Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

作曲家論 : バッハ第5回(No.1444)

2006-12-17 21:41:42 | 作曲家・バッハ(1685-1750)
 本日は資料編である。

バッハ:フーガの技法 を知るための基本資料4点はこれだ!


 既に21世紀に入って、消費税(5%)以上の年月が経過した(爆

 「バッハ演奏」の世界は、『オリジナル楽器演奏』と言う名の下に、【コピー楽器演奏】がはびこり、質の低下が悲しいほどに進んでいる(マジ

 例えば「イ・ムジチ合奏団」が毎年2回くらい来日して、ヴィヴァルディとバッハばかり日本中を演奏しまくっていた時期が実際にある。「ステレオの方のアーヨ盤の四季」が録音発売されてから、次の盤(ミケルッチ盤だったっけ?)が売り出される間の最盛期である。私高本はガキの時代だったので、テレビで視ただけだが、「今そこにバッハ & ヴィヴァルディ」がきちんと鳴っていた。 親に「ナマで聴きたい」と言ったら、テイ良く断られたが、今考えるとチケット代が高かったからだろう。そんな昔を思い出す。昔から『ナマ好き』でした、ハイ。
 「モダン楽器演奏」だが極めて質が高かった。


バッハ:フーガの技法 を知るための基本資料


 21世紀の「現代」は、これだけは目&耳を通しておいてほしい。逆の視点で言えば、「この4点だけ目&耳を通せば、90%程度は理解できる」と言うことです。 ちょっと前だと「自分自身で楽譜を読んで、文献を探す」必要があったのですが、いい世界になりました、マジ。

  1. フーガの技法 - Wikipedia

  2.  まさか、現代日本で「Wikipedia」を使っていない人は存在しないだろうが、「フーガの技法」が登録されていることを知らない人はいるだろう。 とにかく読んでほしい。 最後の「外部リンク」には 鈴木雅明の『フーガの技法』解説 も貼られており、充実。

  3. 小林義武著『バッハ 伝承の謎を追う』(春秋社 2004年新訂版 3,675円)

  4.  いくつかの「スカなネット販売情報」で『版元品切』とか出てくるが、ガセ情報である。 カワイ表参道でも、ヤマハ渋谷でも、簡単にきちんと買えるじゃないか!(爆
     その辺の本屋でも簡単に買えるのだが。 『新訂版』は「注」がさらに充実した上に、デフレのおかげ(?)で定価が下がっている!
     「バッハ本」を1冊買うなら、この本にして下さい。「楽譜校訂の考え方」や「演奏修辞法」などを含め、とても「音楽の本質が身に付く本」です。もし、あなたが持っていないならば、「バッハが好きでも嫌いでも1冊持っていてほしい本」です。
     「フーガの技法」についても「1章」設けて丁寧に解説してくれています。解説通りの演奏会やCDがほとんど無いことが、問題なのです。(高橋悠治 とかの水準で満足できる人は少ないと思う、、、)

  5. グールド盤 → スタジオ録音全て


  6.  この盤のBand1~9は超有名。グールドがオルガンで演奏した唯一の正規録音だからです。しかし、あってもなくてもいいレベル。『ヴァルヒャに対抗したメラメラした炎』だけです、ハイ。当初2枚出す予定だったと思われ、前半部だけを演奏しています。
     ・・・で、Band10 以降 がグールドの本領発揮。小林義武研究とは違うのだが、『全体像にこだわらずに、部分像にこだわる』のが、Band10以降のグールドの態度。 グールド好きもグールド嫌いも1度聴いてほしい。私高本としては『個人的には、ゴルトベルク変奏曲並みの名演』と感じている。

  7. レオンハルト新盤 → 35年以上前だが、一世を風靡した → 恣意的な態度であり、「バッハの本質」を伝えなかった



  8.  この盤は レオンハルトの新盤であり、会心の出来だったようで、その後新録音は35年以上生きているレオンハルトが実行していない。他の諸曲は 何回も録音しているのもあるのに(泣
     特徴的なことは3点。

    1. 曲順が『1969年当時』に留まっており、今聴くと「完全に変」
    2. 13番をカットして、18番を採用、というのも時代の古さ
    3. 最後の4重フーガ(通常の呼び方で19番)をカット

    である。 これが『レオンハルトの主張』そのものである。
     1985年の「バッハ生誕300年」前後に発表された「最新研究」からは【完全にハズれた演奏】となり、その後再録音していないし、もし私高本の記憶が正しければ、「演奏も日本ではしていない」ハズである。
     この演奏の大切な点は とにもかくにも 『ちょっとだけ頭が良い(または「良い」と思われる)ならば、何を言っても何を演奏しても許されるかも知れないこと!』に尽きる。 今もこんな高い値段で売られています、ハイ
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