緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

ナットの自作

2011-08-18 23:44:07 | ギター
こんばんは。
今日はものすごい暑さでした。北海道とは15度くらい温度差があると思い
ます。
以前お盆休みに北海道に帰省した時、夜に寒くてストーブを点けたことが
ありました。そして自宅に帰ったら灼熱地獄で、あまりの温度差に驚いた
ことがあります。
北海道はお盆が過ぎるともう秋です。
さてクラシックギターは弦を張って音を出すのですが、弦の両端を固定する
ための部品として、ナット(上側)とサドル(下側)があります。色は白
っぽく、材質は殆どが牛骨です。下の写真の白い部分がナットです。



サドルの方は以前、ブログに写真を載せたことがあります。
ナットは6本の溝を付けて、その溝に弦が固定されるようにします。サドル
は溝を付けません。
サドルは弦高(フレットと弦との間隔)を調整する必要があるときに、既に
ギターについているサドルを削ったり、あるいは望む高さにするために、新
たに作り直すことが結構あります。材質を牛骨から象牙に変える時も当然新た
に作り直します。
一方ナットの方は、サドルに比べ削って調整したり、新たに作り直すことは
少ないです。それは既に楽器が新品のときにベストの高さで製作されている
からです。サドルの高さが低いと弦をはじいた時にびりつき、逆に高いと
左手の押さえがきつくなります。
左手の薬指で3フレット(フレットのすぐそば)を押さえた後、その薬指を
離さずに、左手の人差し指で1フレットを押さえてまたすぐ離してみると
たいていは1フレット上でわずかな隙間があることが分かります。この隙間
が無いと弦をはじいたときにびり付く可能性があります。隙間が大きいとロー
ポジションの弦高が高くなっていると思われます。この原因として製作後に
製作者の手を離れてからギターのネック(棹とも言う)が順反りした可能性
があります。このような場合はナットを少し削るか、新たに作り直す必要が
あります。
私の持っているギターで、ネックが順反りしたためにローポジション(1フ
レットから3フレットくらい)の弦高が高くて弾きづらいものがあるので、
思い切ってナットを自作することにしました。
今までサドルの自作は結構何度もやったことがあるのですが、ナットの方は
4回目となります。しかし過去3回のうちうまくいったのは1回だけで、後
の2回のうち1つは完全失敗、もう1つはちょっと削りすぎたが、まあ許容
範囲という出来具合で結構難しいのです。
ナットは高さや幅の設定が厳しく、また固定するための溝を彫らなければなら
ないので、その溝の深さによって失敗することもあります。
今回用意したナットの材料が下の写真です。これをベストのザイズになるよう
慎重に削っていきます。



削るための道具一式です。



万力に材料を固定してヤスリで削っていきます。ある程度削れたら、包丁とぎの
砥石やサンドペーパーですこしずつ慎重に削っていきます。斜めに削られないよ
う、下に板を敷きます。そして写真の物差しやノギスでサイズを確認します。





これはナットに溝を彫るための専用のヤスリです。各弦の弦の太さに合わせて
溝を付けるのですが、ヤスリのサイズも弦の太さに合うよう板厚が異なります。




今回は17年度のNHK合唱コンクールのCDを聴きながら作業しました。
これが失敗でした。CDの音楽に気をとられて削りすぎました。ギターに取り
付けたらユルユルです。これでも高さが確保できていれば何とか使えるので
すが、溝も深くしすぎた(あるいはナットの高さが低すぎた)ため、弦を張って
みたら、見事に弦がびりついていました。失敗です。
今度作業する時は作業そのものに集中しなければならないと思いました(
言うまでもなくものづくりの基本ですが)。
失敗はしましたが結構やってみると楽しいものです。


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