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世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

雨の土曜日

2023年04月15日 | Weblog
12時に起床。よく寝た。
寝る前に職場の先輩とLINE通話を1時間弱していた形跡があったが全く覚えていない…。
私、何話したんだろう?とモヤモヤしつつ、風呂に入って化粧を施した。
天気は雨。
お外に出るのをやや億劫に感じたのだが、お腹が空いたので、近所のベトナム料理店へ。

大好物のブンチャーセットにした。
最後の晩餐だよ?と言われても、まっいーか、と思えるほど大好きなブンチャー。
甘酸っぱいタレに、素麺に似た米粉を使った麺を入れて豪快に啜り上げる。


汁の中にはハンバーグっぽい肉の塊が入っている。香ばしいうえ、噛みしめると肉汁が出てきて、それが汁と絶妙に合う。


卓上の調味料で味変するのも、いとおかし。


ブンチャーは2016年のハノイ一人旅のときに初めて食べた。
旅行の少し前、オバマ大統領がBÚN CHẢ HƯƠNG LIÊNというお店でブンチャーを食べている記事を目にし、私も食べたくなったのである。
当時はガイドブックに載ってはおらず、英語も通じないお店で「オバマセット」を恐る恐る注文した。ビールとブンチャーと揚げ春巻きで500円ぐらい。隣の席に座ってたサイゴンから来た夫婦と和気藹々した記憶。

異国の食文化は腹のみならず、思い出を司る海馬をも刺激する作用がある。


生春巻き、揚げ春巻きも美味しい。




喫煙所で一服し、薬局で昨日処方してもらった薬をゲット。
薬剤師さんと、しょーもないバカ話を天開して爆笑。私のブラックジョークに付き合ってくれてありがとう!

アンクルジョン「OD、ダメ。ゼッタイ」


帰宅後、寝っ転がって「三田文學」を読む。
「ブサとジェジェ」を読み返してまた泣く。
牛乳石鹸の香りを嗅ぎながら読むと一層泣ける(変態)。

BOOMの宮沢和史さんのエッセイもよかった。沖縄の遊女の話。
辻仁成さんの文章は「嫉妬の香り」以来、実に十うん年ぶり。やっと会えたね。

夕方、妹宅へ。
両親が上京して妹宅にいるというので文明堂のどら焼きをお土産にしてお邪魔した。

母のカレーは天下一品。


1個200円以上する栃木産のトマト。
フルーティで超絶美味。


どら焼きを頬張るクマパパ。どら焼きをここまで美味しそうに食べる人を私は見たことがない。


先般、山梨のワインカーヴで盛大に酔いつぶれ、その時の話をした。
「芝生のど真ん中で四つん這いになって吐き気をこらえてたんだ」とポージングし、家族に爆笑された。
何度か酔いつぶれたことがあるが、旅先で吐くまで酔っ払ったのは人生初。
しばらくはお酒、とくにワインは見たくもなく、スーパーでボトルを見かけると胃がむかむかするようになってしまった。

姪っ子氏は生後8ヶ月。
髪もふさふさでおとなしいのに愛嬌がある。
「乙女になるのですよ」、「鱗姫」の「黎子叔母さま」の如く、そっと囁く悪い伯母さんです。



先月、家族でディズニーシーに行き、ミラコスタで一泊した。
そのとき妹が購入したシェリーメイに母がワンピースを1日で編んだそう。


めちゃくちゃ可愛い!


ちゃんと尻尾の部分に穴が空いている。

母は編み物が大好きで、暇さえあれば編み物をしている。編み物の学校も出ているし、ちょっとした職人である。


母経由で弟からの宮古島のお土産をもらった。
弟は私の好みを熟知している。
ありがとう。弟、バブリー。




雨の中、帰宅。
明日は母と澁谷へ散歩しに行く約束をした。
渋谷の樹木希林展以来だから実に4年ぶり。
楽しみ!!


「ブサとジェジェ」

2023年04月14日 | Weblog
心療内科デー。
ということで、今日は駅そば。何も言わなくてもネギを多めにしてくれる店員さん、ラヴ。


Amazonでポチった「三田文學」が投函されたというので一旦帰宅。
ということで今日は久々にクマリュックみぽりんを背負っての通院。
やっぱり可愛いなあ、みぽりん。


さっそく読む。




8年ぶりの嶽本野ばら先生の小説「ブサとジェジェ」。50頁があっという間に感じられるほど滑らかでスムーズだった。
フリマアプリを通して一つのメゾンを愛する神奈川の会社員と沖縄の高校生との交流を描いたお話。
心療内科の待合室なのに号泣してしまったのは、日本各地にいる「同志」を思い浮べてしまったからだ。そう、「嶽本野ばら」という作家を好きという共通項がある、ネットで知り合った同志たち。会ったことがある人、何年も遣り取りをしているのにまだ実際に会ったことがない人、そんな彼女たちの顔が思い浮かんだ。

ダメだ。思い出すだけで目尻に涙が溜まっていく。これから診察なのにどうしよう…。
病院内ではマスク着用ということでマスクをしているのだが、涙でマスクがぐっしょり。
ここまで泣いたのは「通り魔」以来か。誰も共感してくれないが「タイマ」も泣いたっけ。

やっぱり野ばら先生の小説は耽美で心地よい。8年間、待ってて良かった。
野ばら先生、三田文學のひと、ありがとうございます!!

さて、診察。
待ち時間4時間で名前を呼ばれたのが0時少し前、しかも感極まった後だったので、診察内容を覚えていない。診察時間は40分と長かったのだが。
ソラナックス(頓服)は2錠までと念を押され、デパケンを多めに出してもらうことで解決。デパケンを多めに出す理由をカルテに記載しなければならないクマ医師は5分ぐらい頭を抱えて悩んでいた。というのは前回のデパケン多め処方のときに「PMS」を理由に出していて、今回もPMSじゃダメだということで…。
「月に2回生理が来るっていうことになっちゃいますもんね!」と笑ったが、クマ医師は乗ってくれず。ぴえん。

人って悩むと本当に頭を抱えるんだなとクマ医師を見て思いつつ、放置プレイ中、「…すいません」「ごめんなさい…」と呟くしかできない私。
結局、「気分が不安定な時」という名目に落ち着いた。

野ばら先生の作品は「読むデパス」と評されるが、個人的に「読むデパケン」だと思っている。
デパケンは気持ちを抑えてくれる。興奮もしなければ怒りの感情もない、そんなフラットな人形のようになれる薬だ。
デパケン=人形=かわいい=嶽本野ばら先生∴デパケン=嶽本野ばら先生、なのである。

深夜0時半に終了。
マイスリー、ソラナックス、パリエット、防風通聖散、ハルシオン、デパケン、酸化マグネシウム錠、ビオスリー。
デパケン多め。

アプリ「送信くん」で処方箋を撮影し、薬局に送った。
化粧を落として薬を飲んで。安堵感に満ちた布団にダイブ。




謎の母性に就いて

2023年04月13日 | Weblog
昨晩は普段より1時間早く布団に入った。でも1時間早く目覚めてしまい、1時間、ずっと悪夢を見続けるハメに。睡眠負債は減らないし、悪夢で疲労困憊。最悪な目覚めであった。
黄砂は思っていたほど空を覆いつくしておらず、通勤時、頭上には青空が広がっていた。マスクをしようかなとマンションのエントランスを出る前は考えていたのだが、「ま、いーか」と外した。一度マスクを外してしまうともう戻れない。快適すぎて。3年間、よく耐えたなと思う。

その前に、ミサイルによるJアラートである。番組が切り替わり、緊急速報番組に。アナウンサーが北海道民に緊急避難を呼びかけている。北海道には医者をしている従兄弟がいるのでとても心配…。

嗚呼、楽しみにしている朝ドラが緊急速報番組になっちゃったじゃん!おこ!!
ミサイル飛んできても会社は行かなくてはならないし…。
北朝鮮、いい加減にしてほしい。


昨日、野ばら先生の新作が載っている「三田文學」をポチってみたが、三田文學って何?と、ふと思った。
読書家のクマパパにLINEで尋ねてみた。
父とは本を貸しあうほどの仲の良さである。
二人で酔っ払い、読んだ本の感想を述べ合うのが二人のささやかな幸せ。

でも普段は家族LINE内でのみやり取りをし、直接のやり取りは稀である。

「パパは三田文學って知ってる?」
「慶応大学の機関紙だよね。遠藤周作とか」と返信が来た。
しかも深夜の2時半に!クマパパ、なにゆえその時間帯に起きているのだ!?

私同様、クマパパも不眠症なのか?母にそう訊くと「そんなことない。あの人はいつも寝てるよ!どこででも眠れるので羨ましいわ!ストレスなさそう!…」と半ギレで話が長くなるのが常。


今日はリンガーハットにて夕ご飯。…全体的にだいぶ高くなったよな…。気軽に食べられない価格帯になってしまった。ぴえん。


野菜がたくさん入っているのでありがたい。終盤は酢をじょぼじょぼ入れて味変するの。


その後、図書館へ。
まずは日経WOMAN。



林真理子先生の生き方指南に勇気をもらった。

「夢も希望も、大きく持って、その過程を楽しみ、自由に生きてほしい。そして、仕事は続けてほしい。世の中を恨んでも、自分に返ってきます。昔に比べたら、女性は格段に働きやすく、戦いやすくなっていますから、希望を捨てず、制度の不備は整え、挑戦しながら成熟してほしいです」

閉館10分前にようやく本棚に返却された週刊文春。(今日は発売日だったのでずっと誰かに読まれていた)
林真理子先生の連載をマッハで読む。
(この習慣のお陰で速読できるようになったかも)



そういえば、今日の昼休みに某くんからLINEの着信があった。何事かと思い、急いでかけ直した。
私「どうしたの?大丈夫?何かあったの?」
某「ごめん。間違えて通話しちゃったみたい。ごめんね」
私「私の声が聞きたくなったの?」
某「え?」
私「…え?」
という会話を展開。

彼と接していると自分がお母さんになったような錯覚に陥ることがある。
「ちゃんと食べてるの?」とか言いたくなる。まったく料理ができないくせに。

父にとって私は娘。45歳でも彼にとっては娘。いつもとても気にかけてくれる。特に去年、パワハラで精神に支障をきたした際にはとても心配をかけてしまった。

娘で、未婚の未経産だけど、たまに上記のように某くんに対し、謎の母性が発動されるので自分でも戸惑うことがある。


さ!明日には「三田文學」が宅配ボックスに届いているはず。嶽本野ばら先生の新作ぅぅぅ~!!
その前に心療内科への通院。早くクマ医師のところに逃げ込みたい。


黄砂に吹かれて

2023年04月12日 | Weblog
黄砂が飛来しているらしい。黄砂というと真っ先に工藤静香を思い浮かべてしまう我らが世代。


工藤静香 = 黄砂に吹かれて =


中学時代の友達で構成されているグループLINE、および小学生時代からの友人わたも共感してくれた。


22年前の冬、母と北京旅行に行った。見上げる空はいつも土色だった。「ああ、これが黄砂か」と母と実感。
その下で生きている中国人の逞しさは22年経っても忘れられない。
万里の長城の休憩所で母と休んでいたとき、10代と思しき女の子がウーロン茶を高額で売ろうとしてきた。毅然と断ったら突然泣き出すではないか…。
あと雑技団の休憩時間中には無許可と思しき業者がパンダのおもちゃを舞台で売っていたのも逞しいなと思った。

オリンピック前の北京は全体的に重々しくて朴訥とした残滓がいたるところにあったが、そこに生きる人たちのエネルギーはただただ膨大だった。

黄砂って、あの中国から飛来してくるんだよな。海を渡って、はるばると。それってすごくない?
帰宅後、自宅の玄関で「これ中国から飛んできたんだ!」とコートについた砂埃を払う際にざらついた指先の感触でそう思った。
「ようこそ!」という気持ちにはなれないが。

夕食は和幸で買ったヒレカツ丼。私の大好物。





林真理子先生のエッセイを風呂場で読了。日大理事長になって忙しいはずの真理子先生。ブレずに今回もキレッキレの文章で楽しませてくれた。




この前、山梨のワインカーヴで泥酔しお店の人に介抱された。
お店の人に自分は山梨出身の林真理子先生の大ファンだということをくどくど話し、そして「こんなに酔っ払っちゃってー、林真理子せんせーにー、…申しわけないですぅぅぅ~…うう…」と嘔吐した。
今思い出して申し訳なさでいっぱいだ…。真理子先生、ワインカーヴの方、ごめんなさい…。


次は何を読もうかしら?と思っていた私に朗報。



おおおお~!!
野ばら先生、久々に小説を出すのか!!

永井荷風が創刊した三田文學で!!

『三田文學』2023年春季号(153号)のご紹介

>嶽本さんらしさが詰まった素敵な作品で、編集部内でも感動の声があちこちからあがりました。どうぞお楽しみください。

とのこと!



さっそくAmazonでポチった。楽しみ!!

明日も黄砂が舞うんだそうだ。アレルギーなのか、夕方から鼻水が出るんだが。
呑気に困り顔の静香の物まねをしている場合ではない。


でもまあいいか。黄砂なんて。
そう思えるほど、野ばら先生の新作が楽しみなのである。


安心してください

2023年04月11日 | Weblog
嗚呼、今日もソラナックス(頓服)に手を出してしまった。しかも2個も。
ま、阿片よりはマシか、と一昨日のNHKで放送されていた悪女の番組と、同日放送されていた「映像の世紀」で取り上げられてたラストエンペラー愛新覚羅溥儀の妻、婉容を思いながら自分を慰める。






そう、私が飲んでいるのは医師免許を持ってる医者に処方された薬。
それを適宜に飲んでいるだけなんだ。阿片ではない。



飲んでしまう要因は仕事中のイライラや不安感からである。仕事量の多さや日々のパワハラ、不条理な事柄などから精神が崩壊しかけると貪ってしまうんである。そのようなことを回避するべくクマ医師から認知行動療法を受けているのだが、いざ他人からの心揺さぶられることに遭遇すると冷静さを欠いて突発的に飲んでしまう。早く楽になりたくて。

今日も不条理なことに遭遇して憤りを感じている。席を外しているあいだに物事がオオゴトになっていて唖然とした。途中で担当者の私に声をかけてくれればもっとすんなりと事が運んだのに。肉体労働から帰ってきてこれかよ?と脱力した。死にたくなった。

ま、べつにいいけどさ。バカって本当に可及的速やかに淘汰されるべき悪なんだなって思った。もう知らねー(このぐらい割り切らないととやってらんない)。

きっと婉容もだいぶイライラしていたはずだ。ラストエンペラーに相手にされず、日々フラストレーションが溜まっていたに違いない。比較するのもおこがましいが。
つーか、婉容、かわいい。お人形さんみたい。

・・・阿片って美味しいのだろうか。
水煙草ならばこの前、ペルシャ料理店で経験して「何これ美味しい!」って感じたんだけれども。



母方の祖父は戦争で満州に行った。現地でマラリアに罹ったが、自力で完治したそうだ。その後、沖縄本島、沖縄開戦一週間前に本島を脱出。
宮古島で終戦を迎えた。
その間、娘(母の姉)と二人で足尾で暮らしていた祖母。

終戦から2年後、桐生駅で祖父母と伯母(5歳)は再会を果たした。
その後、伯父と母が生まれた。

祖父が命からがら戦場から戻ってきてくれなければ私はいなかった。
そんなに大変な思いをしてまでも戻ってきて、…孫の私がこれじゃぁね…と思うとひどく落ち込む。



もう何が正解の生き方なのだろう。わからない。疲れてしまった。薬を飲んで紛らわせるほかないのだろうか。




夕食はサイゼリヤ。この前ワインで盛大に酔っ払ったので本日は飲まなかった。
ミラノ風ドリアは美味しいなあ。





「運気は指先から」By澤穂希。
ということで湯上りにマニキュアを塗りなおした。

今日はレブロン。発色が良くて好き。


そうそう、今日は通勤時に花を見た。
もうテッセンが咲いていてびっくり。
テッセンは母の好きな花。


あと山吹も咲いていた。


山吹は通っていた高校の中庭に咲いていて、古典の先生が「あれは山吹っていう花でね」と言い、授業中に素敵な歌を教えてくれた。

「七重八重 花は咲けども山吹の 実のひとつだに なきぞ悲しき」

若き日の太田道灌が蓑を借りるべくある小屋に入ったところ、若い女が何も言わず山吹の花一枝を差し出した。
道灌は怒って帰宅。
後に山吹には「七重八重花は咲けども山吹のみのひとつだになきぞ悲しき」の意が託されていたことを家来から教わる。
『実の』と『蓑(みの)』をかけ、『お出しできる雨具はございません』という断り。

道灌は無学を恥じたという有名な話をしてくれた。山吹を見ると古文の先生を思い出す。

蓑一つ貸せない貧しさで「んなもん、ボンビーだからねーよ」ってダイレクトに伝えるのではなく、歌にかけて伝えるっていう、なんとも奥ゆかしい話で印象に残っている。
できればこのようなゆったりとした時代に生まれたかった。
そっちのほうが性に合っている気がする。


寡黙で優しかった祖父は、天国で私を心配しているに違いない。

でも、安心してください。
阿片も、ODもしていませんから。
ギリギリで生きています。


私の花

2023年04月10日 | Weblog
「う~ん、起きなければならないのか」と思いつつ、スマホのアラームを止めながら起床。昨日もなかなか寝付けずに、実質睡眠時間は5時間ほど。土日は9時間ほど眠っているので軽く時差ボケ。

そんな状態でも仕事をこなす。もう必死に。
量が多くてちょっと焦ってしまい、本日はソラナックス(頓服)のお世話になった。今週は5勝0敗を目標にしていたんだけど。無念。まあODしなかったので良しとしましょう。

一昨日の深夜、野ばら友の鯖ちゃんが興味深い歌を教えてくれた。
その名も「私の花」である。


友川かずき 私の花




元死刑囚・永山則夫が作った詩に友川かずきさんが作曲をしたもの。

「私の花はなんの花
艶やかなカトレアの花かな
心の美しいスズランの花かな
海の好きなハマナスの花かな」

「私の花はなんの花」と問う主人公は、おそらく則夫自身なのだろう。
各花の特徴が繊細な観察眼を以て表現されている。
花の名前を羅列しながら、自分が何者であるかを確かめようとする則夫。

最後、

「私の花がありました
お話ししない花でした
名前もない花でした
黒い造花の花でした
花でした」

と結んでいる。

虐待と貧困の中で育った則夫は、殺人事件で死刑判決が出た後、獄中で必死に勉強をした。
『無知の涙』や『人民をわすれたカナリアたち』などの手記を発表、その後、小説『木橋』を発表し、新日本文学賞を受賞した。(ちなみに『木橋』は則夫の面影を追って板柳に行った際、自分にとってガイド本としての役割を果たした。書かれている内容を読み込み、そして則夫の手書きの地図を頼りにしたのであった)




死刑執行のその日まで、則夫は拘置所でひたすら自分と対峙していたのかもしれない。
自分は何なのか。
何のために生まれてきたのか。
色々思い浮かべたけれども、やっぱり自分は「黒い造花」だと表現する則夫らしさが切ない。

私も花が好きで自分を色々な花に比えてみたりするけれども、「黒い造花の花」だと思う時がある。
則夫の幼少期の絶望や孤独に比べたら全然自分は恵まれていると思ってはいるけれども。
でもどうしても黒い、カサカサの安っぽい造花に思えてしまうときがる。


中学時代の同窓会グループLINEで、某くんが大切にしている車を当て逃げされたと嘆いていた。
精神的なショックでお風呂も食事もとれないというので心配。
彼は私同様、心療内科に通院してて、メンタルが弱い方なので…。
帰宅後に電話を掛けた。
相当落ち込んでいるもよう。
旅行も酒も博打もしない彼の唯一の趣味は車。
「少ない給料で少しずつ自分好みにしていてって、もう少しで完璧になるところだったんだ」と今にも泣きそうな声で言う。
私も彼のその車に数回乗らせてもらったことがあるので、本当に胸が痛む。
「そうだね…そうだね…うんうん…」と聞いてあげることしかできなかった。
最後に「また何か吐き出したいことがあったらさ、あのグループLINEに吐いちゃいな。美女4人が受け止めてくれるから」と言ったら、爆笑していた。
少しは元気なったかな?

黒い造花の花でも、人に寄り添って少しでも心を和ませることができたら幸甚。
私の花。



今日の吉熊。
日光浴ができて満足そう。


夕食は王将の炒飯とニンニク激増し餃子。
注文をする際に「炒飯?珍しいですね。いつも餃子2人前なのに!?」とお店のお姉さんに驚かれた。
そう、今日はなぜか朝から無性に炒飯が食べたかったのである。



空中庭園

2023年04月09日 | Weblog
10時半に起床。6時ぐらいに目が覚めて、二度寝を試みたが悪夢にうなされて熟睡感なし。ずっと仕事の夢を見ていた。というか働いていた。時間外労働の手当てを要求したいぐらいにリアルな夢だった。

カップ焼きそばと昨日買ったスコーンでブランチ。スコーンは一晩おいても美味しかった。また食べたい。

その後、書類作成や手紙を書いたりしていたら、昼下がりになっていた。


偶々つけていたNHKの番組(中国王朝英雄たちの伝説「悪女たちの裏切り」)が面白くて、最後まで見てしまう。
ラストエンペラー溥儀の妻・婉容は阿片におぼれて密通を重ね、妊娠。番組では死産っていっていたけどググったら生後1時間で殺されたと書かれていてショックを受けた。身も心も阿片で荒廃した婉容は悲惨な最期を迎え、埋葬された場所もよくわからないとか。
側室・文繍は離婚を求め夫を捨てたが、晩年は極貧状態だった。
二人とも10代半ばで結婚させられて、そして戦争に翻弄されて実にかわいそう。
表面上は「裏切り」かもしれないけれど、同情してしまう何かがあった。


夕方、池袋へ。


西武百貨店には屋上がある。その名も「食と緑の空中庭園」。私はここが大好き。
モネの睡蓮をイメージした池があるのだ。




花々の手入れもガチめ。
左上は母が好きなクリスマスローズだ。




藤の花も咲いていた。もうそんな季節か。




鏡面世界。




吉熊も嬉しそう。




空腹感を覚えたので、フードコートにある「かるかや」のうどんでキメた。Googleの口コミ4.2。これは期待しちゃう。
どれにしようかな~。


左上の「スタミナうどん」にした。


見るからに美味しそうな太くて堅めの麺。




うまい!うますぎる!これで650円とか!コスパ良すぎ!!


青空とサンシャイン60は最高のおかず。

あまりの美味しさに箸が止まらず、トランス状態でフィニッシュ!!


化粧品売り場のフロアで降りて、資生堂のカウンターにて下地(ルーセント)を購入。
接客してくれた沢尻エリカ似のお姉さんから試供品をたらふくいただき、ヒデキカンゲキ。



マツキヨで月一恒例の爆買いもした。
貯まったポイントを全部使ったが、今回の買い物でまた貯まった。
これぞ∞(無限)マツキヨ。



あっという間の休日だった。
明日からまた一週間が始まる。

やっと週末だ!と満身創痍の想いで迎えたら、また週明けとか…。
賽の河原の石積みっぽさ満載である。
…これ、あと何回繰り返すのだろう。


騙し騙しやっていくほかない。
週末は必ず来る、と信じて。


私は旅人

2023年04月08日 | Weblog
9時半に起床。よく寝た。深い眠りだった。
今日は渋谷へ。


久々の渋谷はもうすっかり以前のように外国人観光客で溢れていた。やっと活気が戻ったという感じだ。

空腹だったので、まずは焼肉ブランチでキメた。
前々から気になっていた「寿亭」へ。
渋谷駅から徒歩5分。




おお~!布のおしぼりだ!高級感があっていいね。


オーダーから7分後ぐらいで全てが揃った。
コスパ最強。





普段は焼くのを他人任せにしているせいか、すぐに焦がしてしまう。私のテーブルだけキャンプファイヤー状態。マイムマイムベッサンソン。でも美味しい。


店内はザ・焼肉店といった風情。
スクランブル交差点同様、やはり外国人観光客が多い。
アウェイ感が半端ない。自分が旅行者になった気分だ。

片隅に電話ボックス型の喫煙所があってとても嬉しかった。


会計を済ませて、しばし渋谷をブラブラ。LUSHで「‎みつばちマーチ」をゲット。これで洗顔すると肌がすごく潤うのである。最近、季節の変わり目で肌が揺らぐので、これで調整しようと思う。


ロクシタンやロフトなども徘徊。


「そうだ!プラネタリウムに行こう!」と思いつき、お腹を調整するべく「人間関係」へ。


ここのスコーンは人気ですぐに売り切れてしまうが、今日はあった。




店員さんがスコーンを温めてくれ、そしてクリームを添えてくれる。
相変わらず美味しい。





16:00前に「コスモプラネタリウム渋谷」に到着。




★16:00 今夜の星めぐり
「癒しの星空解説員」として有名な永田さんの回。いや~、本当に癒された。鳥のさえずりを思わせるような美しい声、淀みのない喋りにうっとり。
こいぬ座の神話と渋谷のハチ公を重ね合わせた展開に涙腺崩壊しかけた…。ご主人様を待つワンちゃんの様子、ヤバい。
あと、乙女座のギリシャ神話・・・最後まで人間を信じていたが、やがて戦争をやめない人間に絶望し、天に昇っていった女神アストライアー。最近のウクライナ侵攻を見たらどう思うのかという問い掛けに重みがあった。


★17:00 Starry Music ~オーケストラで奏でる宇宙~


日フィル!!



伝説のプラネタリアン村松さんの優しい語りと日フィルの音源、そして眩い星空に心がとろけた。
ここ20年弱、年末の第九は日フィル&コバケン(指揮)と決めている。今日、冒頭に流れた演奏の映像に見覚えがある団員さんがいてちょっと興奮した。

楽曲は、
■ワーグナー:歌劇「ローエングリン」第3幕への前奏曲
■ホルスト:組曲「惑星」より「木星」
■ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」第2楽章

日フィルの「木星」が聴けて大満足♪いつかは生で聴いてみたい。日フィルの「新世界より」は8年ぐらい前に聴いて鳥肌が立った思い出。


村松さんはとても有名で前々から聞きたいなと思っていた。NHKのアナウンサーかと思うほどの丁寧で上品な語り口調は、安定感があって心地良い。




コスモプラネタリウム渋谷、レベルが高い。

プラネタリウムは100年前、ドイツで生まれたらしい。


かわいいクマさん、発見!!



渋谷はとても刺激的な街だと再確認できた。
ごちゃごちゃしてて歩いているだけでも楽しい。
外国人観光客が集まるのもよくわかる。


見慣れた風景でも物見遊山マインドを発動させ好奇心のままに歩いてみると、新しい発見があるというか、新鮮な気持ちになれるのだなと思った。

明日はどこを旅しようかな。




典雅な診察

2023年04月07日 | Weblog
心療内科デー。
いつものように駅そばで夕ご飯。
冷やし山菜そばとコロッケ。
…先週に引き続き、今日も店員さんは温かいそばを間違えて出してきた。
ミスを指摘すると丁重に謝罪されて、冷たいそばを出してくれた。
しかもコロッケを揚げたてのものにしてくれた。ラッキー。


駅前で煙草を2本吸う。風が強いのでライターの火が潰れてイライラ。

久々にマスクを装着し、いざ、心療内科へ。


待ち時間30分。奇跡!!
持参した本を数ページ読み進めたら名前を呼ばれた。今夜、読了するはずだったのに。


クマ医師の「どうでしたか?最近」という誘導尋問でこの一週間を告解する。
今週は新卒の制服で忙しかった旨を報告。
昨日はトランス状態でデータを入力し(夏服冬服)、今日は段ボール数箱分の制服を台車で移送、さらに枚数を確認してそれをエクセルに入力するといった作業があり、とても大変だったのである。

デパケンを増やしていただいて正解だったことも言った。
おかげでわりと冷静に過ごせていたような気がする。
他人に「巻き込まれない」「惑わされない」と常に頭の片隅に置いて過ごせていた。

ソラナックス(頓服)は2勝3敗。週の前半に飲んでしまう。でも以前のようにODはしなくなった。

「仕事以外の件についてはどうでしたか?」と訊かれた。
うむ。…神代桜2023紀行を語るしかない。

山梨にある樹齢2000年の桜を見に行ったと述べたら、クマ医師に驚かれた。
「に、2000年?え?2000年ですか?」と。

「(クマ医師の出身大学近くにある)あの桜には敵いませんよ」と言ったら、「樹齢2000年には敵いませんよ」と言いつつ、彼は電子カルテに「樹齢2000年 桜 山梨」としたためているっぽかった。
おそらく来年、彼は神代桜を見に行くだろう、きっと。
お金持ちだろうから、小淵沢の星野リゾートなんかに泊まっちゃうのかもしれない。

神代桜の帰りに勝沼のワインカーヴに寄り、しこたま飲んで盛大に吐瀉をし、店員さんに介抱された旨も供述。
クマ医師、大爆笑。
「ちゃんと帰れたんですか?」と案じられた。
帰ったよ。帰ったさ。
高尾駅までの記憶はないけど。

で、最後にまた神代桜の話になった。
「場所、どこでしたっけ?」と訊かれたのである。
「日野春です」「ひのはる?」「はい、日野春」といった具合に。

やべー。今回の診察、ほぼ桜の話で終わっちゃったじゃん!!
桜についてひたすら話し合うという、じつに典雅な診察であった。
平安貴族になった気分。

百人一首の「いにしへの 奈良の都の 八重桜 今日九重に 匂ひぬるかな」を思い出す、そんな診察だった。


今週は処方なし。
奇跡的に早く帰れたのでゆっくりと風呂に浸かり、久しぶりにゆっくりまったりな金曜日を謳歌している。
一昨年まではこれが普通だった。信じられないけれど。




桜の花びらよ

2023年04月06日 | Weblog
出勤時に強風と雨にやられてうんざり。
嗚呼、宮沢賢治先生。私は何時になっても「雨ニモマケズ」の境地には至れません。雨にも負けちゃうし、風なんて煙草の火が点かないのでイライラするので大嫌い。雪は好きだけど、夏の暑さにはちょっとした殺意とか抱いちゃうもんね。


今日一番吃驚したニュースはムツゴロウさんの逝去である。
「まじかー」ってなった。
「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」の放送日は早めにお風呂と宿題を済ませテレビの前に鎮座して待機していた小学生の私。
動物の愛らしさそのものが楽しみだったし、体を張ったムツゴロウさんの動物との触れ合いやムツゴロウさんのわかりやすい動物についての解説がおもしろくて夢中で見た。

その頃、ムツゴロウさんが作った映画「子猫物語」は当然クラスで流行っていた。
行った者がチャトランの下敷きを持っているのを羨ましく眺めていたのを覚えている。
あれを所持するのがステイタスだったきらいがある。
私も見たいと親に申し出たのだが、なぜか「うーん」と言われてしまい、スルーされたのだった。当時、映画版を編集した「テレビ版」(たしかプー助が主役)はビデオに撮って何度も見た。

「子猫物語」は先日他界した坂本龍一さんが音楽監督を担っていて、主題歌の作曲も手掛けた。作詞は大貫妙子さん。
歌いやすいメロディーラインは作品の愛らしい世界観にぴったり。

W0465 吉永敬子「子猫物語」◆坂本龍一◆畑正憲(ムツゴロウ)◆大貫妙子◆




ムツゴロウさんは菊池寛賞受賞の作家としての顔もある。
教科書に載っていた「ぼくのクロウ」というカラスの作品が私はとても好きで一人で勝手に続編を書いた(実家にあるはず)。
また、ムツゴロウさんが飼っていたクマとの愛の深淵を描いた「さよならどんべえ」。
久々に読み返したら、発情したどんべえ(雌熊)に求愛されるも、それに応えてあげられず、やるせなさを感じたことが書かれてある。しかも情感たっぷりに。




そんなムツゴロウさんの逝去を悼み、今夜は追悼チキンラーメン。





久々に食べたのだがシンプルで美味しい。お湯を注ぐだけなので料理ができない自分でも簡単に調理できるのがありがたい。

ちなみにチキンラーメンは中国最後の皇帝・愛新覚羅溥儀…ラストエンペラーも愛した味。

映画「ラストエンペラー」は坂本龍一さんが手がけた。
映画「ラスト・エンペラー」 ♪エンディング・テーマ サウンドトラック



親戚の死はもちろんだが、好きだった著名人のそれはいつだって衝撃的である。
そして「自分もいつか死ぬんだ」という自覚を否が応でも促す。

いつか自分にも来る「その日」までを、穏やかに、そしてできれば楽しく過ごせればなと思う。

雨にも負けて、風にもイラつくけれど。そんな不快を帳消しにできるほどの感動や楽しみが、できればほしい。

私の好きな人たちには長生きしてほしいと切実に願う今年の春。
桜の花びらよ。
私の好きな人たちを攫って行かないで…と。



明日は心療内科デー。やっとっていう感じ。一週間、本当に長かった。
前回、予約票がうまく出ず、クマ医師直筆のメモを渡された。それをお守り代わりにしていた。

早く明日の夜にならないかな。



清明

2023年04月05日 | Weblog
先日より姪っ子さん(妹の娘)は保育園に通い出した。周囲の赤ちゃんが泣いているのに、唯一、彼女だけはニコニコしているっぽい。すでに大物の予感。
生後8ヶ月になり、だんだんと表情が出てきた。見ているだけで面白い。
大人たちが喋っていると「あーうー」と自分もお喋りに混ぜてほしいアッピールするので今度会うときは積極的に話しかけようと思う。



2週間ほど前にディズニーシー、ミラコスタに招待してくれた弟は、今、家族で宮古島に行ってるらしい(子供が春休みのため)。
ミラコスタの次は宮古島…韻を踏むラッパーかYO!
送って寄越す画像の美しいことったら!
宮古ブルーの海、青い島、嗚呼、羨ましい!


母は、面白いティッシュボックスを購入した。2月に青山の伝統工芸品を扱うお店で、私が「これ、ママに似てるね!」と画像で送ったものを母が気に入り、購入に至った。
鬼瓦のティッシュボックスで鼻からティッシュが出るユニークなものである。




そんな感じで周囲からの情報がたくさん入ってくる。

私も色々やるべきことが多いのだけれども、なかなか進まない。
マイナンバーカードのなんちゃら、マンションの総会のなんちゃら、御礼状書き、など。

でも先日、思い切って山梨に花見に行けたので、まっいーかと。
平日はヘトヘト…。

夕食は某定食屋のカレーうどん。
数か月間、忽然と姿を消したカレーうどん。
再開したというので食べに行った。


価格がだいぶ跳ね上がったけれども、やっぱり美味しい。


あと少しで完食というところで異物が入っていることが判明。
ビニール片である。
すぐさま店員さんを呼び出して説明した。
店員さんは「本部に確認します」と、すっとうどんを下げてしまった。
あと数口分残っていたのに。
まだ腹6分目だったのに。
結局、代金を返金してもらい、終了。
お腹が満たされてなかったので、戻ってきたお金でコンビニにて総菜を買って帰宅。
なんだかなー…。


今日は「二十四節気」の「清明」。文字通り、空気が清らかで光が明るい日だった。
明日から天気は下り坂になるらしい。
風邪防止のため、そして春は寒暖差が激しく自律神経がアレなのでもう寝てしまおうと思う。

なんだか疲れやすい…。


職場の先輩紳士から借りた漫画が面白い。
おま俺かよ?って突っ込みながら読んでる。
ゲーマーな女の子とクマのお話。すき。




ピアノの音が降る夜

2023年04月04日 | Weblog
久々に朝までがっつりと眠れた。

昨日、帰宅時にマッサージのチラシを受け取った。
いつもはスルーするするのだが、「初回は1時間無料です」というので、その若いお兄さんについてくことに。
案内されたのは雑居ビル。
「え?私、売られちゃうの?」と内心ビビっていたのだが、いたってふつうのマッサージ店であった。
チラシ配りのお兄さんからマッサージ師のお兄さんに譲渡されるわたくし。

ベッドに促されるがままうつ伏せになり、全身をチェックされた。
「何かスポーツされてるんですか?足、だいぶ引き締まっていますが」と言われて吃驚。中高、帰宅部。運動は何よりも苦手なんだもの。
ああ、でも自転車や車を使わずに、いつも歩いているからちょっと納得。
特に都心の地下鉄の乗り換えは足を使うので自然と鍛えられているのかもしれない。
17歳からハイヒールを履いているのも影響しているはずだ。
肩は予想通り凝っていて「指が入りません」とマッサージ師が弱音を吐くレヴェル。

今日はマッサージのお陰か、だいぶ体が楽だった。
良心的な価格だし接客も丁寧だし、また行こうと思う。


今日はシャネルのバッグで出勤。
軽くて滑らかで使いやすい。

スカーフはエルメス。いずれも母から譲り受けた物。ママ、ありがとう。


今日の昼休み。
桜の花はだいぶ散っていてすでに葉桜だ。
大学生の頃、「葉桜の日」という小説を読んだなと思い出した。
鷺沢萌という女性作家の作品で、内容はあまり覚えていないが心に残っている。そしてその後、作者が自殺したことも…。
葉桜を見上げる度に彼女のことを思い出す。


季節は確実に初夏へとシフトしている。


夕食はてんや。
お腹いっぱい。


マニキュアを塗りながらテレビを見ている。





坂本龍一さんの優しくて奥深いピアノの音色と音楽への想いが染みる夜。
初っ端から「ラストエンペラー」だよ…。えーん。すでに泣いちゃう。
ラストは戦メリ。一音一音、愛おしそうに奏でる教授の姿を拝み、終盤の盛り上がる部分で「ありがとう」って思わず口にした。
今まで音楽で楽しませてくれて、本当に感謝している。


さらに元妻・矢野顕子さんのコメントを読んで盛大に泣いている。




Akiko Yano and Ryuichi Sakamoto Tong Poo

神がかった4つの手による連弾。

季節はシフトしていく。

来年もきっと当たり前のように桜は咲き、春は来る。

でも、二度と同じ春、そして「時」は来ない。

そう強く感じる夜。
教授のピアノは静かに降っていた。





坂本龍一さんの訃報

2023年04月03日 | Weblog
昨晩帰宅して、一服しているときに教授、坂本龍一さんの訃報を知った。
そしてそのまま泣き崩れた。
これから坂本龍一がいない人生を送るのか…という喪失感で目の前が真っ暗になった。
一昨年、はじめて映画「戦場のメリークリスマス」を銀座で見て、改めてあの音楽の良さを感じた矢先であった。

2021年05月16日「戦場のメリークリスマス」

「ラストエンペラー」のアカデミー賞受賞の際の坂本さんのかっこよさも鮮烈に覚えているが、中3の夏、バルセロナオリンピックの開会式で「El Mar Mediterrani」で指揮していたお姿、音楽の美しさにも衝撃を受けた。
Barcelona '92 | Ryuichi Sakamoto | Finale "El Mar Mediterrani"


元カレが教えてくれたYMOの「千のナイフ(武道館 1980)」の気持ち良さなど、色々なことが頭を駆け巡り、昨日はよく眠れなかった。
あと高校時代か大学時代に「どうやら矢野顕子さんっていう人と結婚しているらしい」ということを知り、勝手にモヤモヤして矢野顕子さんのエッセイやアルバムも買ったこととか…(そして矢野顕子さんを好きになるというね…)。ちなみに二人の離婚を知ったのは心療内科の待合室だったのも覚えている。携帯のezwebのニュースで知った。

生の坂本さんを見たのは2012年の反原発のイベント。あれが最初で最後になってしまった。
日比谷を歩いていたら偶然、その集会に遭遇したのだ。音楽だけじゃなく、自分の想いをはっきりと述べる人でもあった。

一言では今の気持ちを表現できない。
でもやはり感謝という言葉が適切か。
色々な曲で気持ちよくさせてくださりありがとうございます、と。
これからも坂本さんが作った曲を私は聴き続けていくだろう。芸術は永遠に生き続けるのだから。




ということで今日は二日酔いと喪失感、そして寝不足で新年度を迎えた。
入社24年目の初日。予期不安でソワソワしてしまい、ソラナックス(頓服)を入れた。ちょっと眠かったがなんとか乗り切った。

どんぐり、どんぐり。


先般、友人が「仕事はお金をもらうツールにすぎない」と言っていて「なるほど!」と膝を打った。
そう、まさにそうなんである。決められた仕事を粛々とこなしていればいいんである。聖職者の彼女がそう言うんだから、それでOKなんだと思えた。

遣り甲斐や思いやりという感情なんて持つから搾取されるのであって、日々淡々と仕事をこなしてお金もらって他人に迷惑をかけずに人生をまっとうできたら上出来なんである。それが45歳にしてたどり着いた悟りの境地だ。


夕食は丸亀製麺。
二日酔いで昨日から胃の調子がわるかったのだが、やっと食欲が回復した。




悠久の桜2023

2023年04月02日 | Weblog
4/2
7時に起床。
今日は山梨県の神代桜へ。
今年は咲き始めが早くて先週末の天気も悪く、行くのを諦めていたのだけれども、前日、地元のお友達が神代桜の桜吹雪の動画をLINEで送ってくれて「行こう!」って思ったのである。
今回は新宿駅からあずさ9号を使うことにした。早くて快適。
山梨県に行くときは、必ず林真理子先生の本を持参することにしている。
真理子先生は山梨県出身。
今日持参した「葡萄が目にしみる」は真理子先生の代表作と言ってもいいかもしれない。山梨県の高校生・乃里子の鋭い洞察力と自意識過剰っぽさが巧妙に描かれている。




本から目を離し、車窓も堪能。山にポッと咲く山桜の美しいことよ。
桃の花も愛らしい。


1時間半で甲府駅に到着。甲府駅のホームには喫煙室があるので2本補給。

11時半に日野春駅に到着。



ここから神代桜のある実相寺までタクシーしか手段がない。2000円ぐらいかかる。

少し待っていると外国人3人が来た。神代桜に行きたいっぽい雰囲気だったので英語で相乗りを申し出てみると、とても喜んでくれて交渉成立。彼女たちは香港からの旅行客で10日間の日本旅行を楽しんでいるらしい。ジャッキーチェーンの物まねをしたらすごく喜ばれた。
香港人、とても分かりやすい英語で話してくれてありがたかった。


12時少し前に実相寺に到着。
帰りのタクシーを予約し、香港人に「帰りも相乗りしないか?1時間後にここで待ち合わせをしない?」話を持ち掛けたら「OK」ということなので、一応、LINEを交換して別れた。

神代桜より前に、まず既に到着している地元の友達に挨拶をしに行った。
1年ぶりの再会。元気そうで何より。こうして会うようになり8年になる。


さて、実相寺へ。


冥途ってここなのかもしれない…と思うほど、桜や水仙が華麗に咲き誇っていた。





棚から垂れている桜も風になびいててうっとり。






宇宙桜も胸熱。
国際宇宙ステーション「きぼう」にて約8ヶ月間無重力の中で過ごし地球に戻りその種子を全て植えた後、2粒が発芽し、その内の1本が実相寺境内にある。
それが、これ。



神代桜の宇宙桜は珍しいことに、一部に6枚の花びらが見つかっている。(通常は5枚の花びら)



境内の後ろ、墓場の隣にある広場にはいつも人がいなくて、こここそ「あの世感」をMAXに感じられる。
全国各地からの桜があって、どれも愛らしくて見飽きない。
仙台の枝垂れ桜の子孫。ゆめかわなピンクがかわいい。





境内には美延の枝垂れ桜もある。
このコもちょうど見ごろ(去年は美延山まで行ったのに見ごろを過ぎていた。やっとリベンジできた)。



境内の鐘。情緒がって素敵。



そしてメインの神代桜。
樹齢2000年の神秘。




今年も待っていてくれた。ありがとう。
支えや吊るしがないと枝を保てない痛々しさはあるが、この桜を見ると元気が出る。
文句も言わず、2000年も咲き続ける健気さに今年も感動した。










また来年、会いに来るよ。


13時。香港人と共にタクシーに乗り、日野春駅へ。
一緒に写真を撮り、笑顔で別れた。

13:20の電車に乗り、「勝沼ぶどう郷駅」で下車。





目星をつけていた定食屋が休みだったので、空腹のまま「ぶどうの丘」まで歩いていく(15分ぐらい)。
15年前、妹と母と行ったことがある観光施設だ。天空の温泉があり、そこで一泊した記憶。
ワインの試飲ができるワインカーヴあり、前回、ここで極楽を味わえたので、今回も行ってみることに。

まずは丘から甲府盆地を眺める。
前回、来たときも母と妹でここからの眺めを堪能した思い出。
胎内回帰というか、山に包まれた地形を見ると「守られている」という安堵感を覚える。



じゃあ、行ってみようか、ワインカーヴ。

受付で1500円ほど支払い、タートヴァンを購入。
これで180種類のワインを試飲できる。
うん!やはりパラダイス。






時間制限がないのでとめどなく飲んでしまう。
理知的なカップルがいたので声を掛けて一緒に飲むことに。
二人とも文芸ヲタなので、つい話し込む。
「周五郎」というワインで「山本周五郎を思い出しますよね」みたいな話ができるのである。まだ若いのに。
そして彼ら、嶽本野ばら先生を知っている!
嬉しい!!

ということで見事に酔っ払い、「トイレに行ってくるね」と彼らに言い残し、気持ち悪さを覚え…庭に出て盛大に吐いた!!
ええ、もう「下妻物語」の桃子の母親ばりに吐きましたとも。
ワインでここまで酔っ払ったのは久しぶり。
吐瀉物まみれになり、庭で横になっていたら店員さん2名がやってきて宿直室まで運んでくれた。
宿直室で1時間ほど横にならせてもらい、駅まで車で送ってもらった。
本当に申し訳ない。これに懲りずまた来ます!!
ということで、信玄餅やワイン風呂の入浴剤、そして周五郎という名のワインボトルを買おうと思っていたが、何も買わずに今回は帰ってきた。
気持ち悪さは中央線の高尾を過ぎたあたりにようやくおさまった。

最後、ハチャメチャだったけれど、思い切って往復300キロ弱の小旅行に今年も行ってよかった!!

また来年も行けたらいい。

てか、聡明なあのカップルに最後、挨拶できなかったのが心残り。
またどこかで会いましょう。


お花見

2023年04月01日 | Weblog
10時半に起床。
母ヨーコたんが家族LINEに自分の幼少期の写真を「私は母に『見たくもない顔をしていた』と…」という言葉と共にUPしていた。
そんなことない、きっと祖母の照れ隠しなのではないかな?と思うのだけれども、母は頑なに「何度も言われていたから本当だったんだと思います」と。
そんな母ヨーコたんが29歳のときの写真。




かわいいではないか。
ちなみにクマパパの写真はどれも少々疲れている…。
毎日残業と飲み会だったから、ね。


本当に、何不自由なく育ててもらったと写真を見て思う。


ちなみに1歳7ヶ月で関西旅行にも連れて行ってもらっているわたくし。
父の大学時代の友達が淡路島に住んでいて、そのお家に行ったのである。

神戸の異人館にも行ったもよう。


京都の清水寺。

右側が父のお友達。10年前に彼が他界したとき、父は泣いていた…。青春期を共に過ごした友達を失うことのつらさを間近で見て、私も泣いてしまった。


そうそう、シャネルのバッグが修理から戻ってきた。
すっかり綺麗になって感激。
このコは母から譲り受けた大切なコ。
子羊の革でできていて、とても滑らかなので使用感が良い。デザインもシンプル。




身支度をして朝食というかランチへ。
近所のタイ料理屋へ。思えば3週連続、土曜日に来ている。
今日はパッタイ。


スープとデザートがついて650円。価格破壊すぎ。


店主とはすっかり打ち解け、とても楽しいランチタイムを堪能できた。
あとから同郷のお兄さんが入ってきて、ちょっと話した。彼は今、無職だがその前は大手出版会社にいたエリートだったそう。
いいな~、出版業界。羨ましい。「人間関係が嫌になって」と言っていた。

なんだかこの店、NHKの72時間で取り上げられてもいいぐらい濃厚でおもしろい。
サラダのドレッシングを褒めたら、ちょっと分けてもらった。
店主さんが毎日手作りをしているらしい。
「ニンニクがたくさん入っています」とのこと。なるほど。クセになるのはニンニクのせいだったのか。タイ料理、奥深い。
ドレッシングならばコンビニでキャベツの千切りを買ってそれに振りかければOKなので、大歓迎。ありがたい。


店を出て、ふと花見に行きたくなり、川辺まで歩いていった。
多くの人がレジャーシートやテントを張り、それぞれ花見を楽しんでいた。
撮影者を伴ったウエディングドレス姿の外人もいる。
日本人もそうだが、外国人も桜が大好きっぽい。
友達のスイス人も「僕もその花、好き」って言っていた。


川の流れる音と桜吹雪を肴にして氷結を飲む。
最高!!



どんぐり@桜




吉熊「また来年、来ようね!」


桜越しにお月様。


少し寒くなってきたので帰ることにいたしませう。
またね!!


ほろ酔いで薬局へ。
昨日処方されていた薬を取りに行く。

2週間で私の中を貫いていくコたち。


そしてマツキヨへ。毎月1日2日はポイント10倍デー。
エリクシールのファンデーションとマキアージュのコンシーラーをゲット。

接客してくれたOさんはとても美人でハキハキしてて、会うと元気をもらえる。
なぜか髪をスポ刈りに近いベリショにしてて、それがミステリアスっぽさを醸し出している。


マキアージュの口紅は、思案中。
この前、冬ちゃんにジル・スチュアートのグロスを頂き、それがとても良くて…。


帰りに甘味処で桜餅(今日は道明寺)、そして海苔巻きを購入。




先週、土日とも雨が降り桜を思い切り楽しめなかった分、今日は青空を背景にした桜をじゅうぶん楽しめて大満足。
そして4年前、マンションの本契約の前、この川辺の桜を見て「この街で骨を埋める」という覚悟をしたことを今日思い出した。

風呂にも入ったし、起きてまだ12時間経っていないが、もう寝ることにいたしませう。