晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

葉室麟 『おもかげ橋』

2021-12-26 | 日本人作家 は

今年も残すところあと1週間となってしまいました。年末年始の予定はガッツリ仕事。年越しは職場で。まあ365日、平日も休日も盆も正月も関係ないような職種なので、年またぎの勤務を任されたというのは上から信頼されてるんだなとポジティブシンキングで。

そういやレコ大も紅白も全く見なくなってしまいました。レコ大が終わって紅白に間に合うのか!?全盛期には会場からNHKホールまで移動車をバイクで追ったりヘリで空から撮影してた記憶があります。都市伝説では白バイが先導して信号がすべて青だった、なんて、今にして思えばどうでもいいことにドキドキしてたもんです。

大晦日の楽しみといえば年越し蕎麦を食べるくらい。そういえば小中学生の頃は年末になるとテレビ誌を買って何を見ようか予定を立ててウキウキしていたものです。バラエティの正月特番と見たい映画の時間がかぶってどっち見ようかなーなんて悩んだりして。そんな時代もあったねといつか話せる日がくるわ。

 

唐突に中島みゆきの「時代」が出てきたところで。

 

江戸、神田にある道場。しかし門弟はひとりもいません。今のところ月に二回ほど旗本屋敷に出向いて稽古をつけるのが唯一の収入という草波弥市。そんな弥市の道場に客が。「喜平治か」そう呼ばれた商人、喜平治は弥市の幼なじみ。喜平治は弥市にちょっとした頼み事があってやって来ます。その頼み事とは、ある人の用心棒をやってほしい、とのこと。誰を守るのかというと、喜平治は「相手は、萩乃どのだ」と言い、それを聞いた弥市、「萩乃どのだと、まさか・・・」と驚きます。

弥平と喜平治はもともととある藩の藩士でした。十六年前のこと、藩内で御家騒動があり、その抗争に巻き込まれた弥平と喜平治は、詰め腹を切らされるかたちで藩を追放されて江戸に出て来て、弥市は道場を開き、喜平治は飛脚問屋に婿入りします。じつは、その抗争でふたりに罪をかぶせたのが、ふたりの上役の萩乃の父だったのです。

萩乃は藩内でも有名な美人で、若い弥平も喜平治も相手は高嶺の花だとは知りつつも淡い恋心を抱いていました。ふたりが江戸へ出て、萩乃は結婚します。

ところが、十六年前の抗争で敗れた、かつて藩を牛耳っていた人物が藩に戻って来て暗躍しているというのです。ふたたび抗争が起こるのか。萩乃の夫は、江戸に向かう途中で行方不明になります。その夫を探しに萩乃は江戸まで出てきたというのですが、いくらなんでも無謀だということで、喜平治の家の別邸が江戸郊外の高田村にあるので、そこで匿うことに。

さて、用心棒を引き受けた弥市ですが、萩乃は前と変わらずキレイなのかなあ、でもあれから十年以上も時がたってるのだし、さすがにオバサンになっちゃってるのかなあ、なんて思いながら萩乃のいる高田村の別邸へ行くと、なんということでしょう、記憶にあった十六年前と変わらない美貌で、なおかつ人妻の落ち着きも備わって、魅力的なレディーになっているではありませんか。

喜平治も、萩乃の変わらない魅力にヤラレてしまってる様子。ではありますが、それどころではありません。飛脚問屋の寄合で、幕府に収める上納金(冥加金)の値上げに関する話し合いで、仕切り役に目をつけられ、難癖をつけられます。これは旧藩の陰謀なのか・・・

一方、萩乃の匿われてる別邸にも怪しい動きが・・・

十六年前の藩内抗争がふたたび勃発するのか。とすると、かつて対抗勢力の親玉をひどい目に遭わせた弥市と喜平治にはものすごい恨みがあるはず。萩乃の夫は無事なのか。

 

萩乃は無意識的に相手を自分のことを好きにさせちゃうフシ、思わせぶりなところがあって、まあ今風にいうと「魔性の女」ですか、それで弥市も喜平治も勘違いしてしまったのですが、はじめのほうこそ「ふたたび三角関係勃発か!?」なんて思ってたのですが、そんなことよりも話は違う方向に進み、かの「高田馬場の決闘」の再現が・・・

タイトルの橋は現在も神田川に架かる「面影橋」として有名ですね。太田道灌の山吹伝説の地、そして於戸姫の伝説。そういえば、山吹伝説は新宿ともうひとつ、埼玉の越生という説もありますね。

さて、年内にもう一冊読んで投稿できますかね。今年最後のご挨拶はちょっと待って。

コメント
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