世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

仕事の果て

2014年05月10日 23時07分12秒 | Weblog
顔剃りに行ってきた。2ヶ月ぶり。最近、顔(特に顎付近)がニキビだらけなのは顔剃りを怠っていたからだと思う。もはや自力ではターンオーバーができなくなっているのであろう。あと、不眠も一因かもしれない。

私がお世話になっているのはおばちゃんが一人で営業している理容店である。
電話で
「今から伺ってもよろしいでしょうか」
と聞くと、マリコさんが
「大丈夫です。待ってます!」
と元気いっぱい言い放った。

店に到着すると、ソファにマリコさんとおじさんがいた。
あとで聞いたところによると、彼は近所の人らしい。店の塀をただで直してもらったら、入り浸るようになったとのこと。何それ、怖くね?
「ただより高いものはないっていうけど本当だわ」
とマリコさん。
蒸しタオルで私の顔を蒸し、クリームを塗って剃りはじめる。

彼女の次女は韓国人と結婚した。
このGWに次女の結婚式を挙げに韓国に行ったそうだ。今日はそのときのお土産、ランコムの口紅(365番)をいただいた。発色が良くて重宝しそう。ありがたい。


剃り終え、マッサージをしていたら、またさっきのおじさんがやってきた。
マリコさんからもらった韓国のお菓子。箱を開けてみたら四個入りのお菓子なのに三個しか入っていないという報告をしに来た。

そして
「明日、魚釣りに行くんだ。虹鱒釣ったら土産にするから。待っててね」
と言い放って帰っていった。
「私、いわき出身で海の女だから。だから川魚は食べないの」
と、適当にあしらうマリコさん。


彼が帰った後。
「マリコさん。あの人、絶対マリコさんのことが好きですよ。大丈夫ですか?日中一人で仕事してて怖くないですか?」
と言う私に、
「私は大丈夫よ。半分おじさんだから。しかも彼、私のタイプじゃないし」
と、がっはっはと笑うマリコさん。男勝りである。旦那さんを亡くして20年。まだ旦那さんが大好きらしい。



そういえば、彼女は私がいる会社の商品を買ってくれた。
「○○さん(私)がいる会社だから」
と、選んでくれたとのこと。

その言葉に、涙が出そうだった。
三月中旬以降、制服管理業務という新たな仕事を引き継ぎ、正直辛い。忙しくて、そして何を優先させたらいいのか未だに自信がなくて、毎日いつの間にか過ぎていく時間がもどかしくて、精神的にも体力的にもキャパオーバーになっている。

直接的ではなくとも、私のやっている仕事が、マリコさんみたいなお客さんのためになっているのだと知って、もう少し頑張れそうな気がした。店のスタッフが気持ちよく接客できるようにするために自分は何をすべきか。今日は私がやっている仕事の果てというかゴールというか、そういうものをビジュアル的に知ることができた。

「出来上がりました」
と椅子を起こされて見た鏡の中の自分の顔。
産毛と角質が取り除かれて剥き卵のよう。そして笑顔になっていた。



ぴかぴかの肌、新しい口紅、そして昨日縮毛矯正で掛け直してもらったさらさらの髪。今月はこれらを手に入れた。
燻っていた自分とさよならできる。きっと。

そういえば最近シャンプーを変えた。美容院のポイントが溜まってシャンプーをゲットしたのである。ちょうど妹からもらったケラスターゼのヘアトリートメントがなくなったので、昨日、美容室のオリジナルトリートメントを割引きで購入した。プルメリアの香りが心地よい。