平成15年5月10日
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/d2/d6ff1858032c72a91701121e352c50d5.jpg)
距離20K BH美空 ~ 延命寺 ~ ろんどん荘 (2)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/00/6a62e283b0c270ac59e47438a8fe4346.jpg)
何時頃建てられたものでしょうか、上のような石碑がありました。
暫く行くと「遍路別れ」の印、文字だけで方向を示すものは何も無いのです。
まっすぐに行くべきか、北に上るべきかと思案していますと、通りかかった自
動車から「北へ」と指差し教えていただきました。教えられた通りに北に進み
ましたが、今夜の宿は道に面しているはずなんです。そんな気配は全くなく、
大きな工場の前に出てしまいました。通りかかったおばあさんに「ろんどん荘
ご存知ですか?」と訊ねますと、親切に教えてくださいました。さっきの道を北
ではなくまっすぐ行っていると、迷う事なく「ろんどん荘」に着いたらしいのす。
さっきの自動車の方は私達が「三角寺」に行くものと思い、教えてくださった
道だったのです。
宿についてみると、宿の人は留守で、女遍路の人が待っていました。飛び込
みで来られた様子でした。さっきから待っておられるという事です。「早く着か
れましたね。どちらからですか?」と聞きますと「今日は雨なので、電車で来ま
した」と言うお答えでした。明日の話しが出て「岡田や」に泊まりたいと言われ
ました。まだ電話もしていないというので、私達は予約している事、中々取れ
ないという話しなので、直ぐ電話を掛けて見る様に勧めました。
電話をされましたが、やはり満員と言う事で断られました。この女性は5時立
ちしていかれました。バス・電車を乗り継ぎ、歩くという遍路らしいので、此処
からもそのようにされるのでしょうが、距離にして30K無いとは言え、山2つ
越えなければならないので、バスや電車があるのだろうかと気に掛かりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/32/5bfc35601d265138dad4ecd52432d4a2.jpg)
「ろんどん荘」はお料理が美味しいと聞いていましたが、日曜日は無いといわ
れました。しかし隣の「お惣菜やさん」がこれまた安くて美味しく、品数も多い
という情報(遍路先輩のうえきさんより)を持っていましたから「いいわ」と思っ
ていましたが…、現実には「クックチャム」と言うそのお惣菜やさんもお休み
と言う羽目になりました。
仕方が無いので、駅のそばの商店街まで下りていきました。そこで一番初め
に目に付いた「焼き鳥屋」さんに飛び込みました。履物を脱いで上るのです
が、席は座るのではなく、掘りごたつのように、足を下げられるようになって
いました。
皆さんが食べておられるのを見ても、又、注文を聞いていても「手羽先のフラ
イ」が多いようでした。日曜日で子どもずれが多かったです。此処の名物なの
かもしれませんが、私達は普通の串焼きとサラダを注文しました。
串を見てビックリ、大きい! 何時も私達が食べる串の3倍は大きい肉片が
刺さっているのです。「釜めしは一つ頼んでよかった」と咄嗟に思いました。
サラダも一つ頼んだのですが、大鉢にてんこ盛りです。量の多さに驚きはし
ましたが、お味のほうはグーでした。お勘定もお安く嬉しかったです。
遍路中にこうして外でご飯を食べるのは初めての経験です。たまには地元の
皆さんの食べっぷりを見て、地方の食文化(一寸大げさ?)も解ってよかっ
たかもね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/bb/0bb6478467e0214cc23571be1540e76c.jpg)
朝食は付いていました。朝食を見ただけで、女将さんがお料理上手なのが解
りました。「夕食も食べたかった!」と残念の思いがいっぱいでした。
食事の間中女将さんは隣に腰掛けて話しておられました。遍路宿と言うより、
長期出張者が多く、その人たちが土日は家に帰っていて、今夜から又忙しく
なると言われました。
「建てもんは新しいですね」といいますと「10年以上前に建て替えたのです
よ。私はもっと大きくして、子どもに継いで貰いたいという気持ちがありまし
た。でもね、暫く手伝っていた娘夫婦が嫌だといって出て行ったんです。も
う5年になりますけど、この頃帰りたいようなんです。でも「帰っていらない」
と言っています。出て行かれた時の親の悲しさなんて知らないで…。何もす
る気が無くなりましたよ。改装して大きくしたい気持ちも失せました。始は勿
論土日も食事を作っていましたよ。でもね出張の人は土日は家に帰って居
ませんし、それで食事を休む事にしたんですよ」
娘2人に継いでもらえなかった悔しさを滲ませて話されました。「婿が外で働
きたいと言ってね…」って。
でもね、いつかは、帰ってくる娘夫婦を許されると思うんですよ。なんたって
親子ですからね。裏切られた悔しさは痛いほど解りますよ、でも許せる気持
ちに一日でも早くなっていただきたいと心から思いました。
旅館 ろんどん荘 (3泊目)
(1240回)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/d2/d6ff1858032c72a91701121e352c50d5.jpg)
距離20K BH美空 ~ 延命寺 ~ ろんどん荘 (2)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/00/6a62e283b0c270ac59e47438a8fe4346.jpg)
何時頃建てられたものでしょうか、上のような石碑がありました。
暫く行くと「遍路別れ」の印、文字だけで方向を示すものは何も無いのです。
まっすぐに行くべきか、北に上るべきかと思案していますと、通りかかった自
動車から「北へ」と指差し教えていただきました。教えられた通りに北に進み
ましたが、今夜の宿は道に面しているはずなんです。そんな気配は全くなく、
大きな工場の前に出てしまいました。通りかかったおばあさんに「ろんどん荘
ご存知ですか?」と訊ねますと、親切に教えてくださいました。さっきの道を北
ではなくまっすぐ行っていると、迷う事なく「ろんどん荘」に着いたらしいのす。
さっきの自動車の方は私達が「三角寺」に行くものと思い、教えてくださった
道だったのです。
宿についてみると、宿の人は留守で、女遍路の人が待っていました。飛び込
みで来られた様子でした。さっきから待っておられるという事です。「早く着か
れましたね。どちらからですか?」と聞きますと「今日は雨なので、電車で来ま
した」と言うお答えでした。明日の話しが出て「岡田や」に泊まりたいと言われ
ました。まだ電話もしていないというので、私達は予約している事、中々取れ
ないという話しなので、直ぐ電話を掛けて見る様に勧めました。
電話をされましたが、やはり満員と言う事で断られました。この女性は5時立
ちしていかれました。バス・電車を乗り継ぎ、歩くという遍路らしいので、此処
からもそのようにされるのでしょうが、距離にして30K無いとは言え、山2つ
越えなければならないので、バスや電車があるのだろうかと気に掛かりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/32/5bfc35601d265138dad4ecd52432d4a2.jpg)
「ろんどん荘」はお料理が美味しいと聞いていましたが、日曜日は無いといわ
れました。しかし隣の「お惣菜やさん」がこれまた安くて美味しく、品数も多い
という情報(遍路先輩のうえきさんより)を持っていましたから「いいわ」と思っ
ていましたが…、現実には「クックチャム」と言うそのお惣菜やさんもお休み
と言う羽目になりました。
仕方が無いので、駅のそばの商店街まで下りていきました。そこで一番初め
に目に付いた「焼き鳥屋」さんに飛び込みました。履物を脱いで上るのです
が、席は座るのではなく、掘りごたつのように、足を下げられるようになって
いました。
皆さんが食べておられるのを見ても、又、注文を聞いていても「手羽先のフラ
イ」が多いようでした。日曜日で子どもずれが多かったです。此処の名物なの
かもしれませんが、私達は普通の串焼きとサラダを注文しました。
串を見てビックリ、大きい! 何時も私達が食べる串の3倍は大きい肉片が
刺さっているのです。「釜めしは一つ頼んでよかった」と咄嗟に思いました。
サラダも一つ頼んだのですが、大鉢にてんこ盛りです。量の多さに驚きはし
ましたが、お味のほうはグーでした。お勘定もお安く嬉しかったです。
遍路中にこうして外でご飯を食べるのは初めての経験です。たまには地元の
皆さんの食べっぷりを見て、地方の食文化(一寸大げさ?)も解ってよかっ
たかもね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/bb/0bb6478467e0214cc23571be1540e76c.jpg)
朝食は付いていました。朝食を見ただけで、女将さんがお料理上手なのが解
りました。「夕食も食べたかった!」と残念の思いがいっぱいでした。
食事の間中女将さんは隣に腰掛けて話しておられました。遍路宿と言うより、
長期出張者が多く、その人たちが土日は家に帰っていて、今夜から又忙しく
なると言われました。
「建てもんは新しいですね」といいますと「10年以上前に建て替えたのです
よ。私はもっと大きくして、子どもに継いで貰いたいという気持ちがありまし
た。でもね、暫く手伝っていた娘夫婦が嫌だといって出て行ったんです。も
う5年になりますけど、この頃帰りたいようなんです。でも「帰っていらない」
と言っています。出て行かれた時の親の悲しさなんて知らないで…。何もす
る気が無くなりましたよ。改装して大きくしたい気持ちも失せました。始は勿
論土日も食事を作っていましたよ。でもね出張の人は土日は家に帰って居
ませんし、それで食事を休む事にしたんですよ」
娘2人に継いでもらえなかった悔しさを滲ませて話されました。「婿が外で働
きたいと言ってね…」って。
でもね、いつかは、帰ってくる娘夫婦を許されると思うんですよ。なんたって
親子ですからね。裏切られた悔しさは痛いほど解りますよ、でも許せる気持
ちに一日でも早くなっていただきたいと心から思いました。
旅館 ろんどん荘 (3泊目)
(1240回)