3月1日に観た『溺れる人』がよかったので、篠原涼子が主演する日本TVのドラマ『anego』を楽しみにしていたが、いよいよ始まった。
主人公の野田奈央子32歳。バブルの時代の最後に東済商事に一般職で採用されて働き始めて11年目を迎えた。バブル崩壊とともに人件費削減をはかった会社は一般職を採用しなくなり、正規の女性は総合職のみ。事務のルーチンワークには契約社員や派遣社員しか採用しない。
日本でも男女雇用機会均等法以降は、法にひっかからない巧妙な男女差別のしくみが出来上がっている。労働組合運動の力は弱く、組織労働者の割合が2割くらいという時代である。職場に直雇いでない労働者がこんなにいるのが当たり前になっているのだなあと思いながら見ていた。私が最近まで働いていた部署は確かに似たような状況があったが、その部署に来る前はほとんどそういう立場の人はいなかったので、異動後に慣れるのに大変だったことを思い出した。
ドラマだから誇張があるのかもしれないが、会社の中での女性差別はかなり露骨である。契約社員や派遣社員はギャルズとよぶ「職場の華」的存在としてチヤホヤするが、仕事が期待水準以下だとすぐに交替させる。そういう立場をわきまえて働いてはいるのをいいことにつまみ食いする男がいて、それがばれると知らんふりするために契約解消を画策したりする。その彼女に泣きつかれた奈央子は、正義感が強いというわけではないが、あまりにも男たちが傲慢なので、「彼女はミスもするがちゃんと仕事をしている。それなのにトイレでの密談でクビ切りするんですか」と抗議する。
1年後輩の加藤博美(戸田菜穂)がナイスサポート。ともに「負け組」の中であがいているが、博美は奈央子が女性社員に好かれていろいろと世話を焼き、それを上司に利用されてギャルズの管理をやらされている人のよさにあきれながらも、支えているようだ。
奈央子の母親(由紀さおり)は、就職が決まった時に「女の子は一生懸命働かなくていいのよ。職場でいい人をみつけて結婚するのよ。東済商事に入れたのはなんてラッキーなの」と娘に言うような人物。それを肯定するでもなく、強固に働き続ける意志を持って今まできたわけではなく、恋愛はいくつかしたが、決め手がなくここまできてしまってあせっている奈央子。
同世代の勝ち組、沢木絵里子(ともさかりえ)が子育て一段落後に近づいてきて、その夫は奈央子が電車の中で一目ぼれした男(加藤雅也)という設定で、これからの展開になかなか面白そうな予感はある。
男女差別の現状をおもしろおかしく見せてくれるのだが、私はいちいちカチンとひっかかってしまう。いらいらしながらだが、まあ見てみようかなと思っている。
原作の林真理子は、昔、アグネス・チャンとの論争?で知っているくらいで、エッセーは1冊くらい読んだかな。時代の最先端で感覚的に生きている女性という印象。その論争では、アグネスも子育てと仕事の両立に一生懸命ではあるが職場に子どもを連れていけた恵まれた環境だったとはいえ、あそこまで批判する林真理子には反発を覚えた。その後、柴田練三郎賞をとった『白蓮れんれん』を読んで、時代の中で自分らしく生きることために格闘する柳沢白蓮像を浮かび上がらせた作品で少し見直したが。昨年の『キャンディード』千秋楽で私の列の横の方に何人かで観劇していた姿をみかけたが、ダイエットに成功されたのを間近に見てちょっとエライなあとは思ったけど、この間のご自身の子育ての中で価値観に変化があったかどうかは知りたいと思っている。
写真は日本テレビの『anego』HPより
主人公の野田奈央子32歳。バブルの時代の最後に東済商事に一般職で採用されて働き始めて11年目を迎えた。バブル崩壊とともに人件費削減をはかった会社は一般職を採用しなくなり、正規の女性は総合職のみ。事務のルーチンワークには契約社員や派遣社員しか採用しない。
日本でも男女雇用機会均等法以降は、法にひっかからない巧妙な男女差別のしくみが出来上がっている。労働組合運動の力は弱く、組織労働者の割合が2割くらいという時代である。職場に直雇いでない労働者がこんなにいるのが当たり前になっているのだなあと思いながら見ていた。私が最近まで働いていた部署は確かに似たような状況があったが、その部署に来る前はほとんどそういう立場の人はいなかったので、異動後に慣れるのに大変だったことを思い出した。
ドラマだから誇張があるのかもしれないが、会社の中での女性差別はかなり露骨である。契約社員や派遣社員はギャルズとよぶ「職場の華」的存在としてチヤホヤするが、仕事が期待水準以下だとすぐに交替させる。そういう立場をわきまえて働いてはいるのをいいことにつまみ食いする男がいて、それがばれると知らんふりするために契約解消を画策したりする。その彼女に泣きつかれた奈央子は、正義感が強いというわけではないが、あまりにも男たちが傲慢なので、「彼女はミスもするがちゃんと仕事をしている。それなのにトイレでの密談でクビ切りするんですか」と抗議する。
1年後輩の加藤博美(戸田菜穂)がナイスサポート。ともに「負け組」の中であがいているが、博美は奈央子が女性社員に好かれていろいろと世話を焼き、それを上司に利用されてギャルズの管理をやらされている人のよさにあきれながらも、支えているようだ。
奈央子の母親(由紀さおり)は、就職が決まった時に「女の子は一生懸命働かなくていいのよ。職場でいい人をみつけて結婚するのよ。東済商事に入れたのはなんてラッキーなの」と娘に言うような人物。それを肯定するでもなく、強固に働き続ける意志を持って今まできたわけではなく、恋愛はいくつかしたが、決め手がなくここまできてしまってあせっている奈央子。
同世代の勝ち組、沢木絵里子(ともさかりえ)が子育て一段落後に近づいてきて、その夫は奈央子が電車の中で一目ぼれした男(加藤雅也)という設定で、これからの展開になかなか面白そうな予感はある。
男女差別の現状をおもしろおかしく見せてくれるのだが、私はいちいちカチンとひっかかってしまう。いらいらしながらだが、まあ見てみようかなと思っている。
原作の林真理子は、昔、アグネス・チャンとの論争?で知っているくらいで、エッセーは1冊くらい読んだかな。時代の最先端で感覚的に生きている女性という印象。その論争では、アグネスも子育てと仕事の両立に一生懸命ではあるが職場に子どもを連れていけた恵まれた環境だったとはいえ、あそこまで批判する林真理子には反発を覚えた。その後、柴田練三郎賞をとった『白蓮れんれん』を読んで、時代の中で自分らしく生きることために格闘する柳沢白蓮像を浮かび上がらせた作品で少し見直したが。昨年の『キャンディード』千秋楽で私の列の横の方に何人かで観劇していた姿をみかけたが、ダイエットに成功されたのを間近に見てちょっとエライなあとは思ったけど、この間のご自身の子育ての中で価値観に変化があったかどうかは知りたいと思っている。
写真は日本テレビの『anego』HPより