Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

<演奏会批評>5月31日 佐伯周子ピアノリサイタル 月刊ショパン掲載される(No.1316)

2006-07-19 23:04:29 | ピアニスト・佐伯周子
 本日発売の 月刊ショパン2006年8月号 に表題の演奏会の批評が掲載された。佐伯周子も「演奏会批評」がこれで2回取り上げられたピアニストとなった。佐伯周子は、評者の方の耳に、耳を傾けて、来る8月13日の「佐伯周子 ベーレンライター新シューベルト全集に拠る完全全曲演奏会 Vol.2」に生かしてほしい。
 尚、月刊ショパン誌上の最後の ( ) 内の月日と演奏会場が違って表記されていたので、編集部に問い合わせたところ、真上の演奏会(安井耕一ピアノリサイタル5月30日津田ホール)をそのまま「コピー&ペースト」してしまったらしい。『インターネット時代ならではのミス』かも知れない。
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伊福部の魂感じ取る 佐伯周子 伊福部昭追悼演奏会


評者 : 家永勝


 本年の2月8日に91歳で逝去された日本の著名なる作曲家、故伊福部昭氏の追悼演奏会。実はこの演奏会は『伊福部昭92歳誕生日コンサート、川上敦子ピアノリサイタル』というタイトルで予定されていたそうである。川上敦子も悲しみのあまりか体調不良となり、急遽今回の佐伯周子がピンチヒッターとして登場したとのことである。佐伯は洗足学園音楽大学大学院2年在学中の若手。当然全曲伊福部作品だ。
 冒頭は日本組曲よりの3曲。『盆踊』、大きな和太鼓を思わせる低音の表現が見事。『七夕』、素朴で可憐さが充分に伝わる。『演伶(ながし)』は独特のリズムと間の取り方も見事で、この組曲の特徴を表出する。『日本狂詩曲』ピアノ独奏版ではこの曲の大きな構想を実にうまく捉えていたし、低音の長く続く和音にも魅力があり、しゃれた音を表出。2楽章後半のエネルギーにも感心したが、立派な熱演でこの曲の特徴を見事に表現する。後半の『ロマンス ピアノに拠る』は今回が初演だそうだ。このバラード風の明るくて希望のある大陸的な曲を、彼女は、大らかに表出する。『リトミカ・オスティナータ』、2台のピアノ版では岡原慎也との共演。壮大なテーマを持ったダイナミックな曲である。この宇宙的性格を見事に表現していたし、2台のピアノの大きな受けこたえの中に、伊福部の魂を感じ取れた。佐伯は短い期間に伊福部作品をよく研究し勉強していた。代役として登場し、この難しい曲を見事に再現させたことには大いに敬意を表したい。伊福部先生も、この日の演奏をきっと満足され大いに喜ばれたことと思える。
(5月31日 東京文化会館小ホール)

月刊「ショパン」2006年8月号P108
コメント
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