待降節第四祝日にクライミングから帰ってきてワインを開けた。前日に購入したテリーヌに合せるには玄武岩土壌のペッヒシュタインが最も良いのだが、年末もあるので2011年の玄武岩も混ざるウンゲホイヤーを開けた。
味筋としては若干重すぎたが、その後に開けた2008年のガイスボェールよりも新鮮な分悪くは無かった。後者のビュルクリン・ヴォルフ醸造所のそれは先日2008年物を探す中で態々試飲して購入したのだが、残念な結果に終わった。
そもそも土壌は重ためであるのでその果実風味は仕方ないのだが、残糖感が漂うのには承知ならなかった。試飲の節は瓶を開けてから時間が経っていると感じたものだ。しかし実際には開かせるためにデカンターをすると今度はふにゃふにゃしてきた。それでも2008年産特有の独特の酸味は強くて逆にモノトーンな感じである。要するに2008年産のあの酸に繊細な食事を合せるのは難しいとなる。なるほど土壌の特徴であるコリアンダーのような香味も出ているのだが、食事に合せるとなると繊細な酸でないと厳しい。春にこれまた態々購入したペッヒシュタインのそれは素晴らしかったのと比較すると購入価格には差がある以上にワインの質としての差が大きい。基本的には2008年産リースリングで今後も大きな可能性のある辛口は殆どないと想像する。最初で最後の最大の山を下ろうとしている。
テリーヌは昨年同様に上手に出来ていて、クリスマスイヴにも食したが、ニシンをしめてニコゴリにしたものがまた良かった。日本のしめ鯖よりも綺麗にしめてあってキズシよりも遥かに美味い。なによりもリースリングに最高で、酌を進めてくれる。
先週に車中で聞いたラジオ放送で興味深かったのは、フライブルクからのSWR放送交響楽団バーデンバーデン・フライブルクの演奏会中継の第二ぶの始まりだった。ニールセンの交響曲四番が始まる前に指揮者が演説を始めたのである。少なくともナレーターの様子では予定外の出来事で、マイクも無しに話し続けた。
勿論内容は、二つの放送交響楽団の合併縮小に伴う抗議のアピールであった。調整室もそれを邪魔しないように放送し続けた。そして最後には同意の声として会場の大拍手で包まれた。その後は車から降りたので知らないが、予定通り熱気に満ちた演奏が始まったに違いない。会場に集まった聴衆としては当然の反応だったに違いない。そもそもこの交響楽団が常駐すること無しにはその立派な大きな新しいコンサートホールは必要なかったのである。
南バーデンの文化活動とかなんとか言ってもこうした交響楽団などを誘致するところが文化的な僻地とも言えるのだが、同じような問題はハムブルクの永遠に未完成のコンサートホール問題にも繋がる。大きな会場を税金を投資して新築しても文化的な水準が上がるわけでもない。正しく中身が充実するかどうかは投資の問題でもあるのだが、それ以上にコンセプトの問題でもあるというのはワインも同じで、その土壌の文化性というのはまた別の問題でもあるのだ。
参照:
朽ちる第一報を耳にする 2012-09-29 | 文化一般
待降節第四週目の朝 2012-12-23 | 暦
味筋としては若干重すぎたが、その後に開けた2008年のガイスボェールよりも新鮮な分悪くは無かった。後者のビュルクリン・ヴォルフ醸造所のそれは先日2008年物を探す中で態々試飲して購入したのだが、残念な結果に終わった。
そもそも土壌は重ためであるのでその果実風味は仕方ないのだが、残糖感が漂うのには承知ならなかった。試飲の節は瓶を開けてから時間が経っていると感じたものだ。しかし実際には開かせるためにデカンターをすると今度はふにゃふにゃしてきた。それでも2008年産特有の独特の酸味は強くて逆にモノトーンな感じである。要するに2008年産のあの酸に繊細な食事を合せるのは難しいとなる。なるほど土壌の特徴であるコリアンダーのような香味も出ているのだが、食事に合せるとなると繊細な酸でないと厳しい。春にこれまた態々購入したペッヒシュタインのそれは素晴らしかったのと比較すると購入価格には差がある以上にワインの質としての差が大きい。基本的には2008年産リースリングで今後も大きな可能性のある辛口は殆どないと想像する。最初で最後の最大の山を下ろうとしている。
テリーヌは昨年同様に上手に出来ていて、クリスマスイヴにも食したが、ニシンをしめてニコゴリにしたものがまた良かった。日本のしめ鯖よりも綺麗にしめてあってキズシよりも遥かに美味い。なによりもリースリングに最高で、酌を進めてくれる。
先週に車中で聞いたラジオ放送で興味深かったのは、フライブルクからのSWR放送交響楽団バーデンバーデン・フライブルクの演奏会中継の第二ぶの始まりだった。ニールセンの交響曲四番が始まる前に指揮者が演説を始めたのである。少なくともナレーターの様子では予定外の出来事で、マイクも無しに話し続けた。
勿論内容は、二つの放送交響楽団の合併縮小に伴う抗議のアピールであった。調整室もそれを邪魔しないように放送し続けた。そして最後には同意の声として会場の大拍手で包まれた。その後は車から降りたので知らないが、予定通り熱気に満ちた演奏が始まったに違いない。会場に集まった聴衆としては当然の反応だったに違いない。そもそもこの交響楽団が常駐すること無しにはその立派な大きな新しいコンサートホールは必要なかったのである。
南バーデンの文化活動とかなんとか言ってもこうした交響楽団などを誘致するところが文化的な僻地とも言えるのだが、同じような問題はハムブルクの永遠に未完成のコンサートホール問題にも繋がる。大きな会場を税金を投資して新築しても文化的な水準が上がるわけでもない。正しく中身が充実するかどうかは投資の問題でもあるのだが、それ以上にコンセプトの問題でもあるというのはワインも同じで、その土壌の文化性というのはまた別の問題でもあるのだ。
参照:
朽ちる第一報を耳にする 2012-09-29 | 文化一般
待降節第四週目の朝 2012-12-23 | 暦
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