晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

ジェームズ・レッドフィールド 『聖なる予言』

2009-11-05 | 海外作家 ラ・ワ
『聖なる予言』は、いわゆるスピリチュアルを扱う小説として
アメリカで大ベストセラーとなりました。
たんに、こうすればあなたは幸せになる、のような説教主体
ではなく、海外で騒動に巻き込まれる主人公が順番に予言
を知ることになる冒険物語ぽくなっており、アクションもあり、
そういった「読みやすさ」を考えてか、スピリチュアルにあり
がちな胡散臭さはあまり感じられません。

主人公である「わたし」は、独り身でほぼ隠遁生活のような
状態を過ごしていたある日、元恋人から連絡が入ります。
それは、南米ペルーの山奥で古代文書が発見され、そこに
は人間社会が大きな変化をきたすことを予言していることが
書かれており、ペルー政府はどうやらその写本を隠滅させよ
うという動きがあるのです。

この話に心が動かされ、ペルーに向かうことになった「わたし」
は、道中でさまざまな人たちと出会うことになり、写本にある
第一の知恵から第九の知恵までを探します。
しかし、行く手には政府軍やペルーの教会関係がこの写本が
海外に流出することを拒み、写本を研究するグループの活動
を妨害していきます。

はたして「わたし」は無事に第九の知恵まで辿りつくことがで
きるのか・・・

知恵の内容に関しては詳しく書きませんが、要は「偶然の一
致を見逃すな」ということでしょうか。
この世はすべてなんらかの関係性で繋がっていて、そこには
偶然ではなく必然なのだと。
あとは、自分自身をよく見直し、他人との関係も見直し、そう
することによってこの世から争いごとは無くなり、平和になる
といったプロセスがこの写本には書かれていて、読む人によ
っては現代の宗教否定ともとれるので、この物語では、教会の
枢機卿が陣頭指揮でこの写本を隠滅しようとしています。

スピリチュアルとは関係ありませんが、顔の整形手術に賛否
の意見があります。しかし、それまで他人から心ない悪口雑言
を叩きつけられて、自信を無くし、うつむいて生きるだけだった
のが、整形手術によって、前向きで明るく生きる喜びを得て、
満面の笑みになるのは悪いこととは思えません。

不幸に甘んじるよりは幸せに向かって歩き出そう、ということ
でしょうかね。まあなにごとも行き過ぎはいけませんけど。

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