Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

「楽興の時」は6曲だったのか? 1(No.2211)

2013-02-04 20:30:51 | 作曲家・シューベルト(1797-1828

「楽興の時」は6曲だったのか?


 私高本が「楽興の時」を通して初めて聴いたのは、大学1年の時で、今から34年前。その時から「変だな? 変だな?? 変だな???」と感じていたのだが、誰にも言えず、もやもやした感情を引きずり34年が経過した。ここに初めて公開する。
 公開できるようになった直接のきっかけは、「2013.01.31 佐伯周子シューベルト完全全曲演奏会 Vol.11」の1曲目 = ハ長調ソナタD613 + D612 + D780/6」の本番演奏を聴いて。第1楽章は(緊張からか?)「硬い」演奏だったが、だったが、2楽章以降は名演揃い。う~ん、第1楽章が、、、


直訳は、シューベルト "Moments Musicaux" = 「瞬間の音楽たち」


 意訳の「楽興の時」だと、「楽しむ」とか「興じる」の雰囲気を漂わせるが、原語には無い。尚、シューベルト生前の初出版時には、シューベルト自身も 出版社 = ライデスドルフ も「フランス語能力不足」で文法を間違えて、"Moments Musicals" 表記で出版して「笑いモノ」になったことも有名。シューベルトは「ドイツリート最高の大作曲家」だが、「フランス歌曲」も「シャンソン」も1曲も作曲してないからなあ(涙


「楽興の時」は、ハ長調 → 変イ長調 → ヘ短調 → 嬰ハ短調 → ヘ短調 → 変イ長調 と「3度関係」で構成されていることは有名!


 長3度で往復すると、「1オクターブ = 12度」なので、ハ長調 → ハ短調(または ハ長調)になるのだが、変イ長調 → ヘ短調 が「短3度」なので半音上になっている。
 全6曲が(多少の異同はあるものの)「3部形式」で作曲されており、違和感を感じない人は感じないだろう、と思う。だが「シューベルト狂 = 私高本」が聴くと「変だ!!!」である。「えっ? どこが??」と問われるだろう。

メヌエット(または スケルツォ)で終曲することは、シューベルト にはあり得ない。「楽興の時」作品94 は「メヌエット で 終曲」は「シューベルトの意図通りでは無い!」


である。
 この時、2つのことが考えられる。

  1. 出版社 = ライデスドルフ が「1つ以上の楽章を削除した」


  2. 出版社 = ライデスドルフ が「1つ以上の楽章を(シューベルトの承認無しに)追加した」



 最終曲 = 第6曲 が「1824年にライデスドルフから初出版」の曲なので、どちらも考えられる。第5曲 = へ短調 が「終楽章風」なので、34年もの間、はっきりとはわからなかった > 佐伯周子 のナマ演奏会聴くまでは。やはり「ナマ演奏」は偉大だ!
コメント
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