Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

論文は永遠に残る

2006-09-13 13:06:32 | Weblog
ある論文を一瞥して唖然。技術的におかしな手続きが堂々と弁護されている,参照している論文の著者名が取り違えられている…その分野の専門家が見れば一目でわかる誤りばかり。思わず,誰が査読したのか問いたくなる。

論文誌は半永久的に保存される。だから,下手なことを書くのは,本人にとってもヤバイはずだ。誤植や計算ミスならご愛嬌だが,議論の重要な部分を誤魔化したり,原著を読んでいないことがミエミエの参照をしたりしていると,好ましくない印象が記録されてしまう。

査読に対する査読,査読者の審査も必要かもしれない…しかし,そんなことをしたら,誰も査読を引き受けなくなって,論文誌が発行できなくおそれがあるだろう。こういうジレンマに陥った学界は,早晩衰退するしかないのだろうか。

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2 コメント

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Unknown (ウル母)
2006-09-15 04:32:42
「ある論文」で済ますのではなく、

研究者として、きちんと当該論文名を記載し、

内容の誤りを指摘して論評すべきじゃないでしょうか?

実名blogなのだし。

ただの批判でないレベルに昇華させる方が建設的だと思うのですが。
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弁解 (mizuno)
2006-09-15 10:14:59
そうですね…

ただ,内容や方法の妥当性をめぐる見解の相違ならオープンに「批判」する価値があると思いますが,ばれたら恥かく類の基本的作法の場合(あたかもズボンのチャックを開けたまま街を歩いていました,というような),個人攻撃になるので,個人名,論文名をあげるのは避けました。他にも理由はあるのですが,この場では伏せておきます。

個人的に親しい間柄なら「あれはまずいんじゃない…」と直接いえるのですが。ただ,どちらかといえば,著者以上に学会(界)や査読者に責任がある,というのが真意です。また,こうしたことを書く以上,そういうあんただって…という批判は甘受しなくてはならないでしょうね。
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