ちいさな幸せ

幸せの基準ってある?
それは自分の心の中にあると思う。
私は何時も陽だまりのような幸せの中に居た。

しずかの朝

2009年05月07日 | 読みました
                   紫蘭の白花


                     紫 蘭
          


3日連続の雨降りです。こんなに梅雨のように降り続くと、6月には空梅雨になって、田んぼに水が無い、田植えが出来ない、作物が育たない、野菜が値上りなんて事にならないかと心配になってきました。

その上にこの寒さは如何でしょう、やっぱり地球温暖化の所為でしょうか?高速道路料金が休日は1000円になって、行かなくてもいい所に出かける人も増えないのでしょうか?普段ならお仕事の車が助かるでしょうし、物価にも徐々に良い影響が出るかもしれないのですが…。これって温暖化防止に逆行していませんか?

           

           ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

          しずかの朝     小澤 征良

征良(せいら)さんは「世界の小澤」といわれる世界的指揮者 小澤征爾さんの長女です。その人の本ですから家族のことを書いたエッセーだと思ったのです。違いました、小説でした。彼女が何冊も本を出しているのを知りませんでした。

小澤征爾さんと私は生年月日が全く同じなんです。勿論同じ生年月日の方は数え切れないほどいるのですが、まだ出あった事が無いのです。だからとても親近感を持っていたのです。もう少し周辺のことを知りたいな~、娘さんから見れば、どんなお父さんだろうと思い興味を持って借りたのです。

主人公しずかさんは全てに優れた姉を持つ二人姉妹。不倫の愛に破れ、無理に勧められたお見合いの相手に好意を抱いた時、その彼が事故死する。縁あってもう1人のしずか(ロシア名・ターニア)と出会い、息子がロシアに行っている間、老いた母を1人にしない為、その家に下宿人を求めていた広告をネットで見つけたしずかは現状から抜け出したい為に応募する。その生活を書いている。

私が心引かれた文章は「一度海の存在を知ったものは、二度と、川しか知らなかった自分には戻れないのだから」占い師がしずかに言う言葉です。

なるほど確かにそうなんです。経験してしまったことは、経験しなかった自分には戻れないんです。例えば、誰でも経験することでは、生活の間口を広げてしまったら、中々元には戻れないって。

デモね。事情が変われば何とか考えて、努力するのも人間なんですよね。今、100年来の不景気だと言われています、仕事を失う人、給料の下がった人、皆今までの生活が維持できなくなった居ます。でも其処を頑張って、生活程度を下げて我慢して生きていますよね。いつかは元の水準に戻れるって…。

最後のページには「この本を入江麻木に捧ぐ」と書いてありました。1988年に亡くなった、料理研究家としても有名な、又、小澤夫人でもある元モデルの入江美樹さんの母。即ち母方の祖母が本の中の老人の方のしずかのモデルさんのようです。征良さんから見たお祖母さん像なんでしょうね。

おばあさんに対する作者・征良さんの暖かく、優しい心が溢れているご本だと思います。読後感の良い本でした。何故か映画にならないかな~と思ってしまうような表現のある文章でした。


     蚊連草(かれんそう) 聞くと可愛い名前なのに 書くと嫌~ね



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« オランダの豪華客船 フォー... | トップ | 「?」だらけの今日と言う日 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

読みました」カテゴリの最新記事