Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

変ホ長調の英雄の主題

2023-03-29 | 
ルツェルンの音楽祭の席を取っておいた。今回は初日の夏のツアー表プログラム「英雄の生涯」はランクを落とした。音響的には同地のKKLでは天井の問題だけでそれほど変わらない。どうしても11月のフランクフルトでの壮行演奏会と比較してしまう。

今回はアルテオパーでのいい席を先に確保したので、その席との比較となる。昨年のマーラー交響曲七番ではより近いクラス上の席に座ったのだが、フランクフルトでの出来に可也吹っ飛んでしまった。なるほど分析的にも聴きやすく明るめの音響は素晴らしいが、アルテオパーもそれ程悪くはない。比較的同じような価格で購入。

更に今回は復活祭で後半の「英雄の生涯」を二回聴いているので、二回しか聴かない前半のレーガー作曲「モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ」が聴き逃せない。少し距離は遠いが会場がいいからアルテオパーよりも音は通るだろう。

その英雄の主題は、エロイカ交響曲と同様に、「影の無い女」においては皇帝の主題となる。まさしく良く鳴るその奈落の大管弦楽は「英雄の生涯」よりも素晴らしい。やはり一幕のそれ自体はある意味容易であって、三幕の鳴りが全てだと改めて認識する。今回の復活祭ではもともと夏のツアーで裏プログラムとされるシェーンベルク作曲「管弦楽のための変奏曲」がベートーヴェンの交響曲八番の前に演奏される予定であったのだが、あまりに練習時間がないということでキャンセルされた。しかし、その全体のプログラㇺとして重要な「英雄の生涯」は、「四つの最後の歌」に続いて二回演奏される。

キリル・ペトレンコ指揮によるプログラムはツアー公演においてもそうしたコンセプトによってとても教育的な意味合いが込められていて、よって興行的な意向で容易に組み合わされることはない。

その意味からも、残念乍らベルリンでの一月の三夜に亘る定期演奏会で演奏されたのみで、夏のツアーでは、ザルツブルクで甲羅干しとなり、その次にルツェルンで演奏される。フルトヴェングラー指揮によって初演された「管弦楽のための変奏曲」はどうしても聴き逃せない演奏となる。

昨年はルツェルンの宿泊は御厄介になったので、鉄道の遅れなどで待ち合わせに大変酷い目に遭って、殆ど警察捜査寸前までに至った。有難迷惑のような滞在だった。更に二日目の裏プログラムはペトレンコの足の負傷でキャンセルでとんでもない演奏会に高額を捨てることになってしまった。今年は上のシェーンベルク演奏会をまたもや捨てたことになるが、36ユーロ程度のことで寄付にもならない。そしてルツェルンのお宿は昨年予約していた郊外のキッチン付きの小さな部屋に二泊することになっている。問題なく過ごせる筈だ。



参照:
核レパートリーに組込み 2022-11-05 | 音
そこから学べる音楽会 2022-11-11 | 文化一般

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