世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

クマ医師と母熊が似ているというテーゼから導き出された結論

2013年12月10日 22時49分03秒 | Weblog
心療内科デー。

今日は天気が悪かったので患者さんが少なくて待ち時間が1時間半だった。
普段は4時間待ちなので嬉しい。

渡辺淳一の「花埋み」を読み進めた。

あらすじ
学問好きの娘は家門の恥という風潮の根強かった明治初期、遠くけわしい医学の道を志す一人の女性がいた――日本最初の女医、荻野吟子。夫からうつされた業病を異性に診察される屈辱に耐えかねた彼女は、同じ苦しみにあえぐ女性を救うべく、さまざまな偏見と障害を乗りこえて医師の資格を得、社会運動にも参画した。血と汗にまみれ、必死に生きるその波瀾の生涯を克明に追う長編。

文章が美しくて的確。情景や心情が心に入ってくる。


さて診察。

クマ医師に健康診断の結果を見せた。
すげー勢いで熟読するクマ医師。…そんなに見ると穴が開いてしまうよ?

肺に陰が写ってるという不穏な健康診断の結果は、よく出がちなので心配はないとのこと。
コレステロール値が少し高いのは許容範囲で、なるべく20時までには夕食を済ませるようにとのこと。


「精神的なことは?」
と訊かれた。


今朝、雨の中、工場に行き、会長に書類を渡しに行った。
そしたら会長は社長を含めて話し合いをしていた。
いつものそのような状況では、書類を渡している。しれっと。
今朝もそのようにしようと彼らに歩みを進めようとしたところ、社長にすげー嫌な顔され、ジェスチャーで「しっしっ」とされたんである。
己の35年の人生を回顧しても、そのようなことはされたことがなく、なんだかとても落ち込んでしまった。悲しくなった。
自席に戻り、吉熊上司や後輩たちに報告をしたら、笑いながら軽くネタにされ、気分が浮上した。
更に、「さっきはごめんね」と社長から電話をもらったので、引きずらないで済んだ。

会長、社長は私のことをお母さんだと思っていると、以前、クマ医師に言われたことがある(大変不本意なのだが)。
そのことを仄かに思い出し、「彼は甘えてるんだなあ」と、今日は自ら出来事をマネジメントできた
…ということを報告した。

クマ医師、「それはひどいですね」と、イラおこ気味にそう言いながら電子カルテに記載していた。


「12月は歳末商戦で休みが少ないですが、どうですか?」
とクマ医師。

「さっそく今週から土曜日と祝日がないんですよ。…あ、でも先生もそうですよねえ?」
と言うとクマ医師は、
「ひゃっひゃっは!」
と爆笑。
そう、クマ医師は基本的に土曜日も仕事をしている。
9時から深夜まで休みもなく働き通しらしい。


最後に薬の確認。

「先生。来年はマイスリーをやめたいんですが」
と、私には珍しく前向きなことを言ってみた。

クマ医師、キタコレー!といった面持ちで、
「そうですね。今年はパキシルを断薬できましたし。全体的に良い1年でしたよね!秘書検定も、合格しましたし。ふふふ」
と笑顔で言った。

「はい!先生のお陰です」
と俯きながらそう笑うと、
「いえいえ、あなたの努力の結果です」
と…まるで「全日本誉め殺し大会関東甲信越ブロック準決勝戦」みたいな様相を呈することに。

なぜだろうか、クマ医師が笑うと私も嬉しい。
子供が、お母さんに笑ってもらえた時のあの安心感を得ることができる。

クマ医師…お母さんなのか?

…え?




医者と患者の関係は殆どお金で繋がっている関係に近い。
それでもこうして私の心身について親身になってくれる存在はありがたい。
限られた時間で全力で包み込んでくれるクマ医師。やはり母の愛に似ている。
話をとことん聞いて絶妙な薬の処方をして、患者の人生に寄りそうことができるクマ医師。
そのうち、「NHKのプロフェショナル仕事の流儀」にでも出るんじゃね?

処方変更なし
ゾルピデム酒石酸塩、防風通聖散、ラベプラゾール



次回診察はクリスマスイヴの予定。
久々の「誰かと過ごすイヴ」である。
でも忙しくて疲れているクマ医師にとってはきっと「12月24日はただの12月24日」なのだろう。


早く帰れたのでサイゼリヤに寄った。
今夜は吉熊とじっくり飲みたい気分。
ロゼワインで乾杯だ♪


明日も頑張ろう。