できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

近々予定されている講演会・集会の告知

2013-05-13 00:17:29 | ニュース

ほんとうは例の大阪市の外部監察チームが出した報告書の内容について、いろいろとコメントをしたいところではありますが・・・。まだその準備が整っていません。申し訳ありません。なかなか思うように作業をする時間がとれなくて・・・・。

さて、私が出る形で近々予定されている講演会、集会の告知を、この場をお借りしてさせていただきます。

<その1> 
札幌市子どもの権利条例市民会議(こどけん)主催の講演会。
「ほっとけない!子どもの自殺-札幌市の報告書(2012年12月14日)から考える」
2013年5月19日(日)14時半~16時40分 社会福祉総合センター(札幌市)
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<その2>
浅田羽菜さんの家族とともに歩む会主催
「“事実を知りたい”という遺族の願いに寄り添って―学校事故と第三者委員会の役割とは―」
2013年6月7日(金)19時~20時半 京都市こども未来館第2研修室。
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<その3>
反体罰NPO・研究者連絡会主催の集会
「今日からはじめよう! 子どもとおとなの「いい関係」づくり ~体罰のない社会をめざして~」
2013年7月7日(日) 13時30分~16時30分 とよなか男女共同参画推進センター「すてっぷ」セミナー室(参加には事前申し込みが必要です)。
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関西テレビの番組「みんなの学校」を見て

2013-05-06 11:13:59 | ニュース
http://digital.asahi.com/area/osaka/articles/OSK201304300151.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_OSK201304300151
(朝日新聞デジタル2013年5月1日付け:みんなの学校、密着1年 大阪の関西テレビ、6日放送)

http://www.ktv.jp/document/index.html
(関西テレビ:ザ・ドキュメント みんなの学校 2013年5月5日 24時25分~放送)

この「みんなの学校」の録画、先ほど我が家で、カーテンレールの付け替えをする前にひととおり見ました。
たぶん「ケアする学校」という言葉がぴったりくるんじゃないですかね、この小学校の取り組みって。印象的だったのは、日常生活のなかでのささいな子どもどうしのトラブルに、校長以下の教職員がていねいに向き合っているということ。それと、障害のある子どもや家庭環境にさまざまな課題のある子どもを、まずは大事に学校で抱えていくということ。この2点でした。そう考えると、「保育」あるいは「福祉」と「教育」との相互浸透みたいな切り口から、この学校の取り組みを考えていったほうがいいのかな・・・という気もしています。
また、子どもの数に対して配置されてる教職員数も、比較的多めに居るような印象を画面上からは受けました。そのことで、学級担任がひとりで課題のある子どもを抱え込まずに済んでいること、ある教員の叱り方の問題などに対して、校長や別の教員がきっちり「それはちがうんじゃないか?」と指摘するなどの対応も可能になっています。このあたりの学校の条件整備がどんな風に行われているのか、知りたいところです。あと、定期的に気になる子どもについて、教員間での意見交換や連絡調整もしていましたしね。
それともうひとつが、こういう学校の取り組みを可能にしているのは、やはり校長が課題のあるひとりひとりの子どもの顔と名前を覚えられるくらい、学校が小規模だ、ということもあるのではないでしょうか。全校児童あつめて「道徳の時間」をもって、そこで校長から今の子どもたちの生活上の課題を取り上げて、話をすることだって可能ですから。
とすれば、大阪市内で今後「学校選択制」を実施したり、「学校統廃合」を無理にすすめたら、この学校のよさ、なくなりかねませんね。
あと、「商売繁盛やのに、給料下がるなあ」と、番組の終わりのほうで校長がつぶやいた場面。これも印象的ですね。
正直なところ、「小学校での英語学習」だとか「学力向上のための特別な補習」だとか、あるいは「みんなで●●検定の何級合格を目指そう」とか、何か華々しく学校外の人々をひきつけるような、そんな「目玉商品」みたいな実践は、この学校にはありません。
しかし、日々の子どもたちどうし、子どもと教職員+学校に出入りする地域の人々のかかわりをていねいにつくっていこうという、そういう姿勢のうかがえる学校でした。
きっと、今すすめられている教育改革のベクトルとは、大きく向きの異なる学校。また、大津市の中2いじめ自殺の調査報告書を念頭に番組をみると、「きっといじめを防ぐための学校づくりって、こういう条件整備と取り組みの両面から入っていく必要があるんだろうなあ」って感じました。


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大阪市の学校状況と教員による「体罰・暴言」の関係を検証する作業の必要性

2013-04-27 00:52:14 | ニュース
http://mainichi.jp/area/news/20130426ddf001040003000c.html
(体罰・暴言:被害5000人、生徒・児童の3%、教員申告の6倍―大阪市教委アンケ 毎日新聞大阪夕刊2013年4月26日)

こちらの記事、紹介します。4月26日の毎日新聞夕刊に出ていました。
この調査が実際にどういう形で進められたのか、まずは詳細が知りたいところです。
それとともに、実際に教育行政に申告された教員の体罰・暴言等の1件の背後に、少なく見積もっても5~6倍の申告されていないケースがある、ということも、この結果からは見えてきます。
このところ子どもの人権に関する教員研修などでは、私は教員などのおとなが「よかれ」と思ってしていることでも、子どもの側から見たらまた違って見える、ということに気づけるかどうか、という話をしています。
そういうおとなと子どもの認識のズレに、教員の想像力が及ぶかどうかということを、今後も積極的に言う必要があるなあと、あらためてこの記事を読んで思いました。
と同時に、やはりこれだけの数の教員から子どもへの体罰・暴言等の問題が出てくるというのは、そういうことをする方向に教員が追いやられていくような形で、大阪市の学校教育になんらかの構造的な矛盾がる積もり積もっているとも考えられます。
つまり、「教員がますますキレやすくなる」ような構造に、大阪市の学校はどんどん追いこまれているのではないか。あるいは、「教員が学校で子どもにキレまくっている」状況を「隠す、表面的に取り繕う」ような状況が創られているのでないか。そういうことも考えられるのです。はてまた、「教員が学校で子どもにキレまくっている」ことによって、「とにかく、学校がなんとか表面的にでも落ち着いていれば、それでよし」というような、そんな雰囲気になっていないかどうか・・・。
とすれば、やはりこの間の大阪市の教育改革、特に橋下市政以降の教育改革が持つ抑圧的な性格などを、体罰・暴言等の問題と関連づけながら、あらためて問題にしなければいけないのではないか・・・と思えてなりません。なにしろ、ついこの前までは、体罰容認、何かあったら殴ってでも言うこときかせると言っていた方が、市長をされているのですから。


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5月19日、札幌市で講演をします。

2013-04-25 20:04:10 | ニュース

「2013.pdf」をダウンロード

http://kodoken-sapporo.jimdo.com/2013/04/23/%E8%AC%9B%E6%BC%94%E4%BC%9A%E3%81%AE%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B/

来月19日(日)の午後、札幌市子どもの権利条例市民会議(こどけん)の8周年記念講演会で、またまた去年の暮れに引き続き、講演をすることになりました。
チラシや案内などは、上記のPDFファイルや、「こどけん」のホームページをご覧ください。
ちなみに、今回のテーマは、下記のとおりです。

<講演テーマなど>
ほっとけない!! 子どもの自殺

    ―札幌市の報告書(2012年12月14日)から考える―
子どもの権利条例があるにもかかわらず続いてしまった「子どもの自殺」を止めるために、私たち札幌市民は何を為すべきか?「子どもの人権オンブズパーソン条例」を制定し、子どもの救済制度を作った兵庫県川西市で「調査相談専門員」として救済の実務に携わってこられた住友剛さんに、大津のいじめ自殺の報告書 などにも言及いただきながらお話をうかがいます。

 




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第三者機関の取組みの「質」が問われる段階に入りました。

2013-03-30 22:12:55 | ニュース
かなり間があいてしまいました。久しぶりの更新になります。今日は、まずはこのネット配信記事から。

http://mytown.asahi.com/hyogo/news.php?k_id=29000001303290008
(朝日新聞デジタル:自殺原因に学校生活/川西・いじめ 2013年3月29日付け)

私の古巣・川西市子どもの人権オンブズパーソンが調査をすすめてきた、川西市内の県立高校でのいじめ自死事案に関する調査結果のまとめが出されました。上の記事は、そのことに関するものです。
県立高校あるいは県教委に対して、市の条例で設置されたオンブズパーソンの調査がどこまで迫れるか・・・・。
そういう難しい課題を抱えながらの遺族からの申立ての受理、調査実施だったと思うのですが、紙面を見る限り、遺族側としても納得のしうるものになった様子がうかがえます。
まずは、川西市子どもの人権オンブズパーソンのこの間のご努力に、敬意を表したいと思います。

http://www.kobe-np.co.jp/news/kyouiku/201303/0005847783.shtml
(神戸新聞NEXT:川西いじめ自殺 4月以降も第三者委を継続 県教委 2013年3月26日付け)

と同時に、忘れてはならないのは、この件、兵庫県教委も独自に第三者機関を設置し、当該の高校について調査に乗り出していることです。
この川西市子どもの人権オンブズパーソンが出した調査結果などと、県教委の設置した第三者機関との間で、その見解に大きな差が出るということになれば、これはどちらの側も「どんな調査をして、何を結論づけたか?」が問われることになります。
いわば、同一の事案に複数の第三者機関が立ち上がって、その取組みの「質」が問われる段階に入ってきた、ということですね。
県教委の第三者機関は、川西市の子どもの人権オンブズパーソン以上に情報や資料などを入手しやすい立場にあるわけですから、より詳細で、ていねいな検証を行ってくださるものと、私は期待をしつつ見守っています。
と同時に、川西市の子どもの人権オンブズパーソンが出した報告よりも県教委の第三者機関のほうが、レベルの低い調査結果を取りまとめたとするならば・・・・。やはり、この種の調査実施にあたって本当に第三者性を担保するためには、教育行政からの独立を保障する何らかの「しかけ」が必要だ、ということになるでしょうね。
さてさて、県教委及び県教委のつくった第三者機関が今後、どんな風に動くのか。
私としては、興味深く見守りたいと思います。

ついでにいうと・・・・。
もはや、川西市の子どもの人権オンブズパーソンや、大津市の第三者委員会がが取り組んできたようなレベルでの調査、結果の取りまとめ、提言を出すことが、学校で子どもの亡くなる事案が生じたときの第三者機関の「最低ライン」というべきものになってきました。このレベルに達することのできない調査委員会、第三者機関等をつくることのないように、各地の教育行政や私学の設置者には求めたいところですし、文科省もそれを意識して各地の教育行政への支援を行ってほしいものです。





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『世界』2013年4月号掲載の佐藤学さん・尾木直樹さんの論文に関して

2013-03-14 08:56:33 | ニュース

次の文章は、佐藤学「安倍政権の教育改革構想を検証する」(『世<wbr></wbr>界』2013年4月号)のp.207からの引用です。
基本的にこの論文のなかで、たとえば佐藤さんが「道徳の教科化」や「教科書制度の改悪」などに批判的な意見を述べていること、教育委員会制度の廃止に向けた動きに危機感をもっておられることなどは、よく理解もできますし、共感もできます。また、安倍政権が出そうとしている「いじめ対策防止法」で本当にうまくいくのかとも私も思います。
ですが、下記の引用部分については
、いじめ自殺に限らず、学校で子どもが亡くなったあとに生じる学校・教育行政の対応(事後対応)の諸問題について、佐藤さんがあまりご存知でないという印象です。「佐藤さんは、大津市の第三者委員会報告書を読んだのでしょうか?」とすら思いました。

<以下、佐藤学さんの論文の引用>
「いじめの隠蔽」という学校と教育委員会に対する攻撃も検討を必
<wbr></wbr>要としている。学校と教育委員会が、他の利益団体のように自らの<wbr></wbr>権益や保全のために「隠蔽」を行っているかのような報道や批判は<wbr></wbr>的を外れている。学校と教育委員会がいじめに関して情報の公開に<wbr></wbr>慎重なのは、主として三つの理由による。一つはそもそもいじめの<wbr></wbr>特定が困難なことである。二つ目は、仮にいじめの事実が確認され<wbr></wbr>たとしても、その事実が公開されることによって、他の子どもたち<wbr></wbr>の人権が著しく侵害される危険があるからである。三つ目は、その<wbr></wbr>情報の公開によって、いじめで自殺した本人のプライバシーと家族のプライバシーが著しく侵害される危<wbr></wbr>険があるからである。決して学校や教師や教育委員会が事故の責任<wbr></wbr>の回避や権益の擁護のために「隠蔽」しているわけではない。その<wbr></wbr>現状に対して、メディアや政治家はあまりにも想像力を欠いている<wbr></wbr>
<以上、引用終わり>


この佐藤さんの引用部分に対する私の反論は、次の3点です。
1点目。そもそも「事実関係の特定が困難」であれば、それをきち<wbr></wbr>んと調査するシステムを整備して、その結果を公開すればよい。今<wbr></wbr>回の大津市の第三者委員会が行ったように。
2点目。いじめ自殺などの重大な事案が発生した直後の学校には、<wbr></wbr>数多くの噂話や誹謗中傷が流れている。そのことによって当該の学<wbr></wbr>校の子どもたちが傷ついていることがあるとするならば、むしろ公<wbr></wbr>式見解や正確な事実経過の公表こそが、他の子どもたちにとっても<wbr></wbr>重要ではないのか。また、他の子どもたちのなかにも「真実を明ら<wbr></wbr>かにしてほしい」「本当のことを言ってほしい」と学校側に願う子<wbr></wbr>どももいるだろう。今回の大津市の当該中学校がそうだったように<wbr></wbr>。
3点目も2点目と重なるのだが、亡くなった子どもや家族に対する<wbr></wbr>誹謗中傷がいじめ自殺のような重大事案発生後、学校のまわりで次<wbr></wbr>々に出てくる。そのことを考えると、むしろ遺族側とよく話し合っ<wbr></wbr>たうえで、事実経過などの公表のしかたを工夫し、正確な情報を出<wbr></wbr>す方が、かえって守られるものもあると考える。今回の大津市の第<wbr></wbr>三者委員会が行ったように。

ちなみに、今回の『世界』の特集で、尾木直樹さんも「いじめ対策<wbr></wbr>に何が欠けているのか」という論文を寄せています。ここで尾木さん<wbr></wbr>は、大津の第三者委員会報告書の内容を取り上げています。そのな<wbr></wbr>かで、尾木さんは次のように言います。

<以下、尾木さんの論文からの引用>
・先述しましたが、生徒が自殺した後も、学校や市教委は、いじめ
<wbr></wbr>と自殺の因果関係を否定しています。教育長にいたっては、昨年7<wbr></wbr>月の記者会見で「自殺の原因には学校のほか、様々な要因が考えら<wbr></wbr>れ、いじめだけが原因かどうか判断できない」と述べ、暗に被害生<wbr></wbr>徒の家庭に問題があったかのような発言までしています。しかし第<wbr></wbr>三者委員会の遺族への調査では、自死の原因となるような家庭問題<wbr></wbr>はありませんでした。むしろ、学校や市教委が「虐待というフィク<wbr></wbr>ション」をつくりあげ、それが「いじめと自死の関係の解明に重大<wbr></wbr>な障壁になった」と報告書では強調しています。(p.200)
・過去の事例を見ても、いじめを苦に子どもが自死する事件が起き
<wbr></wbr>た場合、学校や教育委員会は、いじめの存在や自死との因果関係を<wbr></wbr>認めようとしません。認めてしまうと、遺族から損害賠償訴訟など<wbr></wbr>を起こされてしまうので、それを回避するためです。今回の事件で<wbr></wbr>も、学校と市教委は、事件から三日後の10月14日、訴訟をにら<wbr></wbr>んだ法的責任について弁護士と相談しています。事実関係の解明よ<wbr></wbr>りも、いじめとの因果関係を最初から否定する方針だったことがう<wbr></wbr>かがえます。(p.200)
<以上、引用おわり>

尾木さんの論文を読むと、佐藤さんの論文の先の引用部分が、まさ<wbr></wbr>にあのいじめ自殺に関する大津市教委の説明のようにも読めてくる<wbr></wbr>のですが、いかがでしょうか??

佐藤学さん、あなたは尾木直樹さんの論文をどう読みますか??
確かに安倍政権の教育政策のなかには、佐藤さんがおっしゃるよう<wbr></wbr>に、問題点が数々あって、とてもでは容認できない部分があります<wbr></wbr>。
でも佐藤さん、いじめ自殺などが起きた後の学校・教育行政の対応<wbr></wbr>について、こういうことを書いているようでは、安倍政権の教育政<wbr></wbr>策のほうが、この事実経過の解明や遺族対応のあり方の部分だけ、<wbr></wbr>かえって「まとも」に見えてしまうのではありませんか。一応、ま<wbr></wbr>がりなりにも「いじめ防止法(条例)案」などで、第三者委員会の<wbr></wbr>設置を安倍政権側は出してくるわけですからね。もちろん、その第<wbr></wbr>三者委員会の中身が問題になるわけですが。
そう考えると、やはり佐藤さんの立場からも、これまでの学校や教<wbr></wbr>育行政の対応のなかに、事実経過の解明やそれにもとづく再発防止<wbr></wbr>策の実施、遺族や在校生及びその保護者への経過の説明等、そうし<wbr></wbr>た点が不十分であったことを認めること。その上で、これからどの<wbr></wbr>ような事実経過の解明や遺族等への説明に向けて、きちんとした議<wbr></wbr>論を積み重ね、試行錯誤を繰り返しつついいシステムをつくってい<wbr></wbr>くということ。そのことを言わなければいけないのではないでしょ<wbr></wbr>うか。
他のところで佐藤さんが書いておられることは私も納得するのですが、この部分だけはどうしても「ちがうのではないか?」と、学校で我が子を亡くした遺族たちと身近に接してきた教育学研究者として、ひとこと、言っておかなければならないと思いました。


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大津市議会、何をあせっているのだろう??

2013-02-21 08:51:33 | ニュース
http://digital.asahi.com/articles/OSK201302190151.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_OSK201302190151
(朝日新聞デジタル2012年2月20日付け:いじめ防止条例を可決 「子供の役割」明記 滋賀・大津)

前に私、このブログで、下記のことを書きました。
「大津市子どものいじめの防止に関する条例(中間案)に思うこと」
http://blog.goo.ne.jp/seisyounenkaikan/d/20121111

あのときにたくさん問題点を指摘した大津市の条例、ほとんど内容に修正がないまま、2月19日の大津市議会に条例案を出して、その日に可決・成立させてます。
「いったい、何を考えてるの??」としか思えませんね。
少なくとも市議会の対応としては、先月末に出された大津市の第三者委員会報告書の内容と照合して、この条例案で本当に大丈夫かを確認してから可決・成立させるべきこと。
そういう作業すら十分にしない大津市議会って、いったい「何をあせっているのか?」というしかありません。

特にあらためて思ったのですが、この条例の「学校の責務」の部分。道徳教育的なものを強化することでいじめ防止ができるという発想が見られるのですが、あの事件のおきた中学校は「道徳教育の研究指定校」だったんですよね。むしろ、そういう「立派な道徳教育」の行われているところで、あのような事件が起きたということ。そこを大津市議会はどう考えているんですかね?
あるいは、スクールカウンセラーなどの相談体制の充実ですが、今回の第三者委員会報告を読めば、その相談体制にもさまざまな課題があることが浮き彫りになっています。こうした点について、大津市議会は何も検討しないのでしょうか?
さらに、そもそも、学校における子どもの人権救済・擁護の課題は、いじめ問題だけに限定されません。体罰や「指導死」の問題、あるいは、他の理由による自殺の問題等々、いろいろあるはずです。その状況のなかで、いじめ問題にだけ特化した条例を制定するのでは、大津市として「子どもの安全・安心を守る」という面から見たら不十分きわまりないでしょう。
「4月から予算を組んで、何か制度をスタートしたい」という気持ちからこう動いたのかもしれませんが、それこそ市長・市議会で話し合って、必要があれば補正予算組めばいい話。別に無理に何もかも、4月に制度をスタートさせるなんて話にする必要ありません。
もう少しじっくりと、腰を落ち着かせて、「本当に大津市の子どもを大事に育てていくために、子どもの安全・安心を守るために、いったい、どのような条件整備が必要なのか?」ということを、大津市議会として冷静に議論をして、条例案を根本から練り直したほうがよかったのではないかと、私はあらためて思いました。

※なお、大津市の第三者委員会報告書の全文(一部黒塗りありですが)は、日本共産党滋賀県委員会の下記のページで読むことができます。
http://www3.ocn.ne.jp/~jcpshiga/sinbun.htm



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本当にこの内容の報告書でいいのかしら、外部監察チーム??

2013-02-14 15:03:13 | ニュース
http://www.asahi.com/national/update/0214/OSK201302130176.html?tr=pc

(朝日新聞デジタル:桜宮高体罰問題、大阪市教委外部監察チーム報告書全文:2013年2月14日)

大阪市の高校での「体罰」が背景要因にある子どもの自殺について、弁護士による外部監察チームがまとめた報告書の内容が、この朝日新聞デジタルの記事でわかります。
ただ、これ、どこをどう読んでも、亡くなった子どもの自殺に至る事実経過と背景要因をていねいに検証した報告書という感じがしません。
むしろ、遺書などをてがかりに、顧問が亡くなった子どもに加えた暴力が「公務員の懲戒免職処分事由」に該当するかどうかという、その一点にしぼって事実経過を調べた報告書だという印象が強いです。
もちろん、他の自治体での報告書の例からいえば、この内容・このレベルのものすらまとめてこなかったところもあるので、一歩前に進んだといえる面もあります。
しかし、ケースはちがえども、大津市の第三者委員会の報告書のあのボリューム、内容を知る身としては、やはり「スカスカ」と言わざるを得ないのが実情です。
たとえば、亡くなった子どもの周囲に居た部員たちの様子とか、その子たちからは今回の事件がどう見えていたのか、とか。そういったことは今後、在校生、特に同じ部活に居た子どもたちへのケアという観点から、きわめて重要な調査課題になるはずです。
また、顧問の過去の体罰については、学校内で、さらには市教委としてどのように扱われてきたのかとか。このことは、今後、同様の被害にあった子どもへの対応について、学校や市教委のあり方を問い直し、適切な救済システムをつくっていく上で重要なことのはずです。
あるいは、この顧問が高校スポーツ界でかなり実績を残してきた人であるならば、そのことをスポーツ界関係者はどう見ていたのか。スポーツ推薦入学のシステムや学校に対する社会的な評価と、この部活の実績との関係はどうだったのか、とか。
こうした背景要因にあたる事情は、この報告書からはあんまり見えてきません。
むしろ、あくまでも、この当該顧問を徹底的に「悪」として描きだし、そこにすべてをひっかぶせて、懲戒免職で一応決着をつけよう、そんな意図のうかがえる報告書です。
それこそ、やったことは当然、ダメだと言わざるをえないとしても、この顧問が子どもに暴力をふるいながら部活指導に励むようになった経過、そして、それが長年続いてきた経過、というものがあると思うのです。ですが、そこについては、外部監察チームは関心の対象外、ということなのでしょうか。もしも「我々はあくまでも公務員の懲戒処分事由についての検証をするチームなので・・・」と外部監察チームが言うのであれば、早急に別の再発防止策をつくるために事実経過を検証するチームが必要だと思います。
私としては、本当に再発防止や在校生へのケアに努める意志が大阪市教委、さらに市長にあるのなら、むしろこの報告書にはあがってこない背景要因の部分に向き合うことが重要だと思うのです。
今後、それができなければ、対外的には「これで決着付けた」と市長や市教委が言うとしても、きっと在校生やその保護者、あるいは他の教職員も、そして市民も、「これでほんとうにいいの?」という思いが芽生えるだけで、納得しない、釈然としない思いばかりが残ると思うのですが。


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この外部監察チームの調査報告書を読んでみたい。

2013-02-11 10:05:34 | ニュース
http://www.asahi.com/national/update/0211/OSK201302100116.html?tr=pc
(朝日新聞デジタル:「暴力、自殺の一員」外部監察で認定 桜宮高問題 2013年2月11日付け配信記事)

この記事が朝日新聞の朝刊には出てました。毎日新聞には出てなかったです。義父母のところに2紙届くので、それで確認したのですが。
その上で、基本的に事実経過の把握ということで、外部監察チームが一応、これまで調査したことをまとめて報告した、ということ。そのことで、本件は一応の区切りを迎えるわけですが・・・。実際にこの現物の報告書、私、読んでみたいですね。
それにしても、この新聞記事を見る限り、私は「???」がたくさんつく調査ですね。
この記事から受けた印象ですが、亡くなった子どもの遺書などにつづられていて、学校や市教委の側として認めざるを得ない事実について、外部監察チームをまじえて経過を把握し、これが「免職」相当の懲戒処分事由に該当するかどうかを検証する形で調査したのではないか。そんな風に思ったのです。
別の言い方をすると、当該顧問にすべての非をを負わせ、「免職」処分にすることで、この件を早期に「終わったことにする」ための調査が、外部監察チームの関与という形で行われたのではないのか、ということ。あるいは、市長や市教委として「早期の幕引き」をはかるために、あえて当該顧問と亡くなった子どもの間に起きたことを検証し、その背景要因には踏み込まず、顧問の懲戒処分で決着をつけようとしているのではないかと。
たとえば、なぜこの報告書は「体罰」を「暴力行為」と言い換えているのでしょうか。もちろん、この顧問の行ってきたことは暴力に他ならないわけですが、私にはどうしても「部活中の暴力や体罰は許さないが、生徒指導上には体罰が必要なこともある」といった、あの市長の意向を、この報告書の表現にはどうも感じとってしまうんですよね。
また、亡くなった子どもについて行われた暴力行為について調査をするのは当然ですし、その結果にもとづいて懲戒処分が行われるのも妥当でしょう。ですが、その部活でなぜ暴力行為が常態化していたのか? 他の教員も市教委もその部活には外から口出しできなかったのはなぜか? 過去に苦情があったときの対応がなぜうまくいかなかったのか? そのことについて、外部監察チームは検証しないのでしょうか? ここも明らかにしないことには、やはり当該顧問に責めのすべてを負わせて、他の関係者が「逃げる」ことを可能にしているかのように見えてしまいます。
そして、この報告書が出る前に新聞記事などで小出しに出ていた部活中の体罰問題についての調査結果では、亡くなった子どもの居たバスケ部を含む3つくらいの部活で体罰が常態化していた、という話をしていますよね。でも、あの入試停止騒動の頃には、「いろんなところで体罰が常態化している」という前提があって、「だからこそ体育系2科では、新入生の募集はムリ」という話をしていたかと。この報告書の内容だと、「じゃあ、あの1月の入試停止の大騒動ってなんだったの??」となりませんか?
そういう意味で、この調査報告書の現物、読んでみて、「まだ大事なことが検討されていないのではないか??」と、報告書の中身の分析をしてみたいところです。


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「いじめ防止法」の前に「学校保健安全法」の見直しを

2013-01-28 09:53:19 | ニュース
学校保健法を改正して「学校保健安全法」にしたときの、文科省の通知。
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/1285251.htm
ちなみに学校保健安全法の26条では、次のとおり書いてあります。

(学校安全に関する学校の設置者の責務)
第二十六条  学校の設置者は、児童生徒等の安全の確保を図るため、その設置する学校において、事故、加害行為、災害等(以下この条及び第二十九条第三項において「事故等」という。)により児童生徒等に生ずる危険を防止し、及び事故等により児童生徒等に危険又は危害が現に生じた場合(同条第一項及び第二項において「危険等発生時」という。)において適切に対処することができるよう、当該学校の施設及び設備並びに管理運営体制の整備充実その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

で、この「加害行為」の解釈として、この文科省通知では、次のとおり書いています。

3 「加害行為」とは、他者の故意により、児童生徒等に危害を生じさせる行為を指すものであり、学校に侵入した不審者が児童生徒等に対して危害を加えるような場合等を想定していること。
 また、「加害行為」には、いじめや暴力行為など児童生徒同士による傷害行為も含まれるものと考えられること。この場合、いじめ等の発生防止については、基本的には生徒指導の観点から取り組まれるべき事項であるが、いじめ等により児童生徒等が身体的危害を受けるような状態にあり、当該児童生徒等の安全を確保する必要があるような場合には、学校安全の観点から本法の対象となること。

だから、少なくとも学校保健安全法が施行された2009年以降、学校での子どもどうしのいじめ等の「加害行為」については、その発生防止や安全確保についてどのような対応を学校設置者及び当該の学校がとったのか、法的には責任が問われてしかるべきかと。
なおかつ、この「加害行為」を文科省は不審者侵入や子どもどうしの関係で生じるものに限定していますが、その解釈を変更して「教職員から子どもへの加害行為」も含むとすれば、学校保健安全法上、子どもの安全確保や発生防止の措置をとることが学校設置者に求められることになりますよね。当然「体罰防止」に関する措置も、この観点から検討することが可能になるかと思います。

「いじめ防止法」などを新たに制定するよりも、「いままでの法令や行政指導の枠組みで、文科省や各地の教育行政は何をやってきたのか?」を総点検するほうが重要な気もするのですが・・・。
しかし誰もまだこんなこと、言ってないよね、教育学系も法学系も研究者の間で・・・??



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反体罰NPO・研究者連絡会の設立趣意書です。

2013-01-27 10:48:05 | ニュース
反体罰NPO・研究者連絡会設立趣意書

大阪市立の高校の運動部顧問による体罰が原因とされる高校生の自殺が社会に大きな衝撃を与えています。体罰問題は、我が国学校教育に潜在し続ける大きな子どもの人権問題であることはご存じの通りであります。今後、この問題に端を発した様々な報道や、教育改革論議が行われることは論を待ちません。この機会に、「反体罰」を表明する民間・市民活動団体、研究者が連絡会を設け、今後の子どもの人権問題の解決、権利保障の方策に関して社会的な発信をしていきたいと考えております。

・体罰に関する見解
1、体罰は、子どもに対し身体的、かつ社会的に優位な立場にある大人の愚劣な行為である。
2、体罰は、子どもの人権を著しく侵害する違法行為(学校教育法第11条)である。
3、体罰は、子どもの生命に危険を及ぼし、子どもの成長・発達に重大な悪影響を与える。
4、体罰は、子ども同士の人間関係に深刻なゆがみを生じさせ、いじめの構造を生む。
5、体罰の容認は、力による弱者支配の肯定であり、断固認めない。
6、体罰については国連子どもの権利委員会からも総括所見(勧告)で是正措置をとるよう、日本政府にくり返し勧告が出ているにもかかわらず、有効な措置が講じられていない。

・連絡会の運動方針
1、学校教育法第11条の徹底を学校現場に働き掛け、改悪の動きがあればこれに反対する。
2、学校、家庭、児童福祉施設、司法領域など多領域にわたり暴力行為から子どもを救済するために、公的第三者権利擁護機関(オンブズパーソン)の設置を働き掛ける。
3、国に対して、子どもの権利条約に準拠した子どもの権利基本法の制定を提言する。

2013年1月26日 時点での呼びかけ団体・研究者

呼びかけ団体(五十音順)                
 子どもを守る目@東海、全国学校事故・事件を語る会、(非)チャイルドライン支援センター、チャイルドラインながの、(非)東京シューレ、(非)日本スクールソーシャルワーク協会

呼びかけ人研究者(五十音順)              
 石田賀奈子(神戸学院大学)、伊藤 嘉余子(大阪府立大学)、井上 仁(日本大学)、内田宏明(共同代表・関東、日本社会事業大学)、金澤ますみ(大阪人間科学大学)、神原文子(神戸学院大学)、高良麻子(東京学芸大)、鈴木 力(関東学院大学)、渋井哲也(フリーライター)、住友 剛(共同代表・関西、京都精華大学)、田村真広(日本社会事業大学)、野尻紀恵(日本福祉大学)、伏木久始(信州大学)、山下雅彦(東海大学)

※あらためて、「案」の文字が取れましたので、設立趣意書をここでアップします。
 最初の呼びかけ人を内田宏明さんと務めた関係もあって、私、「共同代表・関西」に就任しました。
 どうぞよろしくお願いいたします。



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私の考える「対応のすじ道」

2013-01-22 22:50:27 | ニュース
昨日で500回近く、今日、今の時点ですでに1200回近くのアクセスがありました。
フェイスブックやブログなどを通じて、昨日ブログに書いた私の文章を紹介してくださった方がおられたようです。
自分でも、ツイッターで昨日、いくつか自分のブログに書いたことを紹介しましたが。
あらためまして、アクセスしていただき、ありがとうございました。

さて、以下の内容は、今日の仕事の帰り道に、ツイッターでつぶやいたこと2つをつないだもの。
どちらも、フェイスブックにも転載しました。
これが今のところ、私が「こうなればいいな」と思う、大阪市の桜宮高校での悲しい出来事に対する具体的な対応のすじ道です。

と同時に、こういう観点から市教委や学校の事後対応のあり方が論じられていないこと。
また、橋下市長の主導する事後対応も、このようなすじ道から、かなりはずれていること。
そして、下記のようなこと、特に「首長主導の惨事便乗型教育改革」に自分の言動がのせられる危うさを認識しないまま、従来の学校で起きた事件・事故を論じるときのような枠組みで、「識者」が相変わらずのコメントをマスメディアを通じてつづけていること。
こうした議論の動向に正直、疑問ばかり抱く日々です。

<以下、ツイッターでつぶやいたこと>
首長主導の惨事便乗型教育改革になびかず、さりとて部活顧問擁護もせず、今までの学校の体質も温存させず。遺族や在校生の思いを聞き取り、教職員の反省や謝罪を引き出すような事実経過の調査をする。その上で子どもの人権を守る観点から再発防止策を構築し、誠実に実施する。私の思いはこれ。
しかし今、私の見たところ、私の思いに近いような線で起きた子どもの悲しい出来事に向き合い、事態の打開を図ろうとする動きは、本当に見えない。脇で見ていて、本当に歯がゆいし、つらい。


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結局、本来なすべきことが脇に追いやられただけ。

2013-01-21 20:31:55 | ニュース
桜宮高の体育系2科、募集中止 体罰問題受け大阪市教委(朝日新聞ネット配信記事2012年1月21日付け)
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/OSK201301210026.html

はっきりといいます。
なんですか、この結論?

「体育系の2学科の募集停止」というところでは、橋下市長の要求も通っているから、一応の顔がたつ。
その一方で、あらためて体育系2学科の定員を「普通科」で、「スポーツ中心のコース」に再編して集めるというのが、大阪市教委の方針。
で、入試は従来の体育系2学科志望の学生に不利にならないようにする。
これって、実質的には体育系2学科存続と、どう違うんですかね?
それで橋下市長も、市の教育委員さんたちも、自分らの両方の顔は立つかもしれない。
でも、本当にこんなことで、どっちも、いいんですかね?

要するに、橋下市長は「自分はこのたびの事件で、学科の募集停止という形での対策を打ったのだ」という、名前がほしかっただけですか?
「根深い問題を根っこから絶つのだ」とかいいながら、要は「自分の顔がたつようにしてほしかっただけ」なのですか?
これが遺族に真摯に謝罪し、自らの体罰肯定的な意見を批判した人の目指してきたことですか?
結局、あなたは事態を引っ掻き回すだけで、事実経過の検証作業なんてどうでもよかったのですかね?
でもそれって、事実関係の別の形での「隠ぺい」に他ならないのではないですか?

市教委も市教委です。
「これで実質的に体育系2学科も存続するし、よかったよかった」で済ませていいのですか?
特に事務方以上に、教育委員さんたち(教育長を除く)に、このこと、問いたいです。
きっと今後もこの橋下市長がいる限り、何か学校で子どもの悲しい出来事が起こるたびに、彼はまたこんな感じで何かと難癖つけて、大騒ぎして、市教委や学校への介入を強めてきますよ。それでいいんですか?
市の教育委員のなかには橋下市長の改革を積極的に後押しする人もいるようですが、こんな市長の施策を「追認」するだけの市教委に、今回の件でガッカリ来たという人もいるのではないでしょうか?

この入試停止のことで大騒ぎしている間に、もう何日、私たちは費やしたのでしょうか?
この時間があれば、どれだけの子どもや教職員への聴き取り作業ができたでしょうか?
また、この入試の停止をめぐる大騒ぎの渦中で、どれだけの大阪の子どもやその保護者や不安にさらされ、傷つき、苦しんだか。
どれだけの現場教職員が困惑し、中学校の校長さんたちがやきもきしてきたのか。
そして、教育長さんをはじめとする市教委の事務方だって、この入試停止の一件では本来やるべき業務ができず、市民からの苦情や問い合わせにどれだけ忙殺され、しんどい思いをしてきたか。
そのことの重みを、大阪市の教育委員も、橋下市長も、どう考えているのでしょうか。

橋下市長も大阪市教委も、お正月以来、こういうことに時間を費やす暇があったら、本来、なすべき事実経過の検証作業にエネルギーを費やすべきでした。
先ほどのブログの記事にも書いたとおり、今のところ、その検証作業がかなり停滞しています。
こんなことに費やした時間と、関係する人々の徒労感、傷つき、不安や苛立ち、怒りなどに対して、市長や市の教育委員さんたちは、どのように今後向き合っていくのでしょうか?

外部監察チームのみなさん。
まずは、当該の桜宮高校で起きた悲しい出来事の調査と並行して、橋下市長と市の教育委員さんたちのこの間の動きを監察して、いったい何がダメだったか、検証してください。
私としては、そちらの作業も外部監察チームにはお願いしたいです。

あと、この橋下市長の入試停止方針を積極的に後押ししようとした、いわゆすマスメディアによく出る「識者」にも言いたい。
「あなたたちはいったい、誰の側にたって、何をコメントしてきたのか?」と。



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大阪市教委と外部監察チーム、橋下市長の関係はどうなっているの?

2013-01-21 17:48:22 | ニュース

体罰の実態解明、一向に進まず 大阪・高2自殺(朝日新聞デジタル配信記事、2013年1月21日)
http://digital.asahi.com/articles/OSK201301200024.html?ref=comkiji_txt_end

朝日新聞デジタルの記事なので、登録している方しか見ることができないかもしれませんが、一応リンクは貼っておきます。

さて、この記事によりますと、桜宮高校での子どもの自殺の原因究明作業が遅れていることの背景に、大阪市教委と弁護士主体の外部監察チームとの関係の問題や、外部監察チームの協力を求めることを市教委から市長に報告したことなどが影響しているのではないかと思われます。以下、この記事の要点をおさえながら、私なりに時系列的に調査経過を整理してみます。

・(子どもが亡くなって=以後同じ)2日後に市教委の会合が開かれ、調査に客観性を持たせるために、市教委の教育委員が「弁護士5人でつくる外部監察チームと協力して調査をすすめる」と方針を固め、市長に報告。
・4日後の12月23日に、市教委は当該の部員50人を対象にアンケートを実施。ただし、これ以降の聴き取り、アンケートの集計は行わず。
・5日後、顧問教諭に1時間程度の話を聴く。これ以後、他の教員などからの聞き取りを行わず。
・1月11日まで、調査手法をめぐって、外部監察チームと市教委の協議が続く。
・この日、義家文科省政務官が市教委が調査方針を速やかに出せていないと批判。「調整に時間かかった」という市教委に、「外部監察とはまず内部で物事を明らかにしたうえで、それが適正かチェックしてもらうこと」と一蹴される。
・1月15日から、関係教員への聴き取り開始。

ちなみに、この記事の内容がまちがっていないとすると、顧問の体罰に関する遺書の記述があったとマスコミが伝えていたり、橋下市長が遺族に面談して謝罪したり、という頃には、外部監察チームも市教委も、何か調査が具体的に動いていたわけではない、ということになりますよね。
とすれば、市長は誰からの、どんな情報にもとづいて、この間、動いていたんですかね?
特に「体育科の2コースの募集停止」や「教員の総入れ替え」などのさまざまな提案について、市長は誰から入手した、どんな情報にもとづいて動いていたんでしょうか?
また、外部監察チームから市長へ、市長から外部監察チームへ、この間、どんなやりとりがあったのか。
あるいは、市教委、市長、外部監察チームの三者の関係はどうなっていたのか?
断片的にでもつかんだ情報は、この三者の間でどのように共有されたり、協議の材料として活用されたのか?
いろんな意味で、この三者の関係には、この間、疑問がわいてきます。

というような次第で、「桜宮高校で起きた子どもの悲しい出来事」の実態解明もさることながら、「市長、市教委、外部監察チーム」の調査対応のあり方に関する実態解明、これも私としては切に希望するところです。

ついでにいうと、市教委の教育委員が、子どもが亡くなってから2日目に「外部監察チームの協力を得よう」と方針を決め、市長に報告をしていたわけですよね。とすれば、市教委はそれ以来、外部監察チームと市長の両方に気兼ねしながら動いていたわけで、市教委のこの間の対応の悪さ、調査の初動の悪さはむしろ、両者への気兼ねゆえではないのか、という見方もできます。この点についても、ぜひとも調査対応のあり方に関する実態解明として、どなたかぜひ、検証していただければ幸いです。

あと、調査に関する初動対応だけでなく、学校に今、通っている子どもへのケアについても、どのような形でそれが実施されているのかという点から、どなたか、市教委や市長などの対応の問題点を明らかにしていただければ幸いです。

<追記>

この記事に書いてあることを前提にして私が推測するに・・・。

(1)大阪市教委の事務局や教育委員は、もうかなり前から市長の意向を気にして動いている。また、市長の意向を先取りするかのように動く教育委員や事務局スタッフもいる、ということ。だからこそ、市長からのさまざまな要求も効果的に効く、ということ。

(2)子どもが亡くなってから比較的早い時期に、市長はこの件に関する情報を市教委や外部監察チームなどから入手しうる位置にあったのではないか、ということ。また、それゆえに、その入手し得た情報をもとにして策を練り、自分の政治的なパフォーマンスとしてこの件を活用する手立てを講じる余地があったのではないか、ということ。

(3)しかし、今回に限っては、その政治的なパフォーマンスとして体育系各コースの募集停止や教職員の総入れ替えなどを市長があおっても、一部の識者などは賛成したが、マスメディアも市民もその多くが反対、批判の声を挙げているということ。また、これで市教委を動かし、当該の高校の体育系コースの募集停止には成功したとしても(=自己の権力誇示には成功ということ)、市民やマスメディアは徐々に彼からは離れる(=自らへの支持拡大という政治的なパフォーマンスとしては失敗)という結果に終わりそうだ、ということ。国政政党の「共同代表」就任というときにこの結果に至るのは、実は市長にとってもかなり痛手なのでは??

 


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もう少しフェアな見方が必要なのでは??

2013-01-21 08:44:33 | ニュース

おはようございます。昨夜、連続してツイッターに書いたことを、若干の字句修正をしつつこちらに書いておきます。また、フェイスブックにも以下のこと、書いています。

みんなあまり気づいていないのだけど、大阪市の桜宮高校の件。年末に子どもが亡くなったあと年が明け、遺書の存在が分かって、部活顧問の体罰等が明るみに出るまで約半月。これって他の類似の事例に比べたらまず「隠ぺい」ができなくなってるし、事後対応のスピードとしてもそう遅くはない。
むしろ今の問題は、亡くなった子どもへの体罰等の事実が明るみに出てから、きちんと調査委をつくり、事実究明をして、問題点を明らかにして再発防止策や処分などについての方針を市教委が出す前に、次々に市長サイドから余計な提案が行われて、それが大きく取り上げられている点にあるのでは?
また、桜宮高校のことについて言えば、今の状況だと、市教委や学校現場が自ら過去を検証して「自浄作用」を発揮する前に、「発揮する力なし」と外から決めつけて、自ら主体的に問題解決をしていくチャンスそれ自体を市長が奪っている、という見方も一連の経過からはできます。
だいたい年明けのある時点から、市長は自ら解決に乗り出すと称して動き始め、次々に余計な注文を出して事態をひっかきまわし、市教委や学校の主体的な問題解決の努力をやりづらくした面もあるかと。それでいて市教委や学校の努力が足りないというのは、フェアな話ではないですね。
大阪市の桜宮高校のことだって、(下記の記事にあるような)こうした大津市のような第三者委つくって、これから春先にかけてきっちり調査して原因究明をする。その結果に基づいて再発防止策などを提示していく。その再発防止策を受けて、今後の学校運営のあり方などを見直せばいい。
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2013012090220152.html

<追記>

新聞やテレビなどマスメディアがいろいろ伝えてはいますが、私たちはまだ、この桜宮高校で起きた子どもの悲しい出来事について、「いったいそこで何が、どのように行われて、子どもの死に至ったのか?」という詳しい情報を知り得たわけではありません。また、子どもの死の背景に何があったのか、その背景にあることについても、わかっていないことは多々あると思います。その段階では、断片的に知り得た事柄で「当該の学校がけしからん」とか、「あの顧問は許せない」とかいう気持ちを抱くところまでは許せても、こぶしを振り上げて「体育科の入試停止」とか「顧問を含む教員の総入れ替え」とかを言うことは、明らかに行過ぎではないかと。怒りの感情をそのままこぶしにして、子どもにぶつけて殴っているのと、こうした措置を容認することとは、あまり大差ないのではないのか。少なくとも、私はそのように考えます。

冷静に今から第三者委員会を立ち上げ、数か月調査を行い、そこで明らかになった事実経過と原因、そしてそこから導き出される再発防止策の案にもとづいて、市教委や首長から今後のあるコースの募集停止や学科の再編、あるいは教職員の異動などを提案するのなら、私としてもまだわからなくもありません。「そうしなければならない」という理由・根拠が明らかだし、その調査のプロセスで当事者の言い分も聴取して、それをふまえての結論ですから、学校側も納得する部分があるでしょう。

しかし、今の時点で、市教委側においても、市長側においても、そうした冷静な検証作業は行われているのでしょうか。そういう冷静な検証作業についての情報公開や説明はそっちのけで、今すぐにでも体育科のコースなどの募集停止、教員の異動を行って、「市長としては必要な対応をして、ケリをつけた」と言いたいだけのようにしか思えません。こういうのは、とても解決策を講じたとはいえないのではないでしょうか。おまけに、すでに府教委や府知事あたりから、別の高校の体育科の定員を増やすとか、そんな話も伝えられています。これだと、前から言っている「惨事便乗型教育改革」をやるために、市長が市教委の本来やるべき仕事にまで介入し、余計な提案を次々に出して、事態をややこしくしているとみてもいいのではないでしょうか。

「首長主導の教育改革」「教育行政における首長のリーダーシップ」を、安易に持ち上げると、ロクなことはありません。こういうことだってできてしまうわけですからね。

そして、もしかしたら今、動き始めた「教育再生実行」の動き。あそこが「教育委員会制度の抜本的改革」のモデルとして、こうした大阪の一連の動きを「実験」のように考えているのであれば、まったくもって「余計なお世話だ」というしかないですね。


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