HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN - 77

2011-05-05 17:59:29 | ROCK

ジェニア・レイヴンのアルバムで一番良く聴いたのは、彼女の2枚目のアルバムで73年に
発表された「
THEY LOVE ME , THEY LOVE ME NOT」。理由は単純にストーンズ所縁のバック・
ミュージシャンが多数参加しているのと、プロデューサーがジミー・ミラーだから。

ジュニアの音楽遍歴は迷走と言っては失礼だが、なかなか一筋縄ではいかないところがある。
バンド時代やクライヴ・デイヴィスの思惑通りの成功を収めなかった1STはともかく、ジミー・ミラー一派の
人脈を駆使して傑作を作ったのだからそのままの路線で行くかと思えば、イアン・ハンターや
ルー・リードと接近し、別の路線のアルバムをつくる。生粋のアメリカ人でなくポーランドからの移民で
あるという生い立ちが、スワンプにどっぷり浸かったままでなく、次のステップを容易にしたのかも
しれない。

掲載写真はジュニアの3枚目のアルバム「GOLDIE ZELKOWITZ」。これはそのまま彼女の
本名で、アルバムには「GENYA RAVEN」の名前は、ハーモニカ担当としてクレジットされているだけだ。
それなりに成功したが自分の出自を忘れたわけではないと、このアルバムを捧げた父親を思って
本名でリリースしたと言われているこのアルバムは前作を踏襲した好盤で、ここにも素敵なカバーが
収録されている。

オールマン・ブラザーズ・バンドの名曲『WHIPPING POST』がそれだ。この手の曲のカバーをギタリストが
メインのバンドやギタリストのソロ・アルバムでなく、女性ボーカリストが採りあげたというのが肝だ。
このバージョンにもギター・ソロは勿論あるのだが、メインはジュニアの歌唱だ。クライヴ・デイヴィスが
次のジャニス・ジョプリンを目論んで彼女と契約したのも納得のいく熱唱故に、「カバー・ソング100選」に
これを使用することにした。このアルバムにはダニー・コーチマーがギターで参加しているが、
ここでのソロが彼のものかどうかは私にはわからなかったが、私には大した問題では無い。

ジュニアは78年にリリースされた、ルー・リードの傑作アルバム「STREET HASSLE」にコーラスで
参加している。
タイトル曲のコーラスは、重厚な曲の雰囲気を演出するのに重要な役割を果たしている。
もっともジュニアが歌っているのは、タイトル曲では無く『I WANNA BE BLACK』かも知れないが。(笑)

 

タイトル曲中で聞ける朗読でスプリングスティーンは自身の有名な歌詞を捻って、こう呟いている。

TRAMPS LIKE US, WE WERE BORN TO PAY・・・・・


コメント
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