初日に次いでこの公演2回目の観劇。前回03年の公演でキャストが大幅に若返ってしまって全体のレベルがかなり落ちていた(03年録音のCDをきくとよくわかる)。昨年のコンサートバージョンも経て、今回はアンサンブルの合唱シーンも含めてかなりレベルが上がっているのが嬉しい。久しぶりに2階席で観て、舞台の奥までよく見えて楽しめた。群集シーンなどは奥の方にまで工夫された配置がされているのを見るのもおもしろい。
1900回記念公演なので終演後に特別カーテンコールがあった。今日は出演ではないテナルディエ役の駒田一が司会をして主要キャストの挨拶。山口さんはいつものように飄々と短い挨拶をしたが、他の人はそれぞれ自分は何回この舞台に立っているということにふれながら、これからも頑張るというようなことをしゃべった。こういう挨拶には人柄がにじみ出るのでそれも楽しみなのだ。当日の全キャストの写真とサインが印刷されたお土産もあると紹介され、客席が湧いたこと湧いたこと。暖かい拍手が帝劇を今日もゆさぶったのだった。次は、別所さんのラクに観劇予定。
職場の先輩二人をお誘いしてご一緒したので地下の「東宝ディンドン」で祝杯。おひとりは初演以来久々の観劇、もうお一人は初めてだったが、十分満足していただいたようだ。
以下、キャスト評(初日と同じ配役の場合は基本は省略)
ジャン・バルジャン=山口祐一郎
山口祐一郎は緊張していると目を細めるように力が入ってしまうクセがあるようで、同時期の『エリザベート』のトートでは魅力的な大きな目が開いているのに、バルジャン役になると目が細くなっているということが続いていた。コンサートバージョンでは歌中心のせいか目がずっと開いていて豊かな表情が出てきていた。今回の本公演でも芝居が加わってもきちんと目が開いて表情豊かになっていて、ああバルジャン役をものにしたんだなと思った。これで私の中でも合格した感じ。それと4人の配役の中では一番根が明るいバルジャンのようで(地が出ている?)、コゼットを引き取ったあとにそれがにじんで微笑ましい。
ジャペール=今拓哉
前回の公演からの配役。前回の開幕当初は、無理して屈折した人間を演じて硬くなっている感じが漂ってしまっていたが、それでも公演中にもずいぶん役になりきってきているのがわかった。それがさらに今回は人間くさいジャベールとしての姿がくっきりし、歌にも演技にも磨きがかかって私は見惚れてしまった。目の芝居も魅力が出てきて自殺シーンの苦悩の表情なんて相当魅力的。
前の国立劇場での片岡愛之助のところでも書いたように、眉と目の間がある程度長めの顔立ちの方が上品で美しいし、表情も豊かになると思っている。目の開き方に変化をつけた時に顔全体も多様な表情ができるのだ。反対にそのへんがうまくできないと一番のっぺりした表情になるというデメリットがあるのだが。4人(→3人でしたm(_ _)m)のジャベの中で今拓哉が一番それに該当していて、表情の変化が出てきた今回、特に魅力を増したのだと思う。
ファンテーヌ=井料瑠美
劇団四季時代に『オペラ座の怪人』ではクリスティーヌとして今井怪人と組んでその美声をきかせてくれた。続く『アスペクツ・オブ・ラブ』でも石丸幹二と最後に結ばれる個性的な女性の役でもなかなか魅力的だった。四季をやめてしばらくしてから東宝で舞台にカムバックしてくれた初めての作品が前回公演なのだが、このファンテーヌ役は彼女の音域に合ってないのではないかと思うのだが、不安定な裏声ばかりでちょっと残念。あの艶のある声がききたい。
エポニーヌ=ANZA
前回の公演からの配役。かつてミュージカル版『セーラームーン』で主役をはっていたとのことだが、前回公演ではまるでエポニーヌもアニメの主人公のような声で歌われてしまって地声と裏声の続く部分といったら悲惨な状態だった。『ミス・サイゴン』のエレンで少し見直したが、今回はいかに?と観たところ、かなり歌に安定感と表現力が出てきて合格。全体テンポアップの中の「オン・マイ・オウン」も前回初役のエポは皆さん早く歌いすぎだったがANZAは「たっぷり」まではいかないがまあこのテンポならいいかなとこれも合格。
コゼット=知念里奈
今日で2回目に観るが、初日同様出だしの歌の高音部が不安定。要修行!
テナルディエ夫人=瀬戸内美八
前回の公演からの配役。今回から森久美子とダブルキャストになった。初演の鳳蘭以降、宝塚のトップがこの役にキャスティングされることがよくある。大浦みずきもこの役はかなりよかった。瀬戸内もアクを強く凄みをきかせた役づくりをしていて、歌もうまい。森久美子と正反対の胸の全くないドレス姿の胸元に「宴会こじき」シーンで巻き上げた札をねじこむところはまるで先輩森のパロディとみえる。
写真は1900回記念公演の全キャストの写真とサインが印刷された土産の画像。東宝ウェブサイトより。
1900回記念公演なので終演後に特別カーテンコールがあった。今日は出演ではないテナルディエ役の駒田一が司会をして主要キャストの挨拶。山口さんはいつものように飄々と短い挨拶をしたが、他の人はそれぞれ自分は何回この舞台に立っているということにふれながら、これからも頑張るというようなことをしゃべった。こういう挨拶には人柄がにじみ出るのでそれも楽しみなのだ。当日の全キャストの写真とサインが印刷されたお土産もあると紹介され、客席が湧いたこと湧いたこと。暖かい拍手が帝劇を今日もゆさぶったのだった。次は、別所さんのラクに観劇予定。
職場の先輩二人をお誘いしてご一緒したので地下の「東宝ディンドン」で祝杯。おひとりは初演以来久々の観劇、もうお一人は初めてだったが、十分満足していただいたようだ。
以下、キャスト評(初日と同じ配役の場合は基本は省略)
ジャン・バルジャン=山口祐一郎
山口祐一郎は緊張していると目を細めるように力が入ってしまうクセがあるようで、同時期の『エリザベート』のトートでは魅力的な大きな目が開いているのに、バルジャン役になると目が細くなっているということが続いていた。コンサートバージョンでは歌中心のせいか目がずっと開いていて豊かな表情が出てきていた。今回の本公演でも芝居が加わってもきちんと目が開いて表情豊かになっていて、ああバルジャン役をものにしたんだなと思った。これで私の中でも合格した感じ。それと4人の配役の中では一番根が明るいバルジャンのようで(地が出ている?)、コゼットを引き取ったあとにそれがにじんで微笑ましい。
ジャペール=今拓哉
前回の公演からの配役。前回の開幕当初は、無理して屈折した人間を演じて硬くなっている感じが漂ってしまっていたが、それでも公演中にもずいぶん役になりきってきているのがわかった。それがさらに今回は人間くさいジャベールとしての姿がくっきりし、歌にも演技にも磨きがかかって私は見惚れてしまった。目の芝居も魅力が出てきて自殺シーンの苦悩の表情なんて相当魅力的。
前の国立劇場での片岡愛之助のところでも書いたように、眉と目の間がある程度長めの顔立ちの方が上品で美しいし、表情も豊かになると思っている。目の開き方に変化をつけた時に顔全体も多様な表情ができるのだ。反対にそのへんがうまくできないと一番のっぺりした表情になるというデメリットがあるのだが。4人(→3人でしたm(_ _)m)のジャベの中で今拓哉が一番それに該当していて、表情の変化が出てきた今回、特に魅力を増したのだと思う。
ファンテーヌ=井料瑠美
劇団四季時代に『オペラ座の怪人』ではクリスティーヌとして今井怪人と組んでその美声をきかせてくれた。続く『アスペクツ・オブ・ラブ』でも石丸幹二と最後に結ばれる個性的な女性の役でもなかなか魅力的だった。四季をやめてしばらくしてから東宝で舞台にカムバックしてくれた初めての作品が前回公演なのだが、このファンテーヌ役は彼女の音域に合ってないのではないかと思うのだが、不安定な裏声ばかりでちょっと残念。あの艶のある声がききたい。
エポニーヌ=ANZA
前回の公演からの配役。かつてミュージカル版『セーラームーン』で主役をはっていたとのことだが、前回公演ではまるでエポニーヌもアニメの主人公のような声で歌われてしまって地声と裏声の続く部分といったら悲惨な状態だった。『ミス・サイゴン』のエレンで少し見直したが、今回はいかに?と観たところ、かなり歌に安定感と表現力が出てきて合格。全体テンポアップの中の「オン・マイ・オウン」も前回初役のエポは皆さん早く歌いすぎだったがANZAは「たっぷり」まではいかないがまあこのテンポならいいかなとこれも合格。
コゼット=知念里奈
今日で2回目に観るが、初日同様出だしの歌の高音部が不安定。要修行!
テナルディエ夫人=瀬戸内美八
前回の公演からの配役。今回から森久美子とダブルキャストになった。初演の鳳蘭以降、宝塚のトップがこの役にキャスティングされることがよくある。大浦みずきもこの役はかなりよかった。瀬戸内もアクを強く凄みをきかせた役づくりをしていて、歌もうまい。森久美子と正反対の胸の全くないドレス姿の胸元に「宴会こじき」シーンで巻き上げた札をねじこむところはまるで先輩森のパロディとみえる。
写真は1900回記念公演の全キャストの写真とサインが印刷された土産の画像。東宝ウェブサイトより。