世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

潤い贅沢

2014年03月18日 23時59分58秒 | Weblog
心療内科デー。
待ち時間は3時間と目論んでいたが、1人前の人が凄く長くて3時間半。

今日も読書をして過ごしたが、とうとう五木寛之の「凍河」読了。上下巻、長かった。しかも初めて読む作家の作品だったので、慣れずにダラダラ読んでしまった。下巻の後半はスリリングであっという間に読めたが。なかなか面白かった。感想は後日。



さて診察。
クマ医師、なんだか疲れているっぽい。さっきの患者さんで疲れてしまったのかな。今日も着用しているベストがカワユス。

「最近どうですか」
と言われる前に、プレゼン資料を出す。
「部内の人事のことで色々ありましてね。これをご覧ください」
って。
・・・会議室かYO!
プロジェクター、使いたい。


最近の仕事。
パートさんが辞めてしまい、制服業務が私のところに来た件。
この内容を同僚に話するのとは違い、部外者のクマ医師に口で説明するのは難儀だと思い、書類にしてきた。バックボーンにあるものを正確に伝えるために、日曜日に作ったなんちゃってプレゼン資料。
総務室・経営管理室にいる人の特徴と、担っている仕事内容などをペンで指しながらの説明。


「これ、ぜんぶあなたが担うんですか」
「多すぎじゃないですか」
「その制服業務に改善の余地ってあるのですか」
というクマ医師の質問に答える私。

「いやー。社長指示ですから。やるしかないんです。改善の余地としましては、パートさんがやっていたアナログ的な仕事をデジタル化するとかでしょうか。吉熊上司と相談して省けるものは省いていこうかと思っています」
と言う。

続けて、
「先生。今が、今まで○○先生(クマ医師の名前)から指示された認知行動療法を総動員させ、仕事で発揮する時期だと思うんです。やりますよ、私。やらないと駄目なんです!!!」
と、身を乗り出して鼻息荒く宣言。
8年の通院歴でこんなに熱く語ったのは初めてかもしれない。



心療内科の中心で、まさかの「やる気宣言」



クマ医師、口を開けて一瞬戸惑っていたが、やがて頷き、
「あなたならできますよ!!」
と、片手を出してきた。

思わず、両手でその手を握った。
ああ、モフモフしてて優しい手だ。

クマ医師ももう片方の手を私のそれに重ねた。

私は、彼の内面に潜むパワーのようなものを、吸い取るような勢いで、ギュッとクマ医師の手を握った。
私の爪は恐ろしく長いのでクマ医師のモフっている手の甲を傷つけないかが少しだけ心配だった。


「大丈夫。できますよ」

見つめあいながら両手を重ねる。




「あ、そうそう」
とクマ医師は、医学書で溢れかえる本棚から、何かを取り出した。

「これ・・・」
と笑顔で出されたのはドリンク剤だ。たしか秘書検定1級合格のときもドリンク剤をもらった。

「ありがとうございます!・・・あら、『潤い贅沢』ですって。なんだかいつもいただいてしまってすいません」
と笑顔で返答。


薬については、当帰芍薬散が奏功したからだろうか、今回の生理前はあまりイライラしなかった旨を報告。
「これから忙しくなるでしょうけど、そんなときは睡眠時間を普段のプラス1時間にしましょう」
と言われた。

これから来月の新卒研修、再来月の衣替えシーズン終了までは脱水機の中で揉まれるような忙しさが待ち受けている。
もう無理ぽ・・・と思ったら、クマ医師のあの手の感触を思い出そう。
心の「潤い贅沢」だ。




待合室のクマ先生は今日も元気だった。