晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

ジェフリー・ディーヴァー 『石の猿』

2011-02-10 | 海外作家 タ
元ニューヨーク市警科学捜査部長、事故によって首から下が麻痺
してしまった、リンカーン・ライムのシリーズ第4作、前作の
「エンプティー・チェア」では、麻痺状態を手術で治す方法を
医師と話し合うためにニューヨークから南部の病院に出かけて、
そこである事件を解決する”ハメ”になってしまったのですが、
『石の猿』のオープニングから、あれから手術をして云々という
部分は無く、相変わらず麻痺状態でベッドに横たわり、介護助手
のトムをあごで、もとい「あごで使うような口調」で使いまわし
ます。
しかし、恋人でニューヨーク市警鑑識のアメリア・サックスの
心情描写で、医師とアメリアとの会話が文中の合い間合い間
に出てきて、成功率の低い手術をライムが受けるか否か、という
内容以外になにやら”意味深”なやりとりがあります。

物語のスタートは、中国の犯罪組織「蛇頭」の手引きでロシアから
アメリカへ不法入国しようとボロ船に乗り込み大西洋を横断して
いるところから。

この船の船長が、「蛇頭」のメンバー、通称”ゴースト”にある
事を告げます。それは、どうやらアメリカの沿岸警備に追われて
いるらしい、というもの。
何者かの密告か、それとも裏切りか?ゴーストは思い切った手段
にうって出ます。それは船を爆破して、逃げるのです。
しかし、狭い倉庫に押し込められた不法移民たちは閉じ込められた
ままで、彼らは必死で倉庫から這い出します。

一方、ロシアから移民を運ぶ船が大西洋を横断していると先読み
していた移民帰化局とFBIの捜査陣は、突然の船の爆破に驚き
ます。
緊急用のゴムボートで逃げるゴーストは、船から逃げようとして
いる移民たちを殺そうとします。なぜなら、彼らは自分の顔を
見てしまっているから。しかし全員を始末するほど時間はなく、
さらに、上陸地点で待っているはずの「蛇頭」の仲間は、逃げて
しまったのか見当たりません・・・

命からがら上陸した不法移民の数人は、とりあえず行く当ては
ニューヨークと決めて、教会に置いてあった小型バスを盗みます。
上陸地点で待機していた警察とアメリアは、捜査を開始。かろう
じて生きていた移民を助けます。

そこから、ゴーストの移民者殺害がはじまるのです。まずはじめに
自分を裏切って上陸地点から消えた仲間を殺害。
そして、どうにかこうにかニューヨークにたどり着いたと思われる
ふたつの家族を全員”始末”しよと探し出します。
それを食い止めようとゴーストの行方を探すライムのチーム。
しかしライムたちは、大都会の雑踏に紛れ込んでしまった中国人家族
の行方を知らないので、彼らに逃げろと伝えることもできず・・・

ライムの捜査チームに、この船の移民たちに紛れ込んでいた中国の
公安局刑事ソニー・リーが加わります。はじめは中国の”迷信”の
たぐいをライムに教えたりして煙たがられます(部屋での喫煙も
咎められます)が、次第にライムとの距離も縮まってゆきます。

しかしこのシリーズ、またもや「ええっ、これで終わりじゃないの?」
と驚かされます。読み始めたら止まりません。
コメント
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