今年出版されたマーケティングの教科書に、久保田 進彦、澁谷 覚、 須永 努『はじめてのマーケティング』がある。新たに有斐閣から出る教科書シリーズの一冊で、「考える力を養う」ことが狙いという。確かに、基本的知識をもれなく供給するタイプの教科書とは違った趣きになっている。
1つの特徴は、コンパクトでありながら、ケースが豊富に盛り込まれていること。それでいて、理論的考察を重視していること。たとえば冒頭で、顧客志向、市場志向、創造的適応といった概念を、最新の研究を引きつつ論じているあたりに、本書の個性が表れていると思う。
これを教科書として用いる場合、教員にとって一見コンパクトで便利そうに見えるが、その基盤にある議論をきちんとカバーするには、かなりの勉強が必要とされる。そのための参考文献がきちんと書かれており、教員に勉強を強いるという意味で教育的な教科書といえかもしれない。
さて、実は自分もまた、マーケティングの入門書的なるものを執筆中であったりする。優れた入門書・教科書が出るたびに、自分にこれ以上のことができるわけがないと自信を失い、あらぬ方向で差別化を考えてしまう。その仕事が遅れに遅れて、この冬休み最大の宿題になっている。
![]() | はじめてのマーケティング (有斐閣ストゥディア) |
久保田 進彦、澁谷 覚、 須永 努 | |
有斐閣 |
1つの特徴は、コンパクトでありながら、ケースが豊富に盛り込まれていること。それでいて、理論的考察を重視していること。たとえば冒頭で、顧客志向、市場志向、創造的適応といった概念を、最新の研究を引きつつ論じているあたりに、本書の個性が表れていると思う。
これを教科書として用いる場合、教員にとって一見コンパクトで便利そうに見えるが、その基盤にある議論をきちんとカバーするには、かなりの勉強が必要とされる。そのための参考文献がきちんと書かれており、教員に勉強を強いるという意味で教育的な教科書といえかもしれない。
さて、実は自分もまた、マーケティングの入門書的なるものを執筆中であったりする。優れた入門書・教科書が出るたびに、自分にこれ以上のことができるわけがないと自信を失い、あらぬ方向で差別化を考えてしまう。その仕事が遅れに遅れて、この冬休み最大の宿題になっている。