HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

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一つだけ何か足りないとしたら

2011-09-04 19:31:38 | ROCK

待望のビーチ・ボーイズの「SMILE」が11月にリリースされることが確定したようだ。

近年の、この手の再発によくあるパターン通り、幾つもの形態でリリースされる。
一番高価なのは全世界限定10セットの、メンバーのサイン入りボックスにサーフボードが付いたもので
5999.99$。もう、笑うしかないが、何でもかんでも買うマニアは、これもターゲットにせざるを
得ないのだろうか。
Tシャツ付きや、サイン入りリトグラフの付いた2CD仕様もあるが、これらはビーチ・ボーイズのHPで
購入が可能。

私は米amazonで、5CD+2LP+2枚の7インチが収録された所謂『コレクターズ・ボックス』を
オーダーした。収録内容をみると、楽しみなことは楽しみなのだが、得体のしれない恐怖が襲ってきたのも
事実。その恐怖とは・・・。
ビーチ・ボーイズの有名なブートレグにUNSURPASSED MASTERSシリーズがあったのだが、
そのシリーズのVOL.15からVOL.18までが、スマイル関連のものだった。仮想スマイルを想定して
作られたVOL.16はともかく、他の3種は関連セッションをこれでもかと詰め込んだもので、VOL.15は
CD3枚に渡って『GOOD VIBRATION』1曲のセッションが収録されている。
マニアには堪えられないのだろうが、ここまでくると私には拷問にも等しい内容で、正直なところ
聴いていて、それほど楽しいものではなかった。

今回はメンバーが、多くのテイクから選び抜いたものが収録されているだろうし、音質も当然ながら
比べ物にならないだろうから、少しは気が楽なのであるが。(笑)

気になるのは、そもそも「SMILE」は1枚物のLPを想定していたはずだが、今回発売されるCD1枚物の
スタンダード盤はそのまま、『コレクターズ・ボックス』の2LPと同じ内容になり、そうするとボーナス・トラックを
除けば、1枚物のLPではなく1枚半に及んでしまうということだ。
収録時間は短くても、LP1枚の尺でメンバー公認の『SMILE』を実現して欲しかったというのが
個人的な思いだが、今回の大箱の登場の前では、取るに足らない問題なのかもしれない。

今回のスタンダード盤の曲目を見ると、04年に発表されたブライアン・ウィルスンの『SMILE』の
存在を振り返らないわけにはいかない。04年版はブライアンの新録音であったが、あれを更なる
踏み台にしての曲目(当然、新録音ではないだろう)は興味深い。
そして、04年版からも今回のスタンダード盤からも漏れてしまった、『COOL,COOL WATER』に
思いを馳せる。

何はともあれ、到着まで楽しみに待っていよう。

一つだけ何か 足りないとしたら
SMILE SMILE SMILE  花が咲くようなSMILE (スマイル /  THE GROOVERS)

コメント
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