Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

掴み所のない侵食の奇岩

2009-07-05 | アウトドーア・環境
腕に覚えのあるものならばルートも一目瞭然で、簡単に見えるが手ごわい。今シーズン初めて南プファルツの奇岩を攀じた。石切り場に通って通ってどうしても行きたいと言う状態まで、まるでプロ野球の落合選手のようにバットを持たずにここまで来たようなものだ。

人が登っているのを見ていて何をぐずぐずしているのかなと思った下部は湿っていてよく滑った。それに中部に乗り移るところが腕が短いためか手が伸び切って仕舞い早くも岩を離しそうになってしまった。

その心理的後遺症がその後にも残り、バンド帯を反対側の稜へと横にと移って行くのさえびくびくものである。そこから左上へと抜ける割れ目を伝って上がるのだがそこが核心部である。

打ち込んであるピンにカラビナを掛けて登ると難易度五級へと落ちてしまうが、それを使わないとなると六級を上回る。先行者が大変苦労していたので端からカラビナを使わせて貰ったが、それでも厳しい。同行した初心者の町医者が今まで登った所で一番厳しいと言うのは分かる。

此方にすれば嘗てやっていたことを先祖帰りのように三十年振りぐらいにやる事などで特別な感慨はなかったが、やはりこの地域での六級というのはかなり難しいと思い知らされた。

石灰岩ならばどんなに傾斜がきつかろうともつかみ所があり、花崗岩もつるつるだがそれなりの摂理がある。それに比べて砂岩は石ころなどが埋まっていることはあってもなにもかもが丸みを帯びていてしっかり掴めたためしがない。精々、容易なルートでは侵食あとが痘痕のようになっていたり下向きや横向きの角が立った板状の鰭が掴み易いぐらいである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする