ちいさな幸せ

幸せの基準ってある?
それは自分の心の中にあると思う。
私は何時も陽だまりのような幸せの中に居た。

わりなき恋

2014年02月14日 | 読みました

              「ベルフラワー」     尼崎の町角で     (13-5-18)


今朝5時に起きたときは、雨でした。7時頃、ふと窓を見ると、庭が真っ白になっ
ていました。雨が雪に変わったのです。朝目覚めて、雪景色というのは、何度
かあった様に思いますが、今日のように、昼間に、深々と降る雪を見たのは何
十年ぶりでしょうか?


       わりなき恋     岸恵子

題名は、清少納言のひいおじさん、清原深養父(きよはらのぶかやぶ)歌人古
今和歌集

     心をぞ わりなきものとおもいぬる
     
              みるものからや 恋しかるべき

から取ったそうです。デモ、何となく表表紙の「わりなき恋」という字が面ばゆ
い感じでした。主人公の笙子(しょうこ)や九鬼兼太(くきけんた)は普通です
が、親友の砂丘子が(すなこ)もう一人が木蘭が(むらん)はそんなに読める?
という漢字で、読めずに、何度となく、振り仮名の打ってあるページを求めて、
戻らなければなりませんでした。

75歳を過ぎた笙子と一回りも年の下の兼太との恋物語。初めは、75歳を過
ぎた笙子の涸れた性が動き始めるお話。そこから、妻子ありと知りながら、ど
んどんのめり込んでいく。

ただ、大会社の副社長(兼太)が、彼女(笙子)を連れて、社員に紹介したり、
社車を使ったりするという場面が多々出てくるが、いわゆる不倫の相手を、社
用出張に連れ歩くなど、ありえないと思うし、岸さんは如何して、こんな設定で
書いたのか、あまりにも、現実の会社組織を知らないし、ありえないと思うの
で、一寸首をかしげざるを得ません。

笙子は別れの時を、東北の大震災で、兼太の妻が、東北人であり、その母を
尋ねた時に、震災にあう。なかなか避難者の側を離れようとしない妻を迎えに
行く兼太を見送りに来て、別れの手紙をわたす。

そして、12年後、交際していた当時の笙子と同じ75歳になった。兼太は笙子
の住んでいた家を訪ねる、家は無く、庭に大木になった「ミモザの木」が一杯の
花をつけているのを観て、感無量であるという場面で、ジ・エンドである。

                               (2280回)

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