Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

父なる祖国とトトカルチョ

2006-06-23 | ワールドカップ06・10・14


試合前の予想通りの結果に終わった。TV中継は当日二試合目のライヴ放送であって、同時刻にはシュトュツガルトでオーストラリア対クロアチア戦が開かれていた。一試合目のイタリア対チェコ戦後に、ブラジル戦がライヴ放送になると言う事でこれを観る事とする。

第一部の放送が一旦終わり第二部までに時間があったので、散歩に出かけることとした。雲が彼方此方に浮かぶような青空だが、夕方の日差しは手ごろでTシャツにセーターを羽織ろうかと思ったが止めとした。それどころか歩いて暫らくすると、弱い日差しもなんとなく暑くしっとりと汗ばむ。

道行く車が旗めかすだけでなく近所にも多くのドイツ国旗が掲げられてワールドカップムードがいよいよ盛り上がって来ている。来る土曜日には一つ目の山を向かえるであろう。

TVの解説者が「日本選手団は既にホテルのチェックアウトを済ましたらしいですよ」と言うのを聞いて思わず吹いてしまったが、ブラジル戦は中継するに足る試合であったろう。FIFAは批判を受けるようなヤクザな団体であったとしても、プロフェッショナルな興行であって且つ世界を揺るがす代替戦争として、パトリオティズムの血を騒がすワールドカップの主催者には違いない。

パトリオティズムの評価は容易には出来ないが、面白い事を思い出した。父親がハンガリー人で母親が英国人のビジネスマンがいた。「ドイツで育ったのでドイツ語が日常言語だが、母は英語を喋るので 母 国 語 と言えば英語となるだろう」と笑いあったことがある。

パトリオティズムの意味は、父なる祖国愛で母国愛ではない。この違いを少し考えてみると誰でも面白い事に気づく。日本語で愛国主義と簡単に訳せない理由が此処にある。

先日も記した自尊心と言うものが存在するとすれば、それが特に集団となる時は父なる祖国愛的なものを根拠とするに相違なく、母なる自然に受け継がれた母国愛に準拠するものでは無さそうである。

日本のサポーターのおとなしい様子やフィールドで相変わらず横たえる情けない選手の姿を伝えるネット記事を見て感じるのは、どうもこの点にも関係しそうである。嘗てBLOGにて、サッカー選手団を軍と呼んだとしてお叱りを受けた。その時はそうかなとも思った。そして先日のサポーターの雰囲気を綴った記事を読んで更に彼らの無害で無邪気な様子を知って尚更その差異を強く感じた。

日本の土壌にはもともと父なる祖国愛は存在しなくて、母国愛教育をすればするほど、パトリオティズムの発展を阻害するようである。パトリオティズムが無い所には、真のアナーキズムもパシフィズムも存在しない。況してや集団をまたは他者を尊重するためには、自身のアイデンティティーを各々が確立していなければならない。



参照:空虚な文化行政の体験 [ 文化一般 ] / 2006-06-06



日本対ブラジルで一発賭けるとすると、トトカルチョの配当は以下のようになる。

先ずは、日本の勝利にかけると配当は約12倍、ブラジルならば約1,2倍。この数字を見ると誰でも穴を狙いたくなる。だから実際の予測は更に開くのだろう。因みに、オーストラリアとクロアチアでは各々への配当は、三倍と二倍ぐらいの差になる。

さて、決勝リーグへ進む最低の条件として上げられる二得点で二点差ならば41倍の配当である。三点得点とすると67倍でこれは二点差であろうと三点差であろうとも変わらない。そのときの必要条件であるオーストラリアとクロアチアの引き分けは、0:0で8,5倍1:1で7倍2:2で14倍となっている。この場合も日本がオーストラリアの総得点差と並んだ場合、総得点が比較されるので、一般予想とは言え何れにせよ他力の倍率は自力に比べると低いので気にするほどの数字ではない。

逆にクロアチアがオーストラリアに勝利した場合、一点得点ならば約七倍。二点得点ならば約10倍、三点得点ならば17倍から30倍と配当が高まる。

クロアチアが三得点で三点差勝利ならば必要条件は日本の四点得点となりありえない。二点差ならば日本は三点を取る必要が出来て対ブラジル3:0の掛け倍率は、既述の67倍である。これもあまり現実的ではないので、一点差でのクロアチアの勝利を条件としてその時の配当倍率は一得点で15倍、二得点で30倍となる。

30倍の倍率になるような大穴の可能性を整理して取り除いてしまうと、日本がブラジルに二得点二点差で勝つことが最も難しいと思われている事になる。
コメント (9)
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