世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

映画「北のカナリアたち」

2012年11月17日 19時26分06秒 | Weblog
午前中、昨日お世話になった病院に行き、消毒をしてもらった。
初めて傷口を見たのだが、黒い縫合糸で縫われたそれを見た途端、ショックでクラっときた。
あと何年生きるか分からないが、この左ひざと余生を送らなくてはいけないのか…。
別に誰にも見せるわけではないのだが、でもやっぱりショックだ。
引きずるように歩いてはいるが、痛みはあまりない。
やっと包帯がとれて防水の絆創膏になったので今日から風呂に入れる模様。よかった。

せっかく早い時間に外を徘徊しているのだから、と映画館に寄った。
観たかった「北のカナリアたち」を堪能。



あらすじ: 日本最北の島で小学校教師をしていた川島はる(吉永小百合)は、ある事故をきっかけに島から出て行ってしまう。それから20年後、東京の図書館で働いていた彼女は、教え子の一人が事件を起こしたことに疑問を抱き、かつての自分が受け持っていた生徒たちに会うため北海道へ向かう。恩師と再会した教え子たちは、それぞれに抱える複雑で苦しい胸中を明かす。(シネマトゥデイ)


甘く見ていたのだが、これがかなり良かった。
ラスト、ノブ君演じる森山未来の演技に泣かされっぱなし。

原作は「告白」の湊かなえ。


北の島の分校で学ぶ雛のような6人の生徒たち。
どの子も純朴で本当に愛らしい。
札幌から赴任してきた「はる先生」(吉永小百合)の指導で、彼らは歌うことの楽しさを知る。透き通った声が涙腺を刺激し、歌声を聴いているだけで涙が出てきそうだった。山下達郎の「クリスマス・イブ」なんて、天使の歌声だった。

それとは裏腹に、子供たちはけっこう残酷だったりする…。
平気で人を傷つけることを言い放つ。
「あの事件」で、はる先生は島を出ていく。


20年後。
最年少のノブ君が引き起こした殺人事件をきっかけにして、ハル先生を軸に再び6人の絆が引き寄せられ、そして20年前に起きた「あの事件」の事実が徐々に判明していく。大人になった6人、真奈美(満島ひかり)、七重(小池栄子)、直樹(勝地涼)、結花(宮崎あおい)、勇(松田龍平)と一人ずつ出会っていくはる先生。


40歳と60歳のはる先生を演じた吉永小百合、あっぱれ。
満島ひかりはNHKドラマ「おひさま」で凄く光っていて気になっていた。
他の役者さんもけっこう上手くて、素直に感動できた。

はる先生を母親のように慕っていたノブ少年。
島を離れるはる先生を「先生、行かないで~!」と追う姿は涙なくしては見られなかった。


大きなスクリーンで見る北の大地、波のうねりがとても迫力があった。
見ているだけで凍えそう。

2時間があっという間。
これぞ東映という安定感も良い。
観客は御年配の方が多かった。


エンドロールは子供たちの歌う「あの青い空のように」⇒「カリンカ」という流れ。
歌も先生も大好きだった子供たちが、その後それぞれの道で出会う大人の現実を意図しているように思えた。



『北のカナリアたち』予告編



コメント (2)

プチツイていない現象の果て

2012年11月17日 01時03分33秒 | Weblog
ここのところ、「プチツイていない現象」が多発していた。
・上野駅でよそ見していた外国人(不良ちっく)に正面からぶつかられた。しかも睨まれた。睨み返したけど。
・ガストに行ったが喫煙席が満席。
・社長に見せなくて良いと思っていた資料がけっこう重要だった。
・まさかの貧血宣告。
・不動産会社の人の応対が悪かった。クレームのメールを送ったが返信なし。
・今日、昼休みに自販機でジュースを買おうと思ったら詰まった。

と、そんな「プチツイていない現象」が続いて、ちょっち落ち込んでいた。

その極め付けが、今日の昼休みの最後に勃発。

昼休み終了前、会社の階段を登っていたところ、まるで漫画のように前のめりで転んだ。
節電で階段が薄暗く、前々から危ないと思っていた。

最初に思ったのは転倒した時に落としたスマホの無事。…OK。
「痛いなあ」と思い、左足の膝を見たら、黒のストッキングが豪快に破けている。しかも血が出ているではないか。切り口がけっこう深くね?

当社の階段は石でできていて、縁取りは御影石製であるからに、スパッと切れてしまった模様。
あまりの痛さにうずくまっていたら、他部署の男性マネージャーが通りかかって私の部署に言ってくれた。
その間、足から吹き出した血が滴り落ちていて、ちょっとした事件の現場っぽくなっていた。
火曜サスペンス劇場@当社。聖母たちのララバイ。

「これは大ごとになるかも」と考えながら、後輩女子に支えられながら着席。
後輩女子2名に手当してもらい、その間、吉熊上司が人事課長に会社周辺のの外科について聞いてくれた。
その間、社長から電話がかかってきてその問い合わせに答えたり、日経平均株価が前日比194円高だったことが気になってしょうがなかったり、脳内パニック。

傷口は貯金箱の穴にように自らを主張し、中から肉っぽいものが「こんにちは」している。
34年生きていて、こんな怪我は初めてだ。激しく動揺してしまう。

「よし、行くぞ」と吉熊上司の運転する車になんとか乗り込み、近くの病院へ。
しかし、外科医がオペに入っていて、ダメだった。
後輩女子Cちゃんが調べてくれたA病院に行くことになった。
「あそこに搬送されると、みんな死んじゃうんだよ!人気が無い病院だからすぐに診てもらえるよ」
とクスクス笑いながら運転する吉熊上司。
…大丈夫なのか?ただでさえも「プチツイていない現象」が続いている私。なんだか、すげー嫌な予感がするんだが。

着いた病院は十仁病院さながらのレトロ感溢れる外観。嫌な予感MAX。
しかも遺体搬送車らしき車が出口から今まさに出て行くところだった。
受付に言ったら、すぐに診てもらえるらしい。…やっぱり!人気ないんだな。
吉熊上司が「終わったら電話しろよ」と言いながら去って行った。超心細い。
待つこと15分。名前を呼ばれて診察室へ。目の前には豪快なオッサン医師。

「転んで傷って言っていたから大したことが無いと思っていたら、けっこうすごいじゃん!!縫わないとな!!」
と、ビニールシートが敷いてあるベッドに促された。

枕の位置が通常とは逆じゃね?と医師が看護師に言っていた。
「そうでしたっけ?」
と看護師。
「まあいいか」
と医師。
素敵なやり取り。
縫合手術の準備をする医師と看護師たちのアットホームな会話を聞きながら、緊張。
私、これからどうなっちゃうんだろう…。まな板の鯉状態で目を白黒させる。
ライトがやけに眩しい。THE手術っていう感じである。

「手術するなんて初めてなんでドキドキしちゃうのですが」
と私。
「僕もドキドキしちゃうよ!!」
と医師。…医師、ドキドキすんな!!!

麻酔は激マジ痛かった。隣の壁に爪を立ててしまう勢いの痛さだ。
縫合手術自体は麻酔がかかっているせいか痛くなかった。ただ、時々太もも辺りの皮膚までも引っ張られる感じがして不快。

しかも
「あひゃ、これさ、筋膜も切れているよ」
と実況する医師。嗚呼、筋膜切れているなう…なのか。

頭上にいる看護師さんに必死でどうでもいいことを語りかけて、気を逸らしていた。
看護師さんによると、後輩女子たちが行ってくれた応急処置が良かったとのこと。
傷口が密着した状態で固定されていたので、傷が広がらずに済んだらしい。ありがとう。後輩女子たち。

手術後、医師に破傷風の注射をしろと言われたが、幼いころ、三種混合をしたので断った。
医師は信じてくれなかったが、母ヨーコたんに電話で確認したら、やはり打っていた。


会計時、吉熊上司に確認したら、休憩時間中の労災は下りないとのこと。
健康保険で賄った。まあ数千円で済んだので良かったのかも…。

吉熊上司の運転する車で帰社。
彼には本当、迷惑をかけてしまった。

社長に報告、周囲に迷惑を掛けてしまったことを謝罪し、仕事続行。経費分析が終わらない。
生足はまずいだろということで替えのストッキングを履いた。痛みはあまり無いが、怖いので痛み止めを飲んだ。
膝が曲げられないので不便。

定時で上がっても良いとのことだったので、上がった。
社長に「もう帰るんデスカ」という表情をされたのだが、見ないふりをした。
他部署の人たちが帰り際、「大丈夫?」とぞろぞろとやってきて、声をかけてくれた。

階段を下ると、石の床には私の血の跡がくっきりと…。
拭いても落ちなかったらしい。

帰りにロビーでI江姐さんに遭遇。一緒に駅まで帰ることになった。ぴょこぴょこ歩く私に速度を合せながら歩くI江姐さん。「もう、亮子ちゃんたらドジなんだから~。心配しちゃったよ~」とか言われた。

家の最寄りの駅から自宅まで、普段の3倍の時間を掛けて帰った。
不便すぎる…。

帰宅後、精神的なショックから布団にうずくまっていたら、そのまま寝てしまったらしい。
今、起きた。
痛みはあまりないが、膝がやけに火照るし脈を打っている。薬を飲んだ。

多くの人に迷惑を掛けてしまったという気持ち、抜糸もきっと痛いのだろうなという不安、土日にどこにも出かけられないという絶望、お風呂はどうしようという面倒臭さ…様々なことが沸々と湧き出でる深夜。


とりあえず、疲れてしまった。
プチツイていない現象がこれで終了すればよいのだが。

コメント (3)