Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

下野竜也指揮読響正指揮者修了演奏会「ブルックナー:交響曲第5番」初日批評(No.2222)

2013-02-19 22:57:01 | 批評
 当 Piano Music Japan 開設以来2度目の「4桁ゾロ目」記念号(前回は No.1111)をこのような感動的な公演批評で飾れることはありがたい限りである。下野竜也、読響、当日のサントリーホールに集った聴衆の皆様、そして勿論 ブルックナー に感謝するばかりである!


「音響の洪水」は拒絶し、『ブルックナーオリジナルスコア』に徹底密着再現し、「誰にも理解できる構想の大きさ」&「緊密な表現」を緻密に実現した 下野竜也 X 読響「ブルックナー:交響曲第5番」


 終演後の状況から詳細記述したい。終局。全ての楽器が鳴り止むが、「ホール余韻」が残っている。(私高本の座席からは)余韻が消える。ホール中がまだ静けさを保っている。数秒(もしかしたら十数秒?)ホールで最も余韻が長い座席でも、余韻が消えただろう、その時も静寂がサントリーホールを覆っている。下野竜也が両手を降ろす。数秒経て、「ブラヴォーの嵐」に先導され、「大拍手」がホールを包んだ。何回、下野竜也は「指揮台←→下手舞台」を往復したんだっけ? 猫頭ヒョーロンカ = 私高本 は数を数えるのを忘れるほど感動していた。オーケストラが「指揮者が立って!」の合図が有っても立たない & 「立ったまま指揮者を迎え入れる」 の両方で敬意を表した。これは、「オケメンバー最高の表現!」で、盛り上がった。

 ・・・で、ここで終わらなかった。「立ったまま指揮者を迎え入れる」を実行した後、「ブラヴォーの嵐」は続いていたが、オケははけた。だが、拍手はほとんど小さくならなかった。

「(勿論生前の)朝比奈隆のブルックナー」や「先日のインバル指揮マーラー第3番」と同じく、下野竜也が『参賀』するまで拍手は鳴り止まず、読響楽団員に促されて出て来た 下野竜也 は涙ぐんでいた!




 演奏のポイントは、上記の通り、「音響の洪水」は拒絶し、『ブルックナーオリジナルスコア』に徹底密着再現し、「誰にも理解できる構想の大きさ」&「緊密な表現」を緻密に実現した 下野竜也 X 読響「ブルックナー:交響曲第5番」。
 これだけである。これじゃ、「批評」としてわからない? 少々、(余計なことかも知れないが)付け加えよう。

  1. 一瞬たりとも「金管楽器の咆哮」はしなかった。「第1楽章コーダの最後の最後」や「第4楽章コーダの最後の最後」は、何と「ティンパニのクレッシェンド」だけで表現!


  2. 第3楽章スケルツォ主部の「第2主題部分」とも言われる「長調フレーズ = レントラー」、「2拍子トリオ = エコセーズ」を『ウィーンの舞踏』風に十全に表現



は特記しておきたい。

「師匠の1人 = 朝比奈隆」のブルックナー解釈 とは、正反対の「室内楽指向のブルックナー」だった! が、朝比奈隆が生きていたら「下野、よくここまで突き詰めたな!」と言っただろう


 聴衆の好みにより、正反対の反応が出る演奏だったが、終演後は「ブラヴォーの嵐」のみ。途中退出者無し(に私高本の座席からは見えた)。明日の「楽日公演」が楽しみでならない。これほど素晴らしい「ブルックナー:交響曲第5番」は「スクロヴァチェフスキ X 読響」以来だが、あの時よりも感銘深い。聴いていない方は何としても 2/20(水)東京芸術劇場公演を聴いて欲しい。私高本は再度聴く。佐伯周子も(ピアノソロ曲は名曲無いが)聴く。
コメント
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