09年1月の当ブログで「85年の俺はきっと殺伐としていたのだ」なんて書いたのだが、この年は
ロック少年(そう、最後の10代だった)の私をわくわくさせた2枚のシングルが出た年でもある。
掲載写真左はデヴィッド・ボウイとミック・ジャガーによる「DANCING IN THE STREET」。
ライヴ・エイドのための企画でイベント当日にビデオが流された時は、明らかに時間をかけていない
半ばやっつけ仕事的な映像であったにも関わらず、その格好良さに興奮したものだ。
ステージの延長のような自然体のミックと、幾分芝居がかったボウイ様。何となくボウイ様に
分が悪いように感じたのだが、今映像を見てもその印象は変わらない。
当時はビデオ・デッキを所持していなく、「ああ、デッキ買わなきゃ。それよりも、今度は何時この
ビデオを見られるのだろう。」なんて思ったものだが、今ではミックもボウイ様もこの映像を商品化している。
おそらく一度だけだと思うが当時のMTVで、音は普通にオフィシャル・レコーディングされたものだが
映像はメイキング・シーンというビデオも流れた。ボウイ様が飛び出すタイミングを測っていたり、
階段から飛び降りた後の着地のシーンとかがあったように記憶するが、もう一度見たいものだ。
掲載写真右はジェフ・ベックとロッド・スチュワートによる「PEOPLE GET READY」。ジェフのアルバム
「FLASH」には心底がっかりしたのだが、この曲は別格で「いいなあ」と思った曲でもある。
ジミー・ホールとロッドの優劣は比べるまでもなかったし、ジェフ・ベック・グループ以来の邂逅というのも
なんとなく素敵な気がしたのだ。この曲もプロモ・ビデオが良かった。貨物列車に乗ったジェフが
降り立った田舎の駅にロッドがいる、というのはセピア・トーンの映像ということもあって演出が
『白々しくも美しい』ビデオだった。『美しくも白々しい』のでないことは、お間違いなきよう。
そういえば、この2枚以前に胸ときめいた大物の出会いといえば、クイーンとボウイ様の
「UNDER PRESSURE」があった。その曲の印象が今回取り上げた2枚に比べて、今の私の記憶に
印象深く残っていないのは、おそらくプロモ・ビデオにクイーンもボウイ様も登場しなかったことと
無縁ではあるまい。
この2枚のシングルは何れもカバー曲で、それぞれオリジナルはマーサ&ザ・バンデラスとインプレッションズ。
ロック5年生(笑)くらいの私に、ソウル・ミュージックを聴くことを更に促すレコードだったという意味でも
個人的に重要な意味を持つ2枚だ。
この時代のボウイ様とジェフ・ベックのアルバムは、正直なところ私には面白くなかった。その二人、
いやミックも含めて3者に関わったナイル・ロジャースに、未だに良い印象を持てないのは仕方あるまい。(笑)
この2枚を取り出したことで、来年(笑)初頭の100選は「カバー・ソング100選」とすることにした。
勿論、この2曲は選出曲。そして、楽しくもやっかいな(笑)日常は続く・・・。