世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

明日、春が来たら

2006年03月23日 22時25分04秒 | Weblog
会社前の公園に根を張る桜の木々も、いよいよ開花間近。

蕾から花へ。

公園脇を通過する度に、力強い生命の鼓動が聞こえてきそうだ。

春、そして桜といったら、松たか子である。
彼女の歌う曲には桜や春に因んだものが多い。
自身の出演している映画「四月物語」も題名通り、春を題材にしている。
大学入学で上京した女子が、四月の空気の中で瑞々しく描かれている。

松たか子の春ソングで一番好きな曲、それはデビュー曲「明日、春が来たら」である。

学生時代のドキドキした思い出を、春の淡い光の如く綴った歌。

言えなかった「I LOVE YOU」
明日、春が来たら…この想いを届けよう。
あの思い出の日々が「永遠の前の日」だと信じて…。

要約すると、そんな歌詞。
青春だねぇ。
眩しいぜ。
目がくらんで、マックロクロスケが発生しそう。

しかし、なんで学生時代って、あんなにモジモジしていたんだろう。特に恋に関して。
好きなら「好き」とか言ってしまえば良かったのに。

今の私、社長や上司に自分の意見を晒すことはあまりない。
「そうですね」「そのように致します」を繰り返している。
意見を求められた時は、相手の言って欲しいことを先回りしてでの「私の意見らしきもの」を、声帯を震わせて発しているだけである。

私の言葉であって、私の言葉ではない、不思議な言語を操るカラクリ人形…。

思春期の告白と仕事上での会話は対極に位置するぐらいかけ離れている。
しかし、自分の気持を曝け出すことのリスクは、今よりずっと少なかったのは歴然だ。
そこが学生と会社員との差なんであるが。


…それにしても言えなかった、当時は。
言えなかったんだよねー…、いろんなことが。

言っていたら今、違う私を生きていたかも…などと思うのは、今の季節が春だからだろうか。

「明日、春が来たら 君に会いに行こう~♪」

カラクリ人形の私が今一番会いたいのは、自由な発言権を有しているのにも関わらず、モジモジしていた学生時代の私なのかもしれない。

会って、背中をそっと押してあげたい。


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