HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

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I'LL BE HOME~カバー・ソング100選への道・その15

2011-05-24 09:43:02 | ROCK

昨日とりあげたティム・ハーディンのアルバム「PAINTED HEAD」にはランディ・ニューマンのカバー
『I'LL BE HOME』が取り上げられていた。実に好きな曲なのだが、ここで今回のカバー・ソングス100選の
更なる「縛り」を書いておく必要がある。

カバーするアーティストは1人(1組)1曲縛りを、今まで当ブログで編んできたカバー集同様適用する。
但し、カバーされる側はその限りではない。本当はチャック・ベリーやビーチ・ボーイズ、T.レックスのカバー集を
編んでみたいと思ったことがあるのだが、どうも満足いく曲がCD-R1枚分も無さそうなのであきらめた。
よって、今回のカバー・ソング100選ではカバーされる側は複数曲が選ばれることを許容した。

ティムの「PAINTED HEAD」は72年のアルバムだが、その1年前に『I'LL BE HOME』を取り上げた人がいる。
それがニルスンだ。掲載写真は70年のアルバム「NILSON SINGS NEWMAN(ランディ・ニューマンを歌う)」。
もう、ジャケットからして最高だ。車を運転するニルスンと後部座席にランディ・ニューマンが描かれた絵が
実に可愛らしく、アルバムの内容を端的に表現している。

ランディ・ニューマンの歌唱が上手いかどうかの判断は聴く人に任せるが、ニルスンの歌唱は素晴らしく
穏やかな中に説得力のある優しさと力強さの両方を携えている。ランディ自身ももピアノでアルバムに参加し、
アルバムに華を添えている。日本盤の『I'LL BE HOME』の対訳を読むと1番歌詞と2番歌詞をそれぞれ男女別の
立場で訳している。それを踏まえて聴くと歌い方の微妙な差異が、男女の立場をそれぞれ置き換えているような
気がしてくるのだが、そう思うとなんとも素敵な気持ちになれる。
ランディ・ニューマン自身のレコードとしては、70年9月(ニルスンのアルバムは2月発売)に録音され翌71年に
リリースされた「RANDY NEWMAN LIVE」が初出で、後に77年の「LITTLE CRIMINALS」にスタジオ録音として
収録された。つまり、レコード化されたのはニルスンの方が早いのだが、ランディ・ニューマンのカバー・ソングとして
100選に選出した。

 ニルスン自身も歌手としてだけでなく、ソングライターとして
優れた曲を書いている。そんなニルスンのカバーで印象的なのがBS&Tの1ST「CHILD IS FATHER
TO THE MAN(子供は人類の父である)」に収録された『WITHOUT HER』。幾分地味な感じのする
オリジナルに対し、この当時冴えに冴えていたアル・クーパーのセンスが炸裂する、お洒落なアレンジで
仕上げられたこの曲もカバー・ソング100選に選出した。
そうそう、プロデューサーのジョン・サイモンの貢献もあるだろう。

このアルバムにもランディ・ニューマンの曲が収録されているが、他にはティム・バックリーのカバーもある。
残りのほとんどはアル・クーパーの曲で、個人的にはこの路線が好きなのだが御存じの通り、アルは
バンド内での独善的態度故にこの1枚でバンドを追い出され、バンドは新ボーカリストを迎えて商業的に成功する。
1ST以降のアルバムもとりあえず何枚か聴いたが、どうやら私の嗜好は1STで終わっているようだ。

今はアーティストの多くが自身のHPを持ち、そこで自身のアルバムを販売している。私もそういったHPを
何度か利用したことがあるが、今年の地震の後に安否を気遣うメールを送ってきたのはアル・クーパーだけだった。
スタッフの教育が行き届いているといえば、その通りでそれだけの話なのだろうが、何となく嬉しかったので、
ここに記しておく。

コメント (2)
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