Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

サンタフェという記号

2007-03-11 02:18:52 | Weblog
今週は刺激に富んだ週だったのか,書きたいことがいくつもある。サンタフェ研究所に関係する話題が,全く無関係なところで2回出た。一つは,日本でもいつかそうした革新的な知的フォーラムを創りたいという夢が語られた。もう一つは,サンタフェ研究所を可能にしたのは,大学・研究機関への寄付が「得になる」米国の税制だという話。

いずれの研究者にも共通するのは「(もっともっと)面白いことを一緒にやろう」と熱く語ることだ。そう呼びかけられているうちが花。というより,自分でそういう場に出かけていき,自らそう語らないと。ジャムセッションへ!

技術者の話に聞き惚れる

2007-03-11 00:21:17 | Weblog
優れた技術者は,技術の話になるととまらない。そして経営幹部までいった技術者は,現場で多くの人々を動かし,大きな組織を動かしてきた人だから,説得力のある話し方をする。巧みに比喩を使い,その技術がいかにエキサイティングかを滔々と語る。

こうした人たちが,定年後,小中学校に行って技術の面白さを語れば,理科離れなどなくなるのではないか。幻想かもしれないが,昔はそうした市井の人がいっぱいいたように思う。ワインのウンチクは語れなくても,自分の技術のミクロコスモスを語れる人。

某上場企業で役員までいった技術者の叔父を思い出した。彼は何事も噛んで含めるように理路整然と話す人だった(存命なので過去形ではない)。父はそれに比べるとしがない技術者だったが,ぼくが幼い頃,自然や地理について該博な知識を持つスターだった。父が描く設計図のような絵,謄写版の見本のような字が好きだった。

それはともかく,工学の技術者に限ることはないかもしれない。マーケティングや広告の世界にも,同じようなマイスターがいるに違いない。ことばで煙に巻くのではなく,明晰なロジックをわかりやすく伝える「技術者」。自分は前者タイプなだけに,後者には頭が上がらない。