ユートピア 湊 かなえ
山本周五郎賞(第29回)受賞作品だそうです。
何処かで推薦されているのを見て買いました。
この人の本は割りと読んでいますから、何のためらいもなく買いました。
主人公がたくさんいて、どの人が本命? といまの私は迷います。
その一人交通事故で車椅子生活を送っている久美香チャンが、実際は
歩けるのに、それを隠して、大人たちの思惑にそって、歩けないと見
せかけていたが、身近で火事になったとき、思わずたちあがって、
周りの疑いの目を向ける人を作る。何のために窮屈な生活を…、と疑問。
彩也子ちゃんという親友、「久美香ちゃんをお世話しているのではなく
遊んでいるの」というが、その母も周りの大人も不信顔。
彩也子ちゃんと久美香ちゃんの母、もう一人、語り部でもあるすみれさん、
大人3人とその連れ合いも含めて物語りは私にとっては、複雑に進む。
この頃の小説はこのような傾向にあると感じている。
ついて行けない自分が悔しい。
でも読むことは止めないだろうと思う。
必至にその傾向に食い下がっていくと思う。
「読書」はやっぱり私の生きるための一部だもの。