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Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

なぜ消費するのか?

2008-10-21 23:55:33 | Weblog
朝,大学の前で胃部レントゲン検査。それから健康診断に行こうとすると,男性は午後からだという。それが終わるまで食事がとれない。午後からは委員会があり,夕方になって初めて食事をとる。駅前のゴーゴーカレーへ。研究室に戻って「サービス」のデータを分析していると,あっという間に夜10時。退館の時間だ。深夜残業が許されないことは生活の健全化には役立つが,来週のイベントに間に合うか,心配になる…。

今日届いた本。消費の動機研究をテーマにした論文集だ。全体に「ポストモダン」学派の色彩が濃いが,正統派の消費者行動研究者も寄稿している。

The Why of Consumption: Contemporary Perspectives on Consumer Motives, Goals and Desires (Routledge Interpretive Market Research Series)

Routledge

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最も興味深いのは

Luce, Bettman, & Payne, Minimizing negtive emotion as a decision goal: investigating emotional trade-off difficulty

だ。Bettman や Payne が唱えてきた,属性間のトレードオフ(コンフリクト)が認知コストを高め,限定合理的なヒュースティクスを使う,というモデルが,情動という要素を加味することでどう発展するのか。現在進行中の「脳」研究とも関連するかもしれないので,気になるところだ。さらに,以下の論文も。

Kardes & Cronley, The role of approach/avoidance asymmetries in motivated belief formation and change

接近/回避パラダイムはプロスペクト理論と関連すると思うのだが,参考文献にそれらしい引用はない。そういう話じゃないのかな…。いずれにしろ,脳神経科学とは結びつく。この本のなかで唯一数学的記号が出てくる論文が,

Brownstein, Sirsi, Ward, & Reingen, Lattice analysis in the study of motivation

社会ネットワーク分析をマーケティングに導入したことで有名な Reingen が著者に名を連ねている。他にも面白い論文があるかもしれないが,まず目についたのが上の3つだ。なぜ消費するのか,この問いは当然,「選好の進化」というテーマとも結びつくだろう。

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