HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN - 76

2011-05-04 09:09:51 | ROCK

ロックを聴き始めたばかりの頃は、ママス&パパスのようなグループは愚かにも軽視していた。
映像を見ても楽器を演奏しているのはギターのジョン・フィリップス一人だけだし、個人的には
失礼ながら女性として絶対あり得ないタイプのママ・キャスがいるし。しかしながら、経験値が
上がるに連れて『夢のカリフォルニア』は大好きな曲になるし、各人のソロは購入するしマグワンプスの
CDが出れば喜ぶし、と変われば変わるものだ。

日本のロック・ファンの大多数が持っているであろうママス&パパスのイメージが、どんなものかは
私の推測の域を出ないが、大人しいポップ・グループというものではないだろうか。
ところが、その実は違うかもしれないと思ったのはTVで再放送されたり、DVDになったテレビ番組
「エド・サリヴァン・ショー」を見てからだ。

割と固い番組の古いタイプの司会者エド・サリヴァンとのやりとりの端々に、若者が古い世代を
皮肉ったり軽くからかったりするような場面があったこともそうだが、67年放送の映像で
『CREQUE ALLEY』を演奏する前にママ・キャスが「テープを流して」と言ってメンバーが笑い転げて
しまう場面がある。リップシンクと判っていても皆がそれなりに生演奏のように当て振りするのが
当時の音楽番組なのだが、露骨に「テープを流して」と言うのはなかなか言えない言葉のはずだ。

最高なのはグループ崩壊直前の68年6月放送の『I CALL YOUR NAME~CALIFORNIA
DREAMIN'』だ。ここではミッシェル・フィリップスがマイクを放棄しバナナを食べ始める。
この2曲の最中にミッシェルは計2本のバナナの皮をむいて口に頬張り、最後はバナナをマイクに
見立てて口パクをするのだが、これをセクシーだと思った私は頭がどうかしているのか?。(笑)
棒つきキャンディーを舐めさせられて、後にその真意を知りショックを受けたフランス・ギャルより
私はミッシェルの奔放さを愛する。

ミッシェルは男が言い寄らずにいられないタイプの女性なのかもしれない。ママス&パパスから
追放された原因はデニー・ドハーティとの不倫にあった訳だし。そういえば故デニス・ホッパーとも
1週間ほど(笑)結婚していたこともある。

ママス&パパスのメンバーの中でソロ・アルバムを出すのが一番遅かったのが彼女なのだが
美貌を活かして俳優業にも精を出していたからというのが、その理由だろう。77年にリリースされた
「VICTIM OF LOVE」は1曲を除きジャック・ニッチェのプロデュースによるアルバム。
1曲だけミッシェル自作の曲があるのだが、その曲だけかつての夫であるジョン・フィリップスが
プロデュースしているのが面白い。HIP-Oから2005年にリリースされた同アルバムの拡大版には
多くのボーナス・トラックが収録された。75年のシングルと同年に録音されるものの未発表に終わった
8曲のプロデュースもジョンだ。ジョンは74年にその当時の妻であるジュネヴィエーヴ・ウェイトの
アルバムのプロデュースをしているのだが、ここらあたりの男女関係の機微は他人にはわからない
ものがあるのだろう。因みにジョンとジュネヴィエーヴは85年まで夫婦であった。

これ1枚しかアルバムが無いのが意外な気がするが、素敵なジャケット写真がその想いを
更に強くさせるのであった。

コメント
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