Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

ワインの時の三位一体

2007-05-11 | 試飲百景
予備試飲、本試飲に続いて、再試飲を行う。

其々、2種類、13種類のリースリングを試飲したが、自らが先行投資として購入するためには、瓶詰め直後のワインの試飲ではなんとも心もとない。フィルターをかけて、ホースで給ワインをしてと、過激な状態を経て瓶詰めするので、その緩やかな結合はばらばらとなる。所謂ワインシックである。それから三週間ほどして市場に出されるのだが、それでも今ひとつ落ち着いていない。

そうしたワインの一つを、再試飲する。このワインは、去る土曜日に2002年産と2006年産を比較して本試飲した。その結果、前者は花の強いアロマが広がり、蜂蜜風の熟成がありながら、酸も後から効いて来ていた。と同時に、喉へと幾らか刺さる灰汁が気になり、後味を気にすると個人的にはあまり好ましくはなかった。それと殆ど糖度も変わらない2006年産は柔らかな当たりが酸へと引いて行く面白い味構成となっていて、大変にそそるのである。

その他、同じプリミエークリュクラスの二種類アルテンブルクとゲリュンペルを試飲したのであるが、どれもまだ出来上がっていないとは言っても、上のランゲンモルゲンが最も複雑でまだ開ききっていなくて成長を期待させてくれる。それでも、2006年のミネラル風味の高いややもすると水のようなワインは、年々温暖化からかリースリングの糖比重が高くなって重たくなる中で、ある種の清涼感が得られて嬉しい。これらを細身で将来性が少ないと言っても、五年程の賞味期限を設ければ ― あまりに美味いものを我慢して寝かしておくのはしばしば不可能である ― 効率の良い投資ではなかろうか?つまり、この自己賞味期限の設定から、購入本数が定まるのである。

さて、再試飲をマイスターと共に改めて行うと、これまたその年度比較を的確に示してくれる。そして2002年産の様な花園が現出するかどうかは実の所判らないとするのが正直な回答である。つまり、それが出て来れば良し、出なくても旨いうちに飲めれば良しとする意見である。

またしても、ここにワインは時の天恵、時の匠、時の至宝であることを確認するのである。
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