Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

森川町食堂から師弟食堂まで

2010-11-12 10:46:53 | Weblog
『荷風!』Vol. 26 で「東京の大学町」が紹介されている。具体的には,本郷,早稲田,三田,駿河台,西池袋などである。最も扱いが大きいのは「本郷」だ。東大のキャンパス自体が歴史的建造物で満ちている。そして大学の周辺にも様々な名所がある。個人的には,いまは「食堂 もり川」と改名,改装までした森川町食堂が思い出深い。明治時代,その周囲は実際に森川町だったという。しかもその頃,東大の教員の半数近くは,大学周辺に住んでいたらしい。

もう1軒は,「白糸」という居酒屋だ。森川町食堂が指導教官である先生との昼食の場所であったのに対し,「白糸」は研究会のあとの懇親会でよく行く場所だった(人数が増えると,この雑誌には出てこないが「加賀屋」がよく使われるようになった)。最近行っていないが,外から見る限り「白糸」はあまり変わっていないようである。その後この研究会の座長を継承された先生は「チムニー」がお好きである。なお,本郷界隈の飲み屋は減少傾向にあるらしい。

荷風 !
2010年 12月号 [雑誌]
日本文芸社

早稲田の周辺に関する記事もかなり多い。特に「食」に関しては,早稲田はかなりいい環境にあるようである。ただし,ぼくはそのあたりを訪れたことがほとんどないので,知っている店は全くない。一方,早稲田に比べ,慶應の周辺・三田に関する記事は少ない。この対照は興味深い。慶應の周辺に大学町が出来なかったのは,豊かな家庭の子弟の多く,銀座や六本木に遊びに行ってしまうからか・・・それとも同じ大学の仲間でつるむのが嫌なのか(三田会の話を聞くと,そうは思えないが)。

さて,わが駿河台はどうか。登場するのはやはり姉弟食堂だ。明大 OB のみならず,浪人中にお世話になったと語る人は多い。姉弟食堂の成り立ちを知ると,明治法律学校に食うや食わずで通学していた苦学生たちのパワーが偲ばれる。当時の大学の運動会で,生きた豚を叩き殺して食材にする競技まであったというから,何と「肉食系」だったことか。現在,姉弟食堂は名前を変えて,高層ビルの17階のこぎれいな学食になっている。明治大学は今年130周年を迎える。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。