算執行状況の監査などで、きちんとしたチェック機能を長年はたしてこなかった市議会も、その責任を問われてしかるべきだということを、昨日、書きました。と同時に、大阪の税務署や警察も、この人物と関連団体が何か問題だとにらんでいたのなら、「今までなぜ捜査してこなかったの?」と思ってしまいますね。

そんなことから、「やっぱり、なんかこの事件が今ごろクローズアップされるのには、大阪市の市長部局の施策とか市議会内のかけひきなどに関連して、それなりのウラがあるんとちがうか?」って思ってしまいます。

ちなみに、今回、この容疑者が関わっていた駐車場の管理運営を委託していた市の外郭団体・大阪市開発公社というのは、現在の社長は元大阪市の水道局長のようですし、開発公社の業務との連絡調整は、大阪市の財務局が担当しているようですね。おまけに、開発公社の役員9名中3名は市からの派遣、4名は市職員OBのようですし。このへんは、下記の大阪市財政局のホームページで「監理団体」という項目を見ればわかりますよ。(大阪市財政局のホームページ http://www.city.osaka.jp/zaisei/1financial/kanri.html

それと、大阪市の経営企画室のホームページを見ると、いま、大阪市は外郭団体(監理団体)の経営状況の透明化とともに、外郭団体の整理・統合を考えているようですね。たぶんこれは、大阪市の財政状況が逼迫している中での、「行政のスリム化」の一環なんだろうと思いますが。(大阪市の経営企画室のホームページは、http://www.city.osaka.jp/keieikikakushitsu/index.html

こういう状況のなかで、今回の事件のように、大阪市の財政をあずかっている財政局の監理団体(外郭団体)である開発公社が、委託先とこんな形で経営面での問題を抱えていたというのは、いま、市長のリーダーシップの下で、大阪市の行財政改革を推進している経営企画室にしてみると、とても容認できるものではないでしょうね。

どうも、そういう大阪市の行財政改革をめぐる「ウラ事情」や、外郭団体の経営に関するチェック機能の問題などを介在させながら、この事件の「背景」にある大阪市の都市行政の抱えている体質的諸問題というのを読み解いていかないといけないのではないか。でないと、本当に何が問題だったのか、ということが見えてこないような気がします。マスコミが、本当にそこまで大阪市の行財政改革をめぐる本質的な問題にまでふみこんでいくのか、それとも「このオッサン、けしからん」というレベルで議論を作っていくのか、今後もこの事件については注目していきたいです。

<追記> 2006年5月23日(火)

この日記帳ブログを書いたあと、次のサイト(ブログ?)で、私の5月16日づけ日記帳ブログの文中にある言葉が引用されています。また、私がこの日記帳ブログで、他の日に取り上げた「飛鳥会事件」のことも、次のサイトで紹介され、「これこそ公正・中立の立場」と高く評価してくださっています。

<アドレスは転載に際して削除>

しかしながら、私が自分の5月22日・23日付けの日記帳ブログで書いているとおり、下記サイトでの高い評価への感謝の思いと、このサイト運営者がネット上で大阪市の問題に対していろいろ取り組むことに敬意を表しつつも、どうも私とは基本的なスタンスがちがうように感じていますし、そこには「誤解」もあるように思います。だから、上記サイトからこの日の投稿分にアクセスされた方は、ぜひ私の5月22日・23日付けの文章も読んでいただければ幸いです。お手数をおかけしますが、よろしくお願いします。

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