晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

パトリシア・コーンウェル 『女性署長ハマー』

2013-02-20 | 海外作家 カ
この作品は、パトリシア・コーンウェルの「検屍官ケイ」シリーズの
合い間に、といいますか、別の作品でして、この『女性署長ハマー』
で3作目となるのですが、まあ講談社文庫さんも紛らわしいといいま
すか意地悪といいますか、「検屍官」シリーズと同じ青の背表紙で
出版順の番号に混じっていて、表紙の構図も同じ。「ハマー」シリーズ
の第1作「スズメバチの巣」は、はじめてっきり「検屍官」シリーズ
かと思って読み始めたら違ってビックリしたものです。

まあそれはさておき、登場人物のジュディ・ハマーはリッチモンド市の
警察署長で、今作からはバージニア州の警察署長に。

ところでケイ・スカーペッタはバージニア州の検屍局長ということで、
このふたり、地位のある独身女性という”共通点”があって、まあ
境遇は違うんですけど。で、前作では名前だけ出てきましたが、今作
ではケイががっつりと登場します。

バージニア州の警察署長に就任したハマー、はじめは記者として警察の
捜査を取材していたアンディ・ブラジルも”本物”の警察官になって、
同じくバージニア州警察に移動します。

ここ最近、連続して起こっている殺人事件。どうやらその犯人一味の
ボスは、前作で逮捕された悪ガキのスモーク。スモークは刑務所を
脱獄して、今作ではそのスモークの”彼女”が登場。
「ユニーク」と名乗るまだ10代の女性は、外見こそ可愛らしいのですが、
考えてることは悪魔といいますか、感情が悪魔に支配されています。

さて、ブラジルはというと、「トルーパー・トゥルース」というペンネーム
を使って、ウェブ上で州警察のコラムを書く事に。これは署長のハマーしか
しらない秘密事項。
このコラムが大反響になって、ハマーのことを面白く思ってない州知事は
コラムを拡大解釈して、どういうわけかハマー失脚のシナリオを描こうと。

ところが、そんな中、体に「トルーパー・トゥルース」と傷の掘られた
女性の死体が見つかって大変。もちろん犯人はブラジルではなく・・・

スモーク一味は、ハマーの愛犬を盗んで、手下のポッサムは犬の世話を
しているうちに情がわいてしまい、犬を無事に返そうとします。

はたして、警察はスモークとユニークを捕まえることができるのか。

けっこう話があっちこち飛んでごちゃごちゃしている印象で、ましてや
「ハマー」シリーズは第1作から読まないとわかりにくいですね。
文中のコラムはアメリカに関する雑学がふんだんに盛り込まれていて、
面白いですね。
ところで原題の「Isle of Dogs(犬の島)」とは、タンジール島のことで、
「検屍官」シリーズでも登場します。島民の数は少なく、カニが名物の、
一種独特の”文化”が育まれてきたのですが、それがこの作品の不思議さ
のアクセントになっています。

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