世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

透明な存在であるOLの「東京ラブストーリー」

2012年11月12日 22時49分59秒 | Weblog
社長に、出張を命じられた。
宿泊を伴う出張。
まず思ったのは、ドラマ「東京ラブストーリー」である。

第4話。

喧嘩をしたリカとカンチ。
翌日からリカは出張で苗場へ。
リカの出張を知らなかったカンチ。
当時、携帯なんてなかった時代。連絡が取れない。

やきもきしながらリカの帰りを待つカンチ。
カンチの一週間が「ラブストーリーは突然に」をBGMにして流れる。
営業先や会議で活躍するカンチ。
でもふとよぎるはリカの面影。


1月28日、ついに会社に帰ってきたリカだったが、なぜかカンチをガン無視する。


がっかりするカンチ。
外回りから帰社し、机に着くと、足元に何かが!


箱である。



その箱をそっと開けてみると…



カンチは公衆電話からリカに電話をかける。
でも一声が出てこない。
二人の間には、すぐそばを走る車の音が流れるだけ。

ようやく言葉を発するカンチ。
「会いたい」

答えるリカ
「…うん」


たしか東池袋中央公園で待ち合わせ。

(リカ) 「ただいまカンチ」
(カンチ)「なんだよ。出張行くんだったら行くって一言言えな」
(リカ) 「なんで部長でもないあんたにいちいち断わらなきゃいけないのよ」
(カンチ)「あ、そうかよ、そうかよ。何だ人がせっかく心配してやったのに」
(リカ) 「うーん、心配してたんだ~?」
(カンチ)「だ、だから、ほらあの、胸騒ぎするから」
(リカ) 「病院行った方がいいんじゃない?」
(カンチ)「心臓病じゃない!」


~中略~


(リカ) 「そんなに私のこと好きなんだ。うーん、知らなかったなあ。あ、そう。けどね、あたしの気持ちってものもあるし、そう簡単には両思いにはなんないよ」
(カンチ)「頑張る」
(リカ) 「夜中に寂しい時飛んできてくれる?」
(カンチ)「飛んでいく」
(リカ) 「ヒマラヤのてっぺんから電話したら、迎えに来てくれる?」
(カンチ)「迎えに行く」
(リカ) 「あったかいおでん持ってきてくれる?」
(カンチ)「屋台ごと持って行く」
(リカ) 「ビートリズのコンサート、家で開きたいって言ったら?」
(カンチ)「連れてくる」
(リカ) 「ジョンはどうするの?」
(カンチ)「俺が代わりに歌う」
(リカ) 「魔法使って、この空に虹掛けてって言ったら?」
(カンチ)「それはできないかもしれないけど…」
(リカ) 「じゃ、だめだ」



(カンチ)「でも、魔法だったら使える。」
(リカ) 「どんな?」



リカの唇に自らのそれを重ねるカンチ…。
背後に広がる公園のネオンに包まれ、二人はそっとほほ笑む…。




これですよ、私がOLになろうと思った瞬間は。
これがやりたいが故に地元を離れ上京し、「御社が第一希望です」と言いまくり、運良く今の会社に潜入したのである。



しかし、現実は、カンチなんて、どっこにもいない!

挙げ句の果てには
「あれ?亮子ちゃん、昨日いなかったっけ?」
と言われる始末。
透明な存在であるボクならぬ、透明な存在であるOL…。


でも、大事なのは、本当に「虹をかけられる」かどうかではなくて、「魔法は使える!」と言ってくれる存在がいることだ。

な、吉熊。




とりあえず、出張、頑張ってくる。


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つぶやき

2012年11月12日 22時49分21秒 | Weblog
朝から残業突入時まで忙しかった。
トイレにもいけないぐらい。

新制服の件。
店舗の人たちが選んだ制服が決まったので、ボツになった業者さんにお断りの電話を入れた。
これが気の重い業務で。営業マンの背後にいる自信満々のデザイナーのがっかりっぷりを考えると、もうね。胃が痛かった。

残業後、図書館へ。
疲れた体を引きずり、喫茶店でご飯。

前の席でどこかの警察学校の男の子とその先輩らしき男性がいた。
彼らの会話が聞こえてきた。

後輩の男子が言う。「こんなに厳しい世界だとは思わなかった」と。彼は母子家庭。家賃二万円の家に住んでいる。早く働いて母親を楽にさせたいらしい。
警察学校で勉強できて、お金ももらえて、こんなにいい境遇なくね!?と意気揚々と、警察学校に入った。しかし、軍隊みたいな日常に少し疲れてしまったんだそうな。こんなんだとは思わなかったと坊主頭を項垂れていた。

先輩はそんな彼の愚痴や不安を優しく聞いていた。先輩も先輩で、親戚に公務員のキャリアがいて、その存在が気になると言っていた。

「先輩と話せて良かったっす、自分」
後輩男子の清々しい笑顔を見て、この国もまだ捨てたもんじゃないと思った。