晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

ネルソン・デミル 『ナイトフォール』

2017-03-06 | 海外作家 タ
最近あまり読んでないなあ、という外国の作品です。

といっても実はこれ、ずっと家の本棚に置いて
あった、いわゆる未読本。
この作品はシリーズ3作目ということで、じゃあ
前の2作を読んでからじゃないといかんわなと、
放置してました。
ですが、それぞれが独立した話になっていて、
これから読んでも差し支えないらしく、そんなら
読みましょう。

1996年7月、ニューヨーク州ロングアイランド沖
で、トランス・ワールド航空パリ行きの便が空中爆発
をして、乗客230人全員死亡という痛ましい事件
がありました。

元ニューヨーク市警の刑事で、現在は連邦統合テロ
対策特別機動隊(ATTF)捜査官のジョン・コーリー
は、妻でFBI捜査官のケイトと車でロングアイランド
に向かっています。今日は、5年前に起きた航空機爆発
事故の追悼式があり、それに出席するのです。

結婚前、ケイトはこの事件の目撃者からの事情聴取を
担当していて、あれから5年、ケイトはどうやらこの
事故に関する政府の公式見解に納得がいってない様子。

追悼式の会場で、コーリーのもとに、FBIのグリフィス
と名乗る男が「この件を蒸し返すな」と、脅しとも取れる
言葉を残します。

ケイトに話を聞いてみると、5年前の航空機爆破は、
飛行中にタンクに引火したという事故調査委員会の
出した「公式見解」ですが、じつは、海中から飛行機
にめがけて(光の筋)が見えた、という目撃証言が
多数あったのです。

この(光の筋)は、爆発して上昇を続けた航空機と、
燃えながら落下した機体の一部が重なって見えた
「目の錯覚」というのが政府の公式な結論なのですが、
ケイトが集めた目撃証言の中には、元空軍兵士で、
(光の筋)を確かに見た、という人までいるのに、
政府の結論はこの可能性を隠そうとしているようなのです。

そうなってきますと、あれは「事故」ではなくて「事件」
なのでは・・・?

さらに、航空機の爆発した時刻に、海岸に「ある男女」が
いたらしく、その2人がビデオ撮影をしていた可能性があり、
これは当時、大掛かりな捜査が行われましたが、この2人は
見つからずじまい。

コーリーはこの件の真相究明に向かいますが、FBI、さらに
CIAまでもがこの件の真相を懸命に隠蔽しようとコーリーを
あの手この手で邪魔します。
いったい5年前に何があったのか。

この話の結末は、コーリーが懸命な捜査で真相を掴み、
それを問いただそうと、証拠隠滅に躍起になってた関係各位
に問いただそうとするところで終わります。
つまり、連邦政府側が「確かな証拠」を見せつけられて
ハハーと土下座しながら「コーリーさんごめんなさい」
これにて一件落着とはなっていません。

ものすごくシリアスな内容なのですが、読んでて思わず
ニヤニヤしてしまう表現があり、中には吹き出しそうに
なるところもあり、それが絶妙な配合で、文庫の上下
合わせて900ページを超える長さでも、読み疲れる
ことがありませんでしたね。

コメント
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