Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

2010年の折り返し

2010-07-09 10:55:37 | Weblog
7月。今年もすでに半分が過ぎたことになる。1月に当ブログに書いた「抱負」を見直しながら,現状を確認してみたい。毎度のように挙げている論文投稿の目標のうち

 iPhone の普及と情報伝播を調べた研究

は JIMS の論文誌「マーケティング・サイエンス」に投稿,現在審査中である。

 消費者間の情報伝播に関するシミュレーション

は,ネガティブなクチコミを考慮した普及モデルとして定式化した。 WCSS2010 に向けて予稿を送り,採択された。9月の本番に向けてどれだけ上積みが可能か・・・。その他早く発表したい研究に以下の4つがある:

 クリエイティブな仕事の志向が消費行動に与える研究
 クルマのブランド戦略と技術開発に関する研究
 消費者の「予測能力」をフィールド実験で検証した研究
 インフルエンサーを実購買データから発見する研究

ただし最初の研究は追加データの分析,最後のものはアルゴリズムを変えた再分析が必要となる。これまた毎度述べていることだが,データの鮮度が重視されるのが最初の研究だ。優先度を踏まえ順次,論文にしていきたい。

 インサイト獲得に関するクリエイターインタビュー

は現在,取材先でチェックいただいている。OK が出たらディスカッションペーパーあたりにしたい。本来,取材を継続拡大していきたいのだが,時間的余裕がない。まず,現時点での研究をまとめて,批判を仰ぎたい。

今年になって新たに助成をいただくことになった研究もある:

 アフィリエイト広告の効果と管理に関する研究
 ロングテール・ビジネスモデルに関する研究
 エージェントベースモデルを用いた CRM の研究

最初のテーマは基礎的なデータ収集からスタートする。2番目は,せっかくいただいたデータが使えなくなる事態が繰り返されており「呪われた」研究といえる。しかし,興味を持っていただいている方のために頑張ろう。

他にもいろいろあるが,時代のスピードを考えると,Twitter の研究なども優先順位が高くて当然である。情報伝播と普及の研究の延長線上として,あるいはもっと基礎的な実証研究として,何らかの成果を挙げていきたい。

こう書いてくると,最新の話題を追いかけているだけのように思える。もっと基礎的な研究に回帰することも考えないと・・・