Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

石灰が効いた引き分け試合

2014-08-10 | ワイン
2010年産のリースリングを開けた。二十年に一度の酸の年度なので辛口ファンには期待されている年度である。それでも実際にその期待に応えるリースリングは貴重なのだ。理由は収穫量が少なかったことと、減酸処理に投資できた醸造所が少ないからだ。結論として、偉大なワインを醸造できたのはドイツ国内では数件しかないと予想していた。

その証明に一本開けたのはドイツで最も辛口のリースリングで著名なレープホルツ醸造所の上から二番目のランクのフォン・ブントシュタインである。これは実質的にグローセスゲヴェックス「ガンスホルン」の先落としの葡萄から出来ている。

結論からすると飲み頃を過ぎていて、既に熟れてしまっていた。人によればオイリーと表現されるものかもしれない。容赦なく糖がアルコール化されているために、どうしても期間が経つと水のようになってしまうのがここのワインである。しかし、オイリーさは通常の場合は出ないので、これは減酸のときの石灰の使い方によるものと思われる。

要するに石灰質の地所のリースリングと同じで、色も黄色く味も丸くなってしまうのだ。二年でそのような傾向が出るのが普通で、本格的なグローセスゲヴェックスはアルコールの高さと残糖で、抽出されたモストの強みで、長持ちするようになっている。それ故にレープホルツのリースリング一般的に五年以上経つと完全にフィルン化するのである。しかし、二年経過で上のような状態になるのは減酸が影響しているのは明白である。

それでも、確りした抽出の効果はあって完全に熟れきっている訳ではなく、明くる日も全く酸化の進みを感じさせることなく楽しませるのは流石なのだ。同じ酸に特徴のあった2008年のそれに比較すると、丸くなり過ぎという感じもある。熟れたリースリングとしてはとても立派なものであることは間違いないが。そこで遅れないうちにグローセスゲヴェックス「ガンツホルン2010」を週末に開けてみることにした。

もう一つは、サントネーの2012産のピノノワールである。スーパーで14ユーロほどだと思ったが、やはり下手なSCブルゴーニュとは違ってお得だった。この価格帯ではドイツのシュペートブルグンダーには太刀打ち出来ないブルゴーニュであるが、流石地元ではこれ以下の価格でこうしたワインが飲まれていることを教えてくれる。シュペートブルグンダーとは異なり甘酸っぱいチェリー風のそれはブルゴーニュの特徴だろうが、決して食事の邪魔をすることは無く、比較的万能に食事に合ってくれる。欲を言えば限がないが、この価格でこの程度ならシュペートブルグンダーと大体引き分けぐらいだろうか。



参照:
CPのとても高いピノノワール 2014-03-22 | ワイン
スーパーブルゴーニュを物色 2014-03-17 | ワイン
コメント (2)
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