佐伯周子ピアノリサイタル のトリを務める曲である。 「名曲の誉れ」高く、人気曲の1つである。まず、これまでの評価をまとめてみたい。
1.シューベルトの「器楽曲作曲家人生」を前期・後期に分けた時(← 1つの考え方。賛同者多い)に、1820年からの「後期」にて「完成した最初のソナタ楽曲」(1823.02)
2.両端楽章の「集中力」が入魂の感触
3.第2楽章が、シューベルトピアノソナタ緩徐楽章中「屈指の名曲」
「シューベルト弾き」ではあるが、「ピアノソナタ全曲は弾かないピアニスト」の半数以上がこのソナタを弾いているような気がする。例えば、リヒテルやアシュケナージやピレシュ。名演がぞろぞろ揃っている名曲である。
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楽譜と演奏に「全く問題が無い数少ないシューベルトピアノソナタ」の1つでもある。シューベルトは31才と極めて若い年で没した作曲家。生前に「ベートーヴェン並みの大作曲家」と思われるには至っていなかったらしく
1.生前に出版された曲の自筆譜は捨てられた曲が多い(!)
2.いくつか伝承経路が違う曲も多く、その際は異論が多い。(D894, D959 etc.)
3.ソナタ各曲が長いので「反復省略」されることは多い。その際「1番カッコ」がある曲は大問題が発生することがある(D960 etc.)
と根が深い問題あり。尚、上記3点を『全てクリアしているソナタ』は以下の3曲のみである。
1.イ短調ソナタ D537
2.イ短調ソナタ D784
3.ハ短調ソナタ D958
最少に数えても「シューベルトの完成したピアノソナタ = 11」なので、相当少ない。う~ん。
・・・で、その「わずか3曲」のソナタの1曲が D784 である。この曲は、(あまり大きな声では言えないが)楽譜に拠る「差」が最も小さい曲の1つである。
●ベーレンライター新シューベルト全集
●ウィーン原典版
●ヘンレ版
●ロンドン王立音楽院版
●ユニヴァーサル版
●新旧のペータース版
●ブライトコプフ旧シューベルト全集
であれば、どの版を使っても、それほど大きな差は無い。
・・・とは言っても、「少しは違う」ところもある。この続きは明日号で。
1.シューベルトの「器楽曲作曲家人生」を前期・後期に分けた時(← 1つの考え方。賛同者多い)に、1820年からの「後期」にて「完成した最初のソナタ楽曲」(1823.02)
2.両端楽章の「集中力」が入魂の感触
3.第2楽章が、シューベルトピアノソナタ緩徐楽章中「屈指の名曲」
「シューベルト弾き」ではあるが、「ピアノソナタ全曲は弾かないピアニスト」の半数以上がこのソナタを弾いているような気がする。例えば、リヒテルやアシュケナージやピレシュ。名演がぞろぞろ揃っている名曲である。
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楽譜と演奏に「全く問題が無い数少ないシューベルトピアノソナタ」の1つでもある。シューベルトは31才と極めて若い年で没した作曲家。生前に「ベートーヴェン並みの大作曲家」と思われるには至っていなかったらしく
1.生前に出版された曲の自筆譜は捨てられた曲が多い(!)
2.いくつか伝承経路が違う曲も多く、その際は異論が多い。(D894, D959 etc.)
3.ソナタ各曲が長いので「反復省略」されることは多い。その際「1番カッコ」がある曲は大問題が発生することがある(D960 etc.)
と根が深い問題あり。尚、上記3点を『全てクリアしているソナタ』は以下の3曲のみである。
1.イ短調ソナタ D537
2.イ短調ソナタ D784
3.ハ短調ソナタ D958
最少に数えても「シューベルトの完成したピアノソナタ = 11」なので、相当少ない。う~ん。
・・・で、その「わずか3曲」のソナタの1曲が D784 である。この曲は、(あまり大きな声では言えないが)楽譜に拠る「差」が最も小さい曲の1つである。
●ベーレンライター新シューベルト全集
●ウィーン原典版
●ヘンレ版
●ロンドン王立音楽院版
●ユニヴァーサル版
●新旧のペータース版
●ブライトコプフ旧シューベルト全集
であれば、どの版を使っても、それほど大きな差は無い。
・・・とは言っても、「少しは違う」ところもある。この続きは明日号で。