ワーグナーチューバの響きを最重視した エッシェンバッハ
本年2024年=ブルックナー生誕200年であり、N響を初め、各オーケストラで「生誕200年記念演奏会」が開催される。N響では、第8番第1稿であり、首席指揮者=ルイージ が振る。同じ第8番第1稿を シティフィルが常任指揮者=高関健 で振る。N響で肩書無い エッシェンバッハ は第7番を振った。
ブルックナー交響曲を考察する際、低音金管楽器の移ろいが最も大切。
第5番チューバ起用 → 第7番ワーグナーチューバ起用
第4番第1稿以前は「ほぼベートーヴェン並み=ホルン4本+トランペット3本+トロンボーン3本」だった。第5番で(バス)チューバ1本起用、第4番第2稿、第6番とこの形が続く。第7番でワーグナーチューバ4本追加となり、以降第8番&第9番と生涯この形となる。
エッシェンバッハ は、ワーグナーチューバ4本を起用する第2楽章と第4楽章にて「圧倒的な響きの咆哮」を轟かせる
言葉を置き換えれば、第1楽章と第3楽章は 偶数楽章よりも響きは抑えられる。また、弦楽器は 管楽器に比べて、抑えて演奏される「fffでも」。私高本の好みは「弦楽器も鳴らす」であるが、エッシェンバッハの解釈は説得力がある。
終演後、ブラヴォーの嵐となり、一般参賀となった。ブルックナーファンから圧倒的な支持である。私高本 は、「エッシェンバッハ + N響 のブルックナー第8番」が聴きたいが、首席指揮者=ルイージ が振るので、無理だろう。第9番を聴きたい。