Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

2013年を私的に振り返る

2013-12-31 18:39:01 | Weblog
昨年の回顧や今年の抱負を振り返ると、ほとんど研究が「進捗」していない・・・とはいえ、わずかに進んだ部分を、ここに記録しておこう。

昨年参加した WCSS2012 で発表した"How Consumer-Generated Advertising Works" が post-proceedings に選ばれ、査読を受けて論文を書き直した。最後の難関が Springer 仕様の LaTex への変換だ。専門家や編集者の手を煩わせて何とかなったが、今後に残された課題である。

エージェントベース・モデリングの研究はそれ以降、進んでいない。しかし、さる先生の推薦を得て、その Springer で、エージェントベースの消費者モデルについて単著を書くことになった。Word か Tex を選べるようだが・・・現時点では、Tex に再挑戦する気概でいる(先のことだから?)。

今年、JIMS や INFORMS で発表したのは、阿部誠、新保直樹両氏と行っている Detecting Influential Consumers in the Twitter Network の研究である。阿部先生の力でモデル推定に進展があったので、自分としては、シミュレーション研究へと発展させたいと思っているが、はてさて。

冬の JIMS では、JST-RISTEX のプロジェクトの一部として、金融サービスにおける顧客生涯価値と顧客満足の関係分析について報告した。そこで受けたコメントや忠告を、心に刻みたい。それにしても、今後発表する場で、然るべき研究者から評価されるには、どう研究を進めるべきか?

出版という点では、以前に構造計画研究所の方々と行った研究をまとめた「Twitterを用いた顧客とのコミュニケーション:対話と拡散」という論文が『オペレーションズ・リサーチ』8月号に掲載された。査読付ではないが、論文として発表する機会を得たのはありがたきこと。

何年か前、高田博和、Ling Bith-Hong 両先生と寄稿した Handbook of Research on International Advertising が、実は昨年出版されていることを今年になって知った。献本されたのは第一著者だけのようで、つい最近まで気づかなかった。この本の値段が高いとはいえ残念・・・。

Handbook of Research on International Advertising
Shintaro Okazaki ed.
Edward Elgar Pub

われわれの担当章 "Analysis of the Relationship between Advertisers and Advertising Agencies in the Global Market" は、以前、吉田秀雄記念事業財団の助成で行った研究がベースになっている。当時を思い出しつつ、自分もいろんな研究をしてきたなぁ・・・と思う。

今年脱稿、出版の予定だったマーケティング入門書の執筆は、結局年を越してしまった。最近、出版社の方からの督促がなくなった・・・ことを思うと、一抹の不安が頭をよぎる。ともかく、この正月には「できる限り」仕上げたい。他にも一つ大きな宿題があるが、それは秘密ということでw

他に何か成果を収めていないか、何か忘れていないかと思いを巡らすが、何も思い浮かばない。こんなペースではダメだと、毎年思うことを今年も思う。個人的には、カープの16年ぶりのAクラス、前田智徳選手の引退が一大重要事であった。来年の抱負は、やはり年初に書くことにする。